わが子のためにも、未来ある子どものためにも、
教育者は、是非読んでいただきたい。
長文だから・・・・・・? 3回に分けてブログに載せます。
第1回
★ ピアノを上手に弾くことと、座る、寝る姿勢、箸、鉛筆の持ち方とは深く関連があります。幼少の時から本能として身に付けること、又、気づいた時から治すことは大切なことです。
★ 体の歪みは、生活習慣の中で付くことを知ったら、歪みを生じさせない為に、座る、寝る姿勢を正すことが大切です。
ピアノを弾く姿勢から見えてきたもの
―座る・寝る姿勢が如何に大切か―
嵩 和夫
東京未来大学研究紀要
田中拓未 論文
ピアノ学習者の演奏姿勢について -軸を意識した座り方に関する考察-
ピアノ初期学習における腕の動き ―前腕の回転と弛緩の関係について―
田中拓未プロフィール
東京都生まれ。8年にわたるドイツ留学を経て、2007年に帰国。2008年東京オペラシティにて帰国記念リサイタルを開催。同3月より東京都足立区にある「わたなべ音楽堂」に於いてサロンコンサートシリーズをスタートさせ、日常の中の身近な演奏会をこころざし、定期的にピアノソロや室内楽の演奏会を行う。これまでにピアノを松下正美、岡崎悦子、ヘルムート・ブラウスの各氏に師事、また8年に及ぶドイツ留学ではフライブルクにてフェリックス・ゴットリ―プ、トロッシンゲンにてヴォルフガング・ヴァーゲンホイザーの各氏に師事、また室内楽をライナー・クースマウル、ミハエル・バウマン、イョルク・ヴィットマの各氏に師事。これまでに、日本、ドイツ国内各地でソロおよび室内楽で200回を超えるコンサートを行う。2006年11月フライブルク市Historische Kaufhaus に於いて独日協会後援による室内楽コンサートを主催する。在学中よりドイツ州立音楽学校等にて講師を歴任、日本では現在オルゲル音楽院ピアノ講師、また、東京未来大学にて後進の指導にあたる。さらに定期的にドイツ各地での演奏会を行う。
はじめに
ピアニスト田中拓未先生は、「ピアノの教育の場において、最初の段階で重要なのは、身体から無駄な力を抜くことを指導することであろう。」と言われています。それに加えて、脱力するための体の軸を意識した座り方について考察されています。
座る、寝る姿勢が、身体にどのような影響を及ぼすかを追求しているものとしては大変興味のある論文です。
ピアノを弾く姿勢から見えてきた、何故、座る、寝る姿勢、箸、鉛筆の持ち方がピアノを上手に弾くことに関連して大切であるのか述べていきます。
体の軸が歪む生活
たかが、座る、寝る姿勢と考えるかも知れませんが、その姿勢が、座る、寝るときの体の軸の歪みに影響を及ぼしているのです。体の軸が歪むと「身体から無駄な力を抜く」こともできないのです。
ピアノ発表会の子どもの挨拶を見ても、両かかと、両膝が開いたままで挨拶する子どもが増えてきました。両かかと付けて直立できない子どもが増えているということです。
人間は、地球の引力(重力)のなかで生かされています。引力に逆らった姿勢で、歩く、座る、寝ることを続けることが良い訳がありません。
二本足である人間が左右対称でない状態で1日16時間~20時間を過ごしたら体の軸が歪んでも仕方がないのです。体の歪みが日常生活に支障をきたさない限り気づくことなく生活しているのです。体の歪みを生じさせないために、体を動かし、関節を緩める運動を取り入れて修正することが大切です。しかし、体を動かすことすらしない人が増えてきています。
赤ちゃんを見て下さい。丸く抱っこし、柔らかい布団に寝かし、コンビラック、チャイルドシートを利用し、腰が丸くなった姿勢を保ちつづけさせているのです。座るようになると、高い机に向かわせて、肘が上がり、開いている状態で食事させ、図画工作等をさせ、その姿勢が悪いと知らずに保育しています。テレビを見たり、ゲームをする等の姿勢も非常に悪いです。
睡眠中、寝がえりしながら動き回ることは、関節、筋、筋肉がほぐされ、疲労が回復するのでとても大切です。寝相が悪いことは身体に悪いと考える人が多いのには困ったものです。寝るとは、体の歪みを修正し、疲労を取り去ることなのです。
現状の座りかた
家庭、学校、公共施設の椅子は、100パーセント近く座面が後傾で、背もたれが後ろに傾いています。家庭、学校では、椅子に深く腰掛けて座ることが正しいと指導しています。しかし、椅子に深く腰掛けて、背もたれを利用して座る姿勢は、正しい姿勢ではないのです。座面が後傾の椅子に座り背筋を伸ばすためには意識しなければ伸びません。そうすることで腰に負担が生じます。
意識した座り方は持続しませんので、学童椅子、食卓、学校の椅子に座ると、背もたれにもたれかかり、腰を丸めた姿勢になります。腰を丸めた姿勢を日常生活の中で多く見かけ、椅子が悪いために姿勢が悪くなっていることに気が付いていないのです。
人間工学研究の先端を進んでいるはずの車、飛行機、バスの座席に座ると腰が丸くなります。座り続けることで下肢の血液の流れが悪くなりエコノミー症候群を引き起こしているのです。
椅子、座席に長く座るほど下肢の血液の流れが悪くなり、腰も悪くし、健康を害しています。椅子、座席の座に原因があるのに、座が悪いとは考えていないのです。
腰が悪いと精神的にも持続性がなく、集中力も向上しません。また、大人と同様に座っている子どもにも腰痛が生じていることに、気が付いていないのです。
肘が上がり開いて座っている姿勢
肘が上がり開いた状態の手の先は、体に対して横向きで、箸、鉛筆を持つために悪い状態で、そのために悪い癖が付き、持ち方が悪くなるのです。つまり肘を上がり開いた状態は、箸、鉛筆を正しく持ちましょうと、いくら教えても正しい持ち方ができない姿勢なのです。
箸、鉛筆の悪い持ち方は、大人になって知恵が付いても絶対に直りません。
幼少のときに直すことが大切です。
箸、鉛筆の正しい持ち方は、肘を閉じて、肘は机よりやや上で手の先が正面に向いている持ち方です。
箸、鉛筆の持ち方が悪いことと、ピアノが上手に弾けないことには密接な関連があります。何故ならば、ピアノを弾く時の肘は下げて手の先は鍵盤に向いていなければなりません。箸、鉛筆の持ち方と、ピアノを弾く腕、肘、手の先の動きは全く同じなのです。
授業中の姿勢も、背もたれにもたれかかった姿勢でいても静かにしていれば、とがめることなく、足をブラブラさせて落ち着かない様子であっても何の注意もしないのです。足をブラブラさせた座り方は、重力を感じることができず、体の軸を歪めることにつながります。
机の高さが高いために、両肘が机より上り開いていることに気が付かず、箸、鉛筆の持ち方が悪いからと、いくら指導しても直らない原因が机の高さが、身長とマッチしていず、座り方が悪いことにあると気が付いていないのです。
食事のマナーも、茶碗を持って箸でご飯、おかずを口に運び食べることをマナーとしていますが、好き嫌いなく、何でも食べて、残さないように食べることが良いように言われ、箸の持ち方の指導は置き去りなっています。その上、食卓の高さが高いために、肘が上がり開き、足は付かないで、深く座り、背もたれを利用して食事をしています。そのために茶碗を持たない、箸を横に寝かせて持つ癖が付いているのです。
肘が上って開いて座る姿勢は、顔に近付けて箸、鉛筆を持つために、図画工作等の手作業をする視野が狭くなり、脳の視覚範囲を狭めるため、手先の器用さが身に付きません。
肘が上がり開いた姿勢をつづけると、下半身と上半身の軸が歪む癖が付きます。つまり、箸、鉛筆の持ち方が悪いことを重要視しない生活をつづけることで、悪い癖が付き手先が不器用になるのです。
鍵盤を手首で弾くこと、箸、鉛筆を手首だけで動かす持ち方は駄目であると知らしめることが大切なのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
第2回のブログも読んでくださいね。
メッセージをいただけたら嬉しいです。 嵩 和夫