イギリスにジャイルス・ピーターソンという80年代後半から活躍しているプロデューサー/レーベルオーナー/DJ/選曲家がいまして、ざっくりとした言い方をすれば、ジャミロクワイとか、インコグニートとか、ブランド・ニュー・ヘヴィーズと言った90年代初頭の新しいジャズ・ムーブメントの立役者です。

そんなジャイルス・ピーターソンによるブラジル・レコーディング記が映画になりまして、もろジャイルスに洗礼を受けている世代の僕としては何が何でも行かねばならぬ、と思っていたのですが、10月の頭に公開だったのに、滅多に訪れないほどの仕事の激モテ期が重なり、ずっと観られずに悶々を過ごす日々が。ところが当初1週間ほどの上映と言われていたのがロングランしているという情報を聞きつけ、こっそり観に行って参りました。

つまらなかったら、観に行った事実ごと隠蔽しようとしていたのですが、「ブラジル・バン・バン・バン」、観て良かった……。サボってたことがバレても公表>>>>>隠蔽。いやー、基本泣くような映画じゃないし、ドキュメンタリーなので進行は地味ですが、それでも僕はツボを突かれまくって、泣いたよ……。これ、東京だけでの上映なんて、本当にもったいない……。

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の今の世代かつブラジル版みたいな感じですが、そこに翻訳者としてのジャイルスが居てくれることによって急激にブラジルが身近になるし、リオ・デ・ジャネイロの美しさと、登場人物の豪華さ(エルザ・ソアレス、マルコス・ヴァーリセウ・ジョルジエヂ・モッタetc)と、全然知らなかったことと……。

急にブラジルって言われても、地球の真裏で、なかなか我々と接点がないですが、ああ、こんな場所で、こんな空気感なんだ、というのをこの映画で感じて頂きたい……。



11月中旬まで伸びに伸びて上映しているようなので、東京圏におられる方は是非。地方の方、済みません。DVDかblu-rayになった際に再びこちらのブログにアップしますね。


そんなジャイルスの仕事の中で、僕が個人的に一番影響を受けたと言えばブラジルとは全然関係ない、これ。定番と言えば定番ですが、オマーの「There's Nothing Like This」。25年前の曲とは思えない。めっちゃ洗練されてる!