経営者団体の中でのビジネスの是非 | 臨床美容師のつぶやき(豊後大野市共育塾)

臨床美容師のつぶやき(豊後大野市共育塾)

いくら良い言葉を並べても、お金がからむと真実が見えない。こころを商品化する社会にも同じ不安を感じる。そんなこころの悩みを和ダンボがつぶやきます。豊後大野市共育塾(場所ココミオ)では、そんな問題をみんなで語り合っています。お問い合わせは美容室WAKOまで。

わたしがお世話になった中小企業家同友会全国協議会は、本来金融機関や保険業やコンサルタントは入会できませんでした。金融機関は手形が落ちる落ちないの話までするので、やはりそこにいてはまずいのではとなっていました。


金融機関も知ってしまうと判断に困りますね。もしもそれを探りたくて入るのであればアウトです。あと保険業もコンサルタントも、会員すべてが顧客対象になるからです。もちろん自然発生的なビジネスは構いません。


飲食業などはビジネスに繋がることはよくあります。それは会員のほうから行くので問題はなかったのです。当店(美容室)も何人かは来てくれました。会の中に美容室経営者はほとんどいなかったので、割引券でもあれば社内で配るよと言ってくれた人もいました。


しかしそれは丁重にお断りしました。それをやると基本が崩れるのをわかっていたからです。同友会はどんな規模の経営者であっても、会の中では対等が原則です。そこにビジネスが入るとどうしても上下関係ができます。


それでは対等な議論はできません。同友会は営業目的で入るものでもなく、社員教育をして欲しくて入るものでもありません。経営者自身が学んで成長する場なのです。それが社員教育にもつながるのです。順番をまちがう人も多いです。


中小企業家同友会は経営者同士で真剣に学ぶ場なのです。その目的を理解すれば、本来は業種に関係なく入会できるはずです。かつてできる保険屋さんからは、身内や知人は最初はとくに勧誘しないという話を聞いたことがあります。


すぐに入ってもらえそうな所には、最初は行くなの指示があったそうです。その会社も素晴らしいですね。単に業績を上げるだけでなく、社員を育てようとしていたのがわかります。わたしの独立もまさにそのような感じで営業しました。


地元でないから親戚はいません。独立前は遠くで働いていたので、かつてのお客さんも来ません。そして近所の人らも行きつけの店がありました。ほぼゼロからのスタートが、いま思えばそれが正解だったと思います。


それでも初めの頃はやはり知り合いとかが来てくれていました。もちろんそれはそれで嬉しかったのでずが、初めて赤の他人のお客さんが来てくれたときは感動しました。それでやっと独立した気がしたのを今でも覚えています。


まったく知らない人が店に来てくれる、これほど嬉しいことはありませんでした。安易に来てもらわなくて良かったとあとで思いました。経営コンサルタントの仕事は、経営者の補助をするというよりも、経営者自身を育てるのが本来の目的です。


それは長年のコンサルタントとの関係でわかりました。経営者も行き詰まることはあります。そんなときにステップアップをさせるのがコンサルタントだと思います。コンサルタントとの相性も大きいです。すべて人間関係で決まります。


「共育」が同友会のモットーです。社員を育てながら社長が育つのです。それを豊後大野市共育塾でも使わせてもらっています。誰かを育てようとすれば、結局は自分が育つようになるのです。また自分が育たないと育てることもできません。


この連鎖が共育ちになるのです。経営者同士でも共育ちの関係になります。親子でも共育ちです。そうして考えると育てることも苦にはなりません。すべて自分のためになるからです。そして一つだけ重要なことがあります。


それは育たない原因を相手のせいにしないことです。それさえ意識すれば大丈夫です。経営者育成団体が中小企業家同友会の本来の姿です。わたしもそこで育てられました。ではまた明日。