「I want to ride my bike.」
この季節になると思い出すことがあります。
何度か書いていますが、僕は4人きょうだいの長男です。
長男という立場は、いつも新しい服や靴を買って貰えたり、
写真をたくさん撮ってもらえていたりして、他のきょうだいたちが
主にお下がりを着せられたり、子供の頃の写真が少なかったりするのに
比べて何かと得なことも多いです。
その反面、親にとってのはじめての子供は、躾が厳しくなったり、
少しでも危険なことをさせて貰えなかったりと、過保護気味に育てられる
ところもあります。お小遣いも門限も自分の時が一番厳しく、
きょうだいの順番に緩やかになっていきます。
長男は、何かあるごとに権利(笑)を勝ち取るために、親とあの手この手を
使ってバトルしなければならないのですが、他のきょうだいたちは、
何もせずにその既得権利を享受できます。少しうらやましったですが、
今思えば、それを親に認めて貰うために戦う過程は、僕の成長の大切な
プロセスだったかもしれません。
親と戦ったことで一番覚えているのは、子供の頃の自転車を巡る戦いです。
確か幼稚園の年長組くらいのころ、僕は自転車が欲しくて仕方が
ありませんでした。一緒に遊んでいた友達は、それぞれ親に自転車を
買って貰っていて、遊ぶときは友達たちは自分の自転車に乗り、
僕はその後を走って追いかけていました。
初めは補助輪付きだった自転車も友達たちはだんだんそれを
外していきます。上手な子は、手を離して運転できたりして。
たまには、友達に自転車を貸して貰ったりしましたが、
自分の自転車がないということは、僕の大きなコンプレックスでした。
何か自分だけ取り残されていくような気がして、焦りさえ感じていました。
その時僕の家は、それほど貧乏だとは感じていませんでしたが、
他の友人たちが、ポテトチップスを一人で一袋食べているのを
しり目に、4人で一袋分けて食べたりしていて、子供心に自転車を
買ってくれなどとは言えるようなカンジではありませんでした。
父は、毎晩朝早くから夜遅くまで働き、母は幼い子供の世話で
大わらわだったからです。
(後編へつづく)