正式名は「中小企業家同友会」という名称ですが、通称で「経営者の道場」と呼んだりもしています。報告者を講師とは呼ばず、ですから講演会でもありません。経営者が講師などと呼ばれ出すと変になりますから、そこはわきまえています。
貴重な経営者団体と言ってもよいでしょう。これは「対等の精神」から来るもので、会員同士も社長などの肩書きでは呼ばず、基本はさん付けで呼び合い、会社の規模や年商なども関係ありません。
そのような考え方が基本にあり、会社内でも社長と社員は対等の関係になります。ただし、社内の業務上での上下関係はあります。この考え方が通常の経営者には、なかなか納得できない人も多いです。
社長はすべての責任を負って経営しているのに、対等はおかしいという考えです。その考え方自体は責任感もあって、悪いことではありません。その上で対等に考えるようになれると、経営者としてのステージも一段上がることになります。
言葉よりも行動です。対等精神の逆がパワハラやモラハラをする経営者です。セクハラまがいをする可能性も大いにあります。すべてが自分(経営者)の方が上だと思っているからです。せめて考え方が上であって欲しいと、強く思います。
時を戻そう。先ほどあえて素晴らしい報告者を、前段といった意味がここにあります。経営者としてまだまだ伸びてもらいたいのです。そのためにも常に下から目線でいて欲しいのです。
上には上がいます。伸びる人ほど下から目線という実感は、わたしのすべての体験からです。養老孟司さんの「バカの壁」にも詳しく書かれていますが、「わかっているつもり」のつもりが一番怖いのてす。
討論テーマは「経営者として継続することは何か」でした。少し意味が広すぎて答えにくかったのですが、それは仕事の目的にも通じると思いました。では仕事の目的は何かですが、それはズバリ「自分の成長」とずっと思い続けています。
「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来」という、元はカナダの精神科医の有名な言葉があります。結局は本当に変えられるのは自分しかいないのです。そしてその自分を変えることさえ、七転八倒するのが現実です。
以前は自分さえも変えられずに、他人を変えようとばかりしていたのです。しかし経営者になれば、社員教育などが大切な仕事になります。人を育てようとすることで、自分が育つことにも気づきます。これを道場では「共育」と呼んでいます。
道場での一番の学びが、この「共育」という考え方を知ったことでした。これですべてが楽になり、変なストレスもなくなりました。すべてが自分の責任だと思うことで、気持ちはずっと楽になります。
共育という言葉、まだ検索ではこの単語は出てきません。これが出るような時代になれば、きっと戦争もない平和な世の中になると思います。みんな悪いのは相手、と決めつけて争うわけでしょうから。
「仕事の目的は自分の成長」これだけは思い続けて人生を全うしたいと思います。人生の目的も決まっていると楽です、あの松下幸之助さんも、死ぬ間際まで若い医師に質問をしていたそうです。
ですから若いときから病弱な体でありながら、94歳まで生き続けられました。常に誰にでも質問できるこころの若さがあったからです。それは「青春」という詩にも現れています。成長するための質問、ますます続けようと思います!