「弾きたい曲があるけど楽譜がない!でも耳コピできるほどの音感もない…」
・・・なんて途方に暮れていませんか?
私もかつてはそんな一人でしたし、今でも音感はほとんどありませんが、
「文明の力」と多少の知識をフル活用して耳コピできるようになりました。
そこで今回は、音感ゼロでも耳コピしたい人のための便利なアプリやアイテムについてご紹介します。
1.はじめに(自己紹介)
現在私は、耳コピして作った楽譜をYouTube上で公開しています。
まだ公開していない分まで含めると、耳コピした曲数は80曲超です。
「音感ないとかいってるけど、本当はあるんじゃないの?」と思われそうですので、私がどれほど音感がないかご紹介しましょう。
まず、今までの人生でメロディーが音階で聞こえたことは一度もないです。
音当てゲームなどでも、先にドの音を弾いてもらって全集中すれば1音くらいは当てられますが、集中してなければ1音すらも厳しいです。
ちなみに2音以上連続で鳴らされたら全集中しても当てられません。
そんなゴミみたいな音感の私ですが、上で書いた通り、文明の力と多少の知識を活用して耳コピが出来ています。
2.楽譜製作は「MuseScore」
私たちのように音感のない人間は、せっかく耳コピしても記録として残しておかなければすぐ忘れてしまいます。
そこで必要になるのが楽譜製作ソフトですが、これはMuseScore3がオススメです。
操作に慣れるまでがちょっと大変ですが、慣れてしまえばかなり使いやすい上に、楽譜の仕上がりも綺麗です。
なにより、後述するサウンドフォントやMIDIキーボードが使えるのがポイント!
なお、使い方については1つの記事で説明できるものではないので省略します。あしからず…
MuseScore3のダウンロードは公式サイトにて↓
3.文明の力「Transcribe!」
今回の大本命です。
世の中に耳コピ支援ツールは数あれど、現状このTranscribe!が1番だと思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/44/87/j/o1920102815098311773.jpg?caw=800)
【オススメな理由① イコライザ機能】
イコライザとは、ざっくりいえば「特定の音だけを目立たせる機能」です。
耳コピしているとき「ベース音だけ聞き取りたいんだけど、他がうるさくてよく聞こえない…」ということが結構あります。
そんなときはイコライザで「Bass select」を選べば、ベース音が聞き取りやすくなるよう調整してくれます。
操作に慣れればもっと細かい調整もできるようになるので、作業効率がグンと上がります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/87/a6/j/o0770052615098313386.jpg?caw=800)
【オススメな理由② 速度調整&移調が簡単】
耳コピしていると「曲が速すぎて聞き取れない!」「キーをCに移調して採譜しやすくしたい!」ということがよくあります。
そんなとき、Transcribeならどちらもワンクリックで調整できますので簡単です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/29/ad/j/o0282009015098314834.jpg?caw=800)
【オススメな理由③ ループ再生が簡単】
音感ゼロの人が耳コピする場合、音を聞き取るために同じフレーズを何回も聞く必要がありますよね。
Transcribeでは、ループ再生したいところをドラッグして選択するだけで簡単にループ再生できるので、めっちゃ効率がいいです!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/49/8d/j/o0267027215098320458.jpg?caw=800)
【オススメな理由③ 音階を教えてくれる】
これが最強すぎます。
自分で耳コピしなくても、今どの音がなっているか鍵盤上に表示してくれるんです!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/75/da/j/o0516023915098316505.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/15/dalnifolto/97/0e/j/o0237004415098317081.jpg?caw=800)
さすがにオーケストラみたいな曲だと厳しいですが、ピアノソロの曲などは結構正確に表示してくれます。
これでアタリを付けた後、後述するMIDIキーボードを使って精査していけば完璧です!
Transcribe!のダウンロードは公式サイトにて↓
4.音感ゼロの必須アイテム「MIDIキーボード」
Transcribeを使えばどの音階が鳴っているのかある程度教えてくれますが、100%正確ではありません。
そこで活用したいのがMIDIキーボードです。
MIDIキーボードというのは、パソコンと接続して使う鍵盤楽器のことです。
聞き取りづらい和音にぶつかったときは、Transcribe上でループ再生しつつ、音階表示を参考にしながらMIDIキーボードで同じ和音を弾いてみましょう。
それで音が濁らないようなら正しい和音なので、そのまま楽譜に記載してOK。
音が濁るようなら間違った音が含まれているので、音を少しずつずらしながら修正しましょう。
「音をチェックするだけならピアノとか普通のキーボードでもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、MIDIキーボードをMuseScoreと接続すれば弾いた音をそのまま音符に変換してくれます。
これが非常に便利ですので、効率よく耳コピするなら絶対にMIDIキーボードを準備しましょう。
ちなみに私が使っているのはこれ↓
USB給電なので電池不要ですし、ドライバのインストールも不要なので使い勝手がいいです。
特に、音感ゼロ勢が耳コピするときに重要な「移調(トランスポーズ)」機能がついているのがポイント!
曲のキーがCになるように移調すれば耳コピが楽になりますからね!(※後述)
5.意外と重要「サウンドフォント」
耳コピを進めていくと「ちゃんと採譜したはずのに原曲よりショボく聞こえる」という場面が出てきます。
そう感じるのはだいたいサウンドフォント(音源)が原因です。
MuseScoreに初期搭載されているピアノ音源はそんなにリアルなものではないので、正確に採譜してもショボく聞こえることがあります。
そこでオススメしたいのがサウンドフォントの変更です。
ネット上にはリアルなピアノ音源がたくさん落ちていますので、そのデータを拾ってきてMuseScoreで読み込みましょう。
【手順の概要】
①MuseScore上の「編集」⇒「環境設定」の画面で「サウンドフォント」のフォルダの場所を確認し、アドレスをコピーします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/14/dalnifolto/d7/b2/j/o1294054515098282981.jpg?caw=800)
②コピーしたアドレスをエクスプローラにペーストして該当フォルダを開き、ダウンロードしておいたサウンドフォントをぶち込みます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/14/dalnifolto/27/fc/j/o1526066415098284066.jpg?caw=800)
③MuseScore上の「表示」⇒「シンセサイザー」の画面で「追加」をクリック
し、読み込みたいサウンドフォントを読み込みます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220405/14/dalnifolto/22/fe/j/o2047099015098284867.jpg?caw=800)
以上の操作で、MuseScore上のピアノ音源を変えることが出来ます。
ちなみにオススメのサウンドフォントは下記3つです。
・akai_steinway.sf2
・Equinox_Grand_Pianos.sf2
・Steinway Grand Piano 1.2.sf2
検索すればすぐ見つかると思うのでよろしければどうぞ。
6.できないのは知識が足りないせいかも?
文明の力をフル活用しても、やっぱりぜんぜん耳コピできない!という方もおられるでしょう。
その場合、耳コピに必要な知識が足りていないかもしれません。
たとえば「曲のキーをCに移調すれば白鍵だけで演奏できる」と言われてピンときますか?
曲のキーがCなら、耳コピするときに黒鍵はほぼ無視していいのですが、これを知っているのと知らないのとでは労力が倍以上違います。
これはさほど難しい話ではなく、しっかり学べば1日で理解できるはずです。
「そんなの知らなかった!」という方は、ぜひ下記の本を読まれることをオススメします。
この本の何がいいかというと、著者のずっしーさんも元々音感がない側の人なんですよね。
音楽関係の本って、絶対音感を持っているような人が書いていることが多くて、「音感がない人の気持ちがわかってない」本が多いんですが、この本はちゃんと私たちの気持ちに寄り添ってくれてます。
最初の数十ページ読むだけでも耳コピ効率がだいぶ変わりますので、まだの方はぜひ読んでみてください。