福岡市長杯は僅差で優勝した。

IMPのチーム戦、20VPスケール。
ドラマチックだったのは午前中のこのボード。

{FA83CE9F-A5BE-4B58-9338-01069AF2C507:01}

僕はEast、こちらのテーブルのオークションはフリーランで

1C-1S;3S-?

この3S、点があれば1NTで開けたがるパートナーなので、多分赤いスーツのどちらかにショートネスがある14-16点。自分が長い分パーセンテージはDショートなのでパスだろうが、万一パートナーのショートネスがHだったらとても良い4Sになりそう。

IMPスコアリングであることのみを根拠に4Sへレイズ。Cリードからのしょぼしょぼプレイで-3。

チームメイト、NorthのYさんはWestの1Cオープンに1NTで介入。HのテキサスTRFを受けて4Hへ。

(1C) 1NT 4D; 4H//

お昼を食べながら、Yさん一言。

「Hのインビテーションくらいでも良かったのに」

1NT言ったあんたの問題ちゃうか。
でもすごいのはここから。

リードはDで飛び込み。良い感じ。
ハンドで勝ったYさん、いくら彼がプレイの達人であってもSA、HA、CAには負けそうだと冷静に判断。

このフィットでハートが1敗で済むのは3-3ブレイクのHJTオンサイドしかないので、H9のフィネスを敢行した。Aが飛び出る。

チームメイト「EastはHJをスプリットしなきゃいけなかったわけね」
Yさん「それはもしHが8枚フィットだったとすると…」

確かにここでは、Hアナーはスプリットできない。
East目線では、ディクレアラーがシングルトンハートとは知らない。ので、パートナーがHAxの時、HJを表でスプリットしたら、次フィネられてしまう。
H1枚で1NT言ったのが大成功だった。さすがセコい。

HAで勝ったあとは詳しく聞いていないが、メイクしたのだからおそらくSxは出されてないはず。Sxを出されると、DKをキャッシュするエントリーがEastに生まれるため落ちてしまう。CA、CxはダミーでラフしてHを集め、Sx→SKでメイク。SA、Sxなら?

まだ落ちる。SK勝ってSxラフ、Hを集めてCを引いた時、WestがCxをプレーするとトリックショートでダウンだ。やはり、そもそものHCPが足りない笑。

これを見て思ったのは、強運の星の下に生まれた人は違うな、と。僕が同じコントラクトを持ったとしたら、たぶんこういうHの配置にならなかっただろう。シュレーディンガーのコントラクトである。いやはや、世の中そんなものなのだ。

ささやかな幸運なら、僕も手にした。

最終ラウンド、僕のハンドは

JT82
Q54
Q7
Q873

オークションは右手から

1S-1NT;2H-3H;4H//

Plan the opening lead.


1Sで開いた時から嫌な予感はしていて、1NTフォーシングが入った時は「オープニングリーダーにならず助かった」と真面目に思った。けどやはり、許してはもらえなかったようだ。

OLはなかなか選べなかった。
心の内なる声はDQを打てと激しく主張していたが、理性はずっと懐疑的だった。結論は出ないだろうという予感がしていた。しかし、決断の時が来てしまった。

なんとなく、このDQは"打ちごろ"だと思っていた。メジャーはあんまり打つ気がなくて、マイナーのどっちと言われると、どことなく掴みやすいのだ。クラブのミドルがしょぼいのもポイントで、僕に生き方を迫っている気さえした。

ヒーローになるか、凡人で終わるか?

ほとんどDQに手がかかっていたが、最終的にOLにはC7を選んだ。フルハンドは以下。

{AD3658AE-CAB0-4BEA-8C57-5F00CFC311C8:01}

C7リードはCJ、CA。S7リターンをディクレアラー勝ってDx→DK、DA。S5コンティニューを勝ってSラフ、パートナーはHJでオーバーラフ。Dx→DQでSJ。ディクレアラー、HKで切ってしまい、僕のHQも生還してHQJ、DAQ、CAをディフェンダーで勝ち-2。

裏は、DQリード。DK、DA。Dリターンをハンドで勝ってHAK、SAKQ、Sラフ。Hと出すとEastからはCしか出すものがない。これを正しくゲスして4メイク。上位はごく僅差で争っていたので、このリードは優勝を決めた。

ブリッジは積み重ねだと思うから、この1ボードのウェイトが大きく見えるのは錯覚に違いない。ただのゲームの出来落ちなんだ。これはどこにでも落ちていた数IMPと価値は一緒なんだ。

そう自分に言い聞かせたが、結局そうは思えなかった。つまるところ、たくさんのヒーローは要らないし、そもそも僕はヒーローではない。Yさんとは違って、凡人だ。凡人ならば凡人らしく生きよう。そう思ったのだ。

リジョナル優勝したのは初めてだったので、素直に嬉しかった。やったね。


昨週末は福岡リジョナルへ参戦。

土曜日は西日本テレビ杯だった。IMPペア。

前半から。オポーネントはプロではない。

僕のハンドは

AQ74
A54
QJ82
QJ

1NTオープンするとSへのTRF。ギリギリSAしちゃうか、と思い、3Dと受けるとあれよあれよと僕の6Sに。

1NT-2H*;3D-3H*;3S-4C;4H-4NT;5S-6S//

3Dはなんですか?としつこく聞かれたのち、STリード。ダミーは

J8632
KJ8
A
A642

まぁまぁのダミー、でき目はそこそこある。パワーはちょっと足らないが。
そして微妙なスペードを出された。どうしよう。

STがS9を伴っているなら、いつでもスペードローをプレイだ。一方STがシングルトンなら、今JをかぶせてSKを召し上げ、次の機会にS9xをQ7でフィネスしなくてはならない。

OK、ローを引こう。

普通、オープニングリードの教科書には、トランプシングルトンはリードしてはならないと書いてありそう。これが理由の一つ目。
そして、仮にSTががシングルトンなら、Cは出しにくい形=CKを持ってる可能性が上がってるだろう。これが理由の二つ目、Sを外したとしても、Cは当たってる可能性に賭けてみた。

T1:ST,2,5,Q
T2:SA,Dx,Sx,9

外した。Cをフィネってみよう。CKはすぐカバーされてほっと一息。いいこと思いついた。戯れにやってみよう、マイナーのパーシャルエリミネーション。

T3:CQ,K,A,3
T4:DA,x,x,x
T5:C2,5,Q,8
T6:Dx,x,Sx,x
T7:C6,9,Sx,CT

いまの状況は、僕の手が

7
A54
QJ
-

ダミーが

Jx
KJx
-
x

サイドスーツは全勝だ。Plan the play.

第一に、Dのラフィングフィネスを考えた。
元々僕は、左手がDKを持っていそうだと思っていた。オープニングリード前に3Dについてしつこく聞いてきたこと、S2巡目にDを捨てたことが状況証拠でイメージはDKの5枚。

もうひとつあるのは、DQをラフしてみて、DKが落ちて来なければHAで戻ってHフィネス。D2巡フォローされてるので、DK切り落ちは結構率が上がっている、Hフィネスに10%乗っけて6割超えるくらいか。表が不必要にDK被せてくれるかもしれないので、多分7割いかないくらいにはなる。
その他にHKAとってDでラフィングフィネスというプランもあるが、HQxよりはDKxxがいる確率の方が高そうだ。

だが、僕は違うプランを選んだ。ヒントにしたのは、Cの出方。

T8:Sx,DxCx,SK

悩んでるところを「Cなければスローインに掛かってるんでメイクです」

実際に右手のハンドは

K95
T73
K943
953

だったのでメイク。Hのフィネスは効いているが、Dのラフィングフィネスは抜けてる。危なかった。

右手のCを3枚と読み切れたならこれが正しいプレイ。もし4枚目があったらキャッシュされてしまう。13枚目のクラブ、C7の在りかが不明なわけだが、この出方をしたらパーセンテージは右手C3枚だと思う。

なんでかというと、まずこのCの出方の時は、誰かが必ずフォルスカードをしている。

右手と左手のクラブの組み合わせは①953-KT87か②9753-KT8で、3巡目に出たクラブの組み合わせは9-T。
つまり①だとすると左手が7でなくTを、②だとすると右手が7でなく9をフォルスカードしていることになる。

そもそも繋がってる事がわかるのでフォルスカードと呼ぶかはわからないけど、少なくとも"自然"ではない。

次に、フォルスカードしやすいのは、考える時間が増える後ろのプレイヤーだ。プロレベルだと①と②の確率はほぼ等しくなるだろうが、普通のプレイヤーなら少なくとも50-50よりは大分①寄りになるはずだ。これはもう感じ方の話でなんとも言えないけど、テーブルでは8:2以上で①と思ったので、スローインを選べたというわけ。

Q:仮にT7でCTが出ていなかったら?
A:当てていたと信じたい。


後半からは、この2ボード。

僕のハンドは

AKxx
AKxx
x
xxxx

オークションはpdから

1C-1H;2C-?

ハンドが急に強くなった。スラムトライかな。

1C-1H;2C-2D*;3D-?

こういうシーケンスは普通(13)45。Mは僕のAK*2でルーザー無しになるから、S2H2C5のダイヤ3回ラフ前後で12個。オークションをコンティニュー。

1C-1H;2C-2D*;3D-4C;4H-?

1345ならほとんどトリック足りてるだろう。6C。

1C-1H;2C-2D*;3D-4C;4H-6C//

パートナーの手は

xx
xx
AQxx
AKJxx

「4Hは4CのRKCに答えたの」うーん。
あまり深く考えず、Dを切りまくってメイク。

そして次のボード。

僕の手は

AK84
KJTx
AKx
Kx

2C-2NT*;3H-4C;?

2NTはハートなんだけど、順調すぎない?
RKCしよっと。

2C-2NT*;3H-4C;4NT-5S;

...何を置いたら7が見つかるかわからない。

さっき6Cできたし、7Hも作って優勝するか。7H。

ダミーは

T952
AQxxx
xx
Kx

とかいう使えない感じ。SのQJ両表25%はメイクなので頑張るも、まぁなかなかないよね。-1。

そして終わった後の飲み会で散々言われる。そらそうだ、7を勝手に置かれて勝手に落ちていくのを見ていたパートナーとしては、むかつくのはごく自然である。言い訳がむなしく響く。

「7H作って優勝しようと思ったんです」

が、飲み会中に気づく。成績は22位/43ペアでアベレージを超えていた。あれ、これって…

さすが西日本テレビ杯。幸運なことにアベレージ賞のある大会で、賞品にふくやの明太子を8腹もいただくことができた。これにはパートナーもにっこり。

僕は25%で優勝、75%で明太子という運命だったのだと思うことにした。
点がなくても、力がなくとも、男にはやらねばならぬ時がある。
これは3回スリーリビッドを試みた男の話。

1つめ。僕のハンドは

KQJT93
AKT
T2
65

四谷のチーム戦で、ユースチーム。目の前は性格が素晴らしい2年生。

Neither VUL 2nd seat.
オークションはフリーランで僕から

1S-1NT;?

シェイプは平凡だけど、点数も平凡だけど、このハンドはあまりに強い。特にスペードが。そして、ストレートフラッシュ以上の固いトランプの時は何かが起こると僕は信じているので、3Sを掴んだらこれが流れる。

1S-1NT;3S//

出てきたダミーは虚しくて、

-
xxxx
AQxx
Jxxx

で、Dフィネスは実らず-1。

実は今日振り返るまで自分の宗教にチームを付き合わせてしまったかと思ったが、これは悪くなさそう。なにせSコントラクトなら上から7つある。サイドにAQJなんかあればもうすでになかなかのゲームになるし、ダミーに9-11点あったら鉄壁かもしれない。

悲しいかな、今日はそんな日ではなかった。-50。

2つめ。僕のハンドは

KT87
52
AQT954
A

この日は横浜開館記念という、ペアセクショナルでMP戦。昼食後の1番ボード。

Neither VUL 1st seat.
オークションはフリーランで僕から

1D-1H;1S-1NT;?

最後2D置こーと思って最初1Dオープンしたんだけど、1NTビッドを前にして手を見るとなんか強い。3D置きたいなー、でも14点なんだよなこれ。どうしよう。

2D4メイクとか、MPなんで1NTをパスしてDコントラクトから-1トリック以内に収めて貰うというのもある。けど、コントロールまみれだし、3D置いてみるかな。パートナーは3NTをチョイス。DK持ってたらいいな。

1D-1H;1S-1NT;3D-3NT//

OLはCxでパートナーはダミーのA勝ち。SAで手に戻り、D9を流す。DJに抜けてHKバック。1巡ダックし続くHQを勝ってDxからDQフィネス。抜けて、HJとCKQ取られて3NT-2。

パートナーのハンドは

A3
AT986
86
JT52

これ、ダイヤアナーが1つ表だったら鉄の3NTじゃねーか。もしかしたらリードがスペードとか、DJ負けて、H出されなくてメイクしたペアもいるかも。

Dアナーがなくてもこういうハンドが出てきうるから、やっぱり14点でも、Dアナーがカンチャンでも、あんまり自信なくてもこれは3Dなのだなとしみじみ。

今回はMP戦なので、2Dリビッドに抑えるのが大人であった。虚しい-100で1.5/48。

3つめ。僕のハンドは

2
KQJ
96
AQT8764

同じパートナーと横浜インビ2日目。もちろんIMP戦。

Both VUL 2nd seat.オークションは右手から

P 1C P 1H;1S ?

ここは、H3枚を示すsupport doubleかな、と思ったけど、オポーネントのS激フィットの前にCの7枚を紹介するにはいま3Cしかない。それに、どうせHはフィットしてるだろうから後で言えばいいや。3C。

P 1C P 1H; 1S 3C 3S 3NT; P ?

ここで思い出したように4H。さて伝わるだろうか。

P 1C P 1H; 1S 3C 3S 3NT; P 4H P 6C//

アイヤー。

ま、C6勝H5勝とサイドスーツのAで出来てもおかしくないし、CKはダミーにいなくてもフィネス効きそうだし、頼む、なんとかなってくれ。

オープニングリーダーはもじもじしまくってDAリード。ダメそう。

ダミーは

AJTx
Axxxx
Qx
Jx

D2発抜かれるもCKは表で5Cメイク。いや6C-1。オープニングリーダーのハンドは

Q43
96
AJ854
953

いいリードでした。

ここまでは「2か3か」というジャッジだったが、ここは「3かXか」というジャッジで毛並みが違う。もし4HがNFと伝わるのなら、ここは3Cビッドが良いのは賛成を得られるのではと思う。なにせXいうハンドの平均って

Qx
Kxx
Axx
KJxxx

とかだから。

パートナーはダイヤのコントロールを気にした方がいいかと思うが、安全にチェックするのは容易では無い。とはいえ、4Hにいっぺん4Sを挟んでおけば、鉄の6はなんとかビッドしてもらえるとおもう。

このボードについてあんまり詳しくは聞かなかったが、ちょっとコミュニケーションしたところでは、キーが足りないことは無いだろうし、Dリード来なくてもメイク、来てもメイクかもしれないと考え、勝負にいったらしい。それでも別に僕は、構わないと思う。出来なかった責任は、彼女より僕にあるだろう、なにせ12点しかないのだから。-100。

蓋を開けて見るとすべてマイナススコアだった関係上、実はすべてのビッドが3じゃなかったかなこれ、異常行動だったかな、と思っていたが、改めて振り返るとわりあいリーズナブル。特に3Dは自分で置いて頭おかしいと思ってたけど、スコア形式とはマッチしていないだけで、良い3NTに到達できたビッドに思える。

1万回ダメだったら辛いけど、これはも少し見込みある気がする。チャレンジを続けてみよう。