福岡市長杯は僅差で優勝した。

IMPのチーム戦、20VPスケール。
ドラマチックだったのは午前中のこのボード。

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僕はEast、こちらのテーブルのオークションはフリーランで

1C-1S;3S-?

この3S、点があれば1NTで開けたがるパートナーなので、多分赤いスーツのどちらかにショートネスがある14-16点。自分が長い分パーセンテージはDショートなのでパスだろうが、万一パートナーのショートネスがHだったらとても良い4Sになりそう。

IMPスコアリングであることのみを根拠に4Sへレイズ。Cリードからのしょぼしょぼプレイで-3。

チームメイト、NorthのYさんはWestの1Cオープンに1NTで介入。HのテキサスTRFを受けて4Hへ。

(1C) 1NT 4D; 4H//

お昼を食べながら、Yさん一言。

「Hのインビテーションくらいでも良かったのに」

1NT言ったあんたの問題ちゃうか。
でもすごいのはここから。

リードはDで飛び込み。良い感じ。
ハンドで勝ったYさん、いくら彼がプレイの達人であってもSA、HA、CAには負けそうだと冷静に判断。

このフィットでハートが1敗で済むのは3-3ブレイクのHJTオンサイドしかないので、H9のフィネスを敢行した。Aが飛び出る。

チームメイト「EastはHJをスプリットしなきゃいけなかったわけね」
Yさん「それはもしHが8枚フィットだったとすると…」

確かにここでは、Hアナーはスプリットできない。
East目線では、ディクレアラーがシングルトンハートとは知らない。ので、パートナーがHAxの時、HJを表でスプリットしたら、次フィネられてしまう。
H1枚で1NT言ったのが大成功だった。さすがセコい。

HAで勝ったあとは詳しく聞いていないが、メイクしたのだからおそらくSxは出されてないはず。Sxを出されると、DKをキャッシュするエントリーがEastに生まれるため落ちてしまう。CA、CxはダミーでラフしてHを集め、Sx→SKでメイク。SA、Sxなら?

まだ落ちる。SK勝ってSxラフ、Hを集めてCを引いた時、WestがCxをプレーするとトリックショートでダウンだ。やはり、そもそものHCPが足りない笑。

これを見て思ったのは、強運の星の下に生まれた人は違うな、と。僕が同じコントラクトを持ったとしたら、たぶんこういうHの配置にならなかっただろう。シュレーディンガーのコントラクトである。いやはや、世の中そんなものなのだ。

ささやかな幸運なら、僕も手にした。

最終ラウンド、僕のハンドは

JT82
Q54
Q7
Q873

オークションは右手から

1S-1NT;2H-3H;4H//

Plan the opening lead.


1Sで開いた時から嫌な予感はしていて、1NTフォーシングが入った時は「オープニングリーダーにならず助かった」と真面目に思った。けどやはり、許してはもらえなかったようだ。

OLはなかなか選べなかった。
心の内なる声はDQを打てと激しく主張していたが、理性はずっと懐疑的だった。結論は出ないだろうという予感がしていた。しかし、決断の時が来てしまった。

なんとなく、このDQは"打ちごろ"だと思っていた。メジャーはあんまり打つ気がなくて、マイナーのどっちと言われると、どことなく掴みやすいのだ。クラブのミドルがしょぼいのもポイントで、僕に生き方を迫っている気さえした。

ヒーローになるか、凡人で終わるか?

ほとんどDQに手がかかっていたが、最終的にOLにはC7を選んだ。フルハンドは以下。

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C7リードはCJ、CA。S7リターンをディクレアラー勝ってDx→DK、DA。S5コンティニューを勝ってSラフ、パートナーはHJでオーバーラフ。Dx→DQでSJ。ディクレアラー、HKで切ってしまい、僕のHQも生還してHQJ、DAQ、CAをディフェンダーで勝ち-2。

裏は、DQリード。DK、DA。Dリターンをハンドで勝ってHAK、SAKQ、Sラフ。Hと出すとEastからはCしか出すものがない。これを正しくゲスして4メイク。上位はごく僅差で争っていたので、このリードは優勝を決めた。

ブリッジは積み重ねだと思うから、この1ボードのウェイトが大きく見えるのは錯覚に違いない。ただのゲームの出来落ちなんだ。これはどこにでも落ちていた数IMPと価値は一緒なんだ。

そう自分に言い聞かせたが、結局そうは思えなかった。つまるところ、たくさんのヒーローは要らないし、そもそも僕はヒーローではない。Yさんとは違って、凡人だ。凡人ならば凡人らしく生きよう。そう思ったのだ。

リジョナル優勝したのは初めてだったので、素直に嬉しかった。やったね。