ネタの作り方⑥ | 元芸人として・・

元芸人として・・

元芸人がお笑いについて真面目に語る場。多少の自己満足あり・・

  パーツがある程度でそろった段階で、ようやく文章にします。


 この時留意することは、ただ1つ。「いかに無駄をなくすか?」ということです。


 若手の芸人の場合、ネタの持ち時間というのは、たいてい3分~5分というのが相場です。この限られた時間の中で、笑いを取らなければなりません。必要のない言葉というのは、入れてしまうと時間の無駄になるだけで、無意味になってしまいます。それを避けることを念頭に置くことが重要になります。



 ですが、まず最初にやることは、とりあえず一言一言書き出してみるということになります。これは、例えば結婚式のスピーチとかでもそうですが、頭の中でこういう話をしようとはっきり決めていても、実際本番になると、思ったとおりにいかないという様に、うまく伝えられないという可能性を消すために、最も確実な方法になります。


 ネタを文章化したら、次は実際に練習をしてみます。まず最初は、時間を測りながらしてみます。やってみて、長ければ削らないといけませんし、短ければ足さなければいけません。


 仮に、長かった場合、どう削るか?


 ・使っている言葉と同じ意味の言葉で、少しでも短くなる言葉に変える。

 ・ボケを外す。

 ・パーツの部分で新しいものを考える。


 私の場合は、たいていこの3つの選択肢から選んでいました。ですが、やはりボケを外すとか新しいパーツを考える作業というのは、なるべくしないようにとは考えていました。やはり、自分が面白いと思って残したものですので・・・。仮に、新しく考えて失敗してしまうとものすごく後悔しますので・・・。


 では、逆に短かった場合ですが、


 ・ボケを増やす。

 ・言葉を延ばす。


 たいていこの2パターンでしょうか?ですが、やはり言葉を延ばすというのはもったいない作業になってしまうので、ボケを増やす場合がほとんどでしょう。


 少し話がそれますが、若手の芸人でも少し売れてくると、10分とか15分の持ち時間が与えられたりします。15分間笑いを取り続けようと思ったら、ネタを作るのにかなり時間がかかってしまいますし、時間が長くなればなるほど、新しく一からネタを作り出すと、笑いが取れないという状態になりがちです。


 では、どうするか?5分のネタをつなぐんです。しかも、今まで舞台に立った時に、笑いを取れたネタをです。テレビだと長いネタを見る機会は少ないですが、舞台だと頻繁にありますので、興味のある方は是非ご覧ください。ただ、単純につなぐだけではなくて、組み合わせ方によって無理のないように「フリ」を変えていたりするので、考えてるなと感じていただけるのではないかなと思います。


 何度も練習を重ね、無駄を省き、洗練して、ようやく舞台に上がるネタの完成です。ですが、この段階ではまだ本当の完成とは言えません。このネタを持って、舞台に立ち、お客さんの反応を見て、悪いところ、うけなかった部分を進化させていかなければなりません。つまり、何度も何度も舞台でやってみて、洗練していってはじめて完成品が出来上がります。


 でも、頑張っても頑張っても、自分の思うように笑いが取れることは少ないんです。(私に力がなかったからですが・・)その分、笑いが取れた時の喜びは本当に何とも言えません。その充実感を一度味わうと本当に病みつきになりますし、前に進んでいこうというパワーにもなります。ですので、なるべく温かい眼で見てあげて欲しいなという願望はあります。みんな、本当に真剣に取り組んでいますから!プロの世界ですから、結果が全てというのは当然で、私の願いは甘いのかもしれません。ですが、全ての芸人に幸あらんことを!そう願ってやみません。