最終ラウンドは#9からプレイしたけど、ボードは前から紹介。


#2
We vul 4th seat.


K78
KQJ72
KJ8
A6


オークションは


P P 1C ?


Xも1Hもあるけど、アナーや点数の感じ、もっともdescriptiveなのは1NT。そう判断して1NTOCをするとそれが流れる。フルハンドは以下。



このラウンド、僕はNorth。
EastはSJリードを選択、SA上がってスペード。
これをダックするとクラブを抜かれてしまいそうなので、SK勝ってDK。DA勝ってHTは2メイク。

Westは、スペードでパートナーに渡ってクラブを出してもらうと1NTを落とせるが、それが良いかどうかはわからない。ハートが3つ取れる時は、自分のスペードをエントリーにキープする必要が有りそうなオークションである。

必要なかったのであまり見てなかったが、DKプレイにEastがD6と出して、Westはスミスエコーと理解したのかもしれない。こんだけダミーエントリー厳しそうなら"普通の理解は"カウントが優先されると思うがやはりスミスエコーは弱い。

West目線の改善ポイントとして1つあるのは、ディクレアラーの想定シェイプを3=4=3=3としてハートで先に3勝するのを目指すならば、パートナーはオープニングリードにハートを選んだかもしれないということだ。やはりハートを打ち抜ける目は薄いだろう。

1トリック目でノンカモンをだしてディフェンダーのコミュニケーションを確保しつつスペードをエスタブリッシュさせ、DAでリード権を得たらスペードでPdに入り、CJxやCJxxからクラブを出してもらうのがシングルダミーでも良いディフェンスなのではないだろうか。

Northの1NTは機械のように正確なディフェンスをしないと落とせないのに比べ、ハートコントラクトはあまり冴えない。正しい判断をして取りかと思ったら、裏もNorthの1NT2メイクでプッシュ。裏はSJリードにS2とカモンをだして、SKをダックしたと聞いた。かなりスペードが続きそうで、かつディフェンスの連絡も切れる。これもいい判断だろう。

スコア上、1NTOCの気配があるのは8テーブル中3テーブル。意見もスコアも裏と一致。



このボード、僕は2nd seat。
オークションは


1C P P 1H;
2D 2H 3C 3S;
4C ?


ときて、スペードはまぁ持っていそうだけどフィットの多そうなハートを選択し、Southの4H。

Pdのプレイ、CAリードを切ってSKでダミーに入りCKでDT捨て。ハートをフィネスして、勇気を持ってもう一度スペードを出すと、Westはスペードがショーアウトするものの、ラフもできない。もう一度ハートをフィネスして6メイク。

裏のSouthはもっと厳しく迫ったようで、


1D P P 4H;
5C X//


介入を見越しての1Dオープンが光る。
5Cxは1ダウンしかしないので10IMP取り。


次はこのボード、僕の判断はイマイチだった。


オークションはEWのフリーランで、


1C 2D*;
3NT//

*nat, inv.


リードはST。SA勝って、CA,CQ。CK勝って考える。

ディクレアラーがSAJのダブルトンとするとPdが1Cに2Sと言わなかったのがおかしくなる。どうせスペードもSKのあとスペードを続けられないからスペードは出さない。とすると今ここで出すものはハートだが、何出すか。

PdがHAJxを持っている時に、自分がHxを出してPdのHJ勝ち、SKで僕に再び入ってハート出すというディフェンスは正確に出来る根拠がまるでない。それならば、とHTを出すとこれはダミーのハートが生きて必ず止まるのでメイク確定。失敗のディフェンス。

オークションから得られるディクレアラーのハンドの情報は限定されているが、プレイに感じた違和感を大事にするべきだった。

テーブルでは、ディクレアラーはクラブにAQJを持っているならダイヤでダミーに入ってアボイダンスできるはずだから、HAは持ってんのかなと勝手に思っていた。そうじゃなくて、ダイヤはシングルトンだったのだ。

ディクレアラーのダイヤがシングルトンと読めた時、HTを返したくないと思えれば、正解のディフェンスはダイヤ。今日はNorthも絞られるが、Southはスペードを全部捨てられることが早々にわかるので、失うもの少なく最終局面までゲスを残すことが出来る。裏はハートリード、3NTを落としたテーブルはなかった。ダイヤ出せなかったのは悔しいね、いいリードだっただけに。


次は微妙なジャッジ。


Both vul 3rd seat.


A743
K974
QJ
J65


オークションはPdから


1D 1S X P;
1NT P ?


Your call?

















フルハンドは以下。


IMPぽくないかもと思いながら、そんな強い11点ではなくスペードのミドルも冴えてないよとこれを流すと、1NTを落としにきた人がいて3メイク。

裏はNorthが誘って、Southはオーバーコールの情報とハンドのミドルカード、5枚スーツのダイヤを頼みに3NT、これは自然の成り行きで1ダウン。オポーネントは18VPが目標なのでこの辺で仕掛けないといけないチーム事情もある。裏とは意見が一致せず6IMP取り。

フィールドを見ると、2NTと誘わなかったのはビッグクラブの人たちとMプロ、自分。3NTに乗ったのはうちの裏オポーネントと元ユースチーム、後一つ。なんかありそうな話である。

元ユースチームは作ってるから偉いよね、というかこれ落ちてたらチームも降格してるじゃん。
もしかしたら2NT作るだけでは残留怪しいのでは…と思ったらやはりそうだった。賢い。


"ゲームプラン"


チームメイト曰く

「色々仕掛けてきたけどこっちは大体、このボードでゲームセットって感じだったよ」

ほう


こちらのオークションは僕のウィーク2Dオープンから始まって、


2D 2H 2S 3H;
P P 5D//


ダミーどんな手やねんと思ったらわりと強く、あっという間に6メイク。裏は、


2D 2H 3D 3H;
P P 5D


ときて、Southのシングルレイズ→ゲームビッドの挑発に乗らずオールパス。これは当初の目標であった、「レギュラーペアで出てスコアを落ち着かせる」作戦の成功という感じか。

この後も裏表で意見が一致してることが多く、全体的にスコアが動かない展開。別に調整した訳ではないがゲームプランがうまくいっている風。



こちらのオークションは


P 1C X 3C*
3H 3S P 5C//

*Constかもとの説明


H5リードはA勝ち。EastからはHQポロリ。
手なり?にDJと出したくなったけど、ディクレアラーのシェイプは、パートナーのダブルを考えるとおよそ4=1=3=5。

DJは出すとディクレアラーのDQ9xで即死するので、撤退してハートコンティニュー。これを切って、SA、Sラフ、ハートラフ、スペードラフ、クラブで手に戻ってスペードラフしてリード権はダミーで今この形。


ここではNorthに対するパーシャルエリミネーションが成立しており、ダミーからダイヤ引かれた時、アナーをスプリットしないとD9引かれてDKが飛び出るし、アナーをスプリットしたところでそれをダックされれば僕は出すものがない。

僕はハート切ったあたりからこのエンディングが見えていて、僕にDKあるように見せる技あるかなぁ、ないなぁと悲しみつつ、一応赤いJを隠すようにディフェンス。ディクレアラーは状況のfigure outに至らず、クラブを集めてDKオンサイドに賭け1ダウン。

裏のオークションは


P 1C X 2C;
2H X P 5C//


だったそうで、だいたい似た感じの展開でダウン。5Cをプレイしたのは全テーブルでこの対戦だけ。このコントラクトを落とすにはリードからずっとクラブを出し続ける必要があるようだ。




終わった後の食事会で。

僕「あれEastさん上手過ぎなかった?」
Pd「アレですね、すみません〜」

いやいいんだけどさ。


オークションの詳細を失念、Eastの介入を受けてないような気がするのだが、ともかくコントラクトはSouthの4S。


リードはCA。H6シフトはHQ勝って即D6。6,T,J,A。スペードをSouthで終わるように2回出して、ハートフィネスは利いた。HA、ハートラフにDQと出すとEastから3が見えるから、とD7で表のDJ954をキャプチャーしに行こうとD8でフィネスすると、それが抜けて1ダウン。げげっ


僕「なんかEastのフォルスカードプレイ、判断早すぎたし仕方ないよあんなん」
Pd「すみません〜」

とか言ってると話を聞いてたチームメイト、

「あの2人、オープニングリード以降のカーディングは2nd/4thだったと思うよ」


\な、なんだってー/


たしかにD6は上から2番目、T2のH6も上から4番目。うわーやられた。

大体CCなんて、最終ラウンドまで来たらそこまで真面目にみないじゃない。2nd/4thが頭に有ればダイヤフィネスする前に聞けたかもしれないけど、基本はもう、知ってないと気をつけるの無理な領域な気がする。

例えばMeckwellはスーツプリファランスも逆なのは有名。なんだろ、2nd/4th固有のエッジも有るのだろうけど、こういうスコアの取り方も全然ありと思う。

ちなみに2nd/4th固有のエッジは3枚と4枚の区別がつけやすいこと。3rd/lowでは4枚と5枚の区別がつけやすく、リードには良いかもしれないが、ディフェンスの最中は5枚のスーツから出すことは4枚のスーツから出す事と比べ圧倒的に少ないのでそこはもう良くない?というアイデア。

2nd/4thの難しいところは、K93から9って出したらまずいシチュエーションは3と出さなきゃいけないし、そうディフェンダー間でわかり合わないといけないこと。カーディングがある程度上手ければ、採用するのも手である。


オークションは裏表共に2NT-3D;3H-3NT;4H//でダウン。


Pd「これやりすぎですか」
僕「うーん、いいんじゃない。僕がスーパーアクセプトして4H受けちゃうかもしれないレベル。」


僕の手は、ハート5枚あるだけでメイクするかもしれないからね。今回は一応20HCPだし、スコア変にしない事も大事だったんで、あんまりする気なかったけど。SKがSAに変わったら、3枚しかハートがなくてもスーパーアクセプトは当落線上になってくるだろう。


#9の5Cに続き4Hをプレイしたのも全テーブルでこの対戦の裏表だけ、ゲームへの熱い執念を感じる。全然出来ないけど。


次でこのラウンドから紹介する最後のボード。
毎ラウンド、ディレクターが発行するスコアシートには、3NT by East,OL:C6と記されてある。

me「あれ?これEastの3NTやったって書いてありますけど本当ですか?リードもC6ってあるけど出せないし」

Tさん「いやふつうにWestの3NT」


こちらのテーブルの話、Westの3NT。
今気づいたけどこれ、うちのテーブルではボードがNSスイッチしてる。だから僕はSouth。

PdのCJリード、ダミーからはロークラブ。
特にクラブからシフトしてほしいスーツもないのでC2でカモン。ハートを2回出される間も適当に2,Tとフォローすると、PdはHA上がってすっとCT。6,7,8!あとCKからクラブとって1ダウンで終了。あらまぁ。カモンとスミスエコー出しといて良かった。てか下手そうにCT出すの上手いな。

裏のテーブルもWestの3NT。誰がどうしたって話を聞いた限りでは、裏もボードの方向がスイッチしてる。

CJリードには即Q出すとそれが勝ち。
D2順とってストップし、ハートを手からK、ダミーからQに向かって出す。ここでNorthのハンドを持ってた人は正しくハートを返して5メイクに抑えようとしたのだけど、Southのハンドを持っていた人はクラブを捨ててダブルスクイズが発生し、C6が12個目に成長したそうな。かわいそう。

そう思うとリードC6の入力には怒りが込められてる気がするな笑。


ーーーーー


"45年目。"


ラウンドが終わってパートナー共々、ちょっとホッとする。ひとまず降格はないだろう。

#4,7,16で儲かって#11で4Hが落ちただけなのでこのラウンドはちょい勝ち。やっぱり僕らが45年目の見届け人になってしまった。


「流れって本当にあるからね」


そんな話を誰かが馬場の階段でしてくれた。

終わってみて前回、彼らが優勝した日本リーグも前半戦はスロースタートだったのを思い出した。今回は短期決戦だから、戻ってこれなかったのも全然ある話だ。これは織り込むべきリスクだったのかもしれない。


ーーーーー


'新たな時代"


最終ラウンドのスコアは最後の1テーブルが終わるまで出てこない。ほかの対戦結果が出揃って、まだやってるのは陽気なN君のところだ。

スコア表の確定した部分を眺めながら誰かがコメント。


"Rolandersが3VP以下なら降格が決まって、20VPなら彼らの優勝が決まりますね"


流石N君、場の支配力がすごい。やはりその場の1位チームに最後で当たるのはチャンスがあっていい。結果彼らはスコア下振れするも、残留圏に踏みとどまることができた。

来季は自分周辺の世代がかなり参加する日本リーグ1部となる。今回落ちたチームはどうせすぐ戻ってくるだろうけど、それはさておき新たな時代の幕開けを祝福したい。


ーーーーー


我々はほぼ棚ぼたで3位。
片付けが終わって食事会にやってきたディレクター曰く、


「ブルーリボンの出場権獲得できた?おめでとう!」


…優勝したチームは日本リーグ2部からの叩き上げで、特にエースペアの活躍は素晴らしかった。2日目開始時点では必ずしも、という感じだったが、我々を含む前期上位チーム相手に3ラウンドで40VP取って堂々優勝。ラウンド数の少なさを加味してもこれは偉業と言えるだろう。

彼らにとって来季は今季よりシーティングが厳しくなることが予想される。flukeでないのを証明するプレッシャーとどう向き合ってくれるだろうか。


ーーーーー


とりあえず3週間連続での上京は終わり。

今回自分はペアでクオリファイしたラウンドは無いものの、全体的に良好なスコアで終えることができてハッピー。

大体相手のおイモで稼いでない?と言われればそうだけど、ブリッジはそうした幸運を積み上げていくゲームだからこれでいいのだ。

来季はもうすぐに迫っている、今度はもっといいスコアを取れるといいな。


ーーーーー


おまけ。
最後に、食事会にて。


Tさん「海なし県8つ、全部言える?」
me「えーと、長野、群馬、栃木、山梨、岐阜、奈良…埼玉もですね、あとは、、滋賀県だ!」
Tさん「意外とね、忘れられがちだよね滋賀県。」「じゃあ山なし県はどこ?」


山がない県…関東以北にそんなところはない。多分中部地方にもないだろう。あるとしたら馴染みのない関西以西の海沿い。平たそうな瀬戸内の香川県もフォッサマグナが通るから、その南側には断層と山脈があるはずだ。うーん。


「佐賀ですか?」
「あの、山梨でした。」


クエスチョンを引っ張ってわるいことをしてしまった笑。


さてこのラウンド、僕は休憩。今日は3ラウンドなので、真ん中休みは1番介護されてる感じ。
最終ラウンドのチームのオーナーとお茶に出かけた。


行きましょうかと彼女の方に目をやるとiPad取り出してなんかやっている。ゲームかなと思って覗いてみるとなんとBBO。まじか。


「今コロナで何でもお休みでしょ、BBOでACBLのシードポイントを発行してる試合があって、千点目指して貯めてるの」

「今いくつあるんですか?」

「965点!」

「それって千点貯まると良いことあるんですか?」

「ないけど良い目標なのよ」


いやはや、休みラウンドでBBOやるなんて、熱心さにはほんと頭が下がる。


待ってると一区切りついたようで、2人してビル目の前のルノワールに向かい、コーヒーを飲む。

僕は週明け提出の宿題をやるためブリッジセンターを離れるのが目的だったのだけど、気づけばさっきのラウンドのハンドの話に。彼女のチームは、今期とにかくスコアが悪い。


「さっき5D置かなかったんでしょ?聞きましたよ〜。」

この方はずっとWestに座っていた。


「そうなの、パートナーに2NTで入られて、右の3Sに私4Dしか言わなくて。」


結果NSで4Sメイクされ、これは寒くて凍えそう。


「Westはハート長くてスペード短くてマイナーに点持ってるから、パートナーとの噛み合わせは結構良いんですよね。」

「ほんとそうなの。」


…別に5D置くのはそんな難しくないんだけど、1番深刻な問題はそこじゃないかなと。
オーナー以外みんなプロのチームで、焦点となるハンドをオーナーが引いちゃってるツキのなさ。

仮にオーナーがEastでプロがWestだったらここまで悪いスコアになることはまずなかっだたろう。別にオーナーだって、気分が良ければ5Dを置く日もあるだろう。強いチームでも、本当にどうしようもないほど大きな流れを失うことあるんだ、とちょっと背筋が寒くなった。


「その後2NTも、ダイヤフィネスなんてしたら4ダウンしちゃって」


「バルならともかくノンバルなら良いんじゃないですかねぇ」


ダイヤフィネス抜けは、普通のディフェンスで2ダウン以上する。NVならフィネスの期待値はサブゼロ付近なのでフィネスして良いけど、バルだと1ダウン確定も少しだけあるかもしれないくらい。

まぁないか、計算したらやっぱりオッズはフィネス。バルでもなんでもIMPのノンダブルコントラクトは、基本メイクだけを考えたら良いようだね。

てか4ダウンはしねぇわ


「チームに帰ってそんなことを聞いたけど、みんなはノーコメントで。それ以上に5D言ってよって感じになって、そうよねって。」


…オーナーを責めるムードと言うよりは、チームも僕が思ったことと同じことを感じたのかもしれない。あるいは降格圏脱出に向けて、今後どれだけ取ればいいか計算していたか。


「最終ボード、これも良くなかったのよね。」
「あっ、その話聞きましたよ。ちょっと災難でしたね。」


我々は平和にSouthの3NTが7メイクしたボードだ。


「うちのテーブルは、Northの1Hオープンにパートナーが2Dオーバーコール。シングルレイズでサポートしたらハートリードからパンプにあって3ダウン。裏はNSが3NTに行って落ちちゃうし。」


East目線では、ダブルで介入すると自分でコントラクトをプレイする目がない。ほんの少しの強引さで大きくゲインすることもあるけれど、この手では大損だ。弱い三の代のレイズを受けてなくても、-200になった瞬間があるという意味でそれは変わらない。

その裏の3NT落ちちゃったテーブルでの話を、うまくディフェンスして落としたEastさんから聞いていた。彼のテーブルでは、オークションはWestから


P 1H P 1NT;
P 2C X 2S*;
X P P 3NT//

*C4+, inv.


こう来ると、West目線でオポーネントはいかにもスペードが止まってそうなのでダイヤリードかな?と正しくDQを選択したらしい。Eastさん曰く、後から控えめにダブルで介入したのが当たりだったとのこと。
全く介入されずスペードリードとあいなったうちと比較しても、確かにという感じ。効いてるよねぇ。


ーーーーー


2人でお茶するのなんてほんと久しぶりだったから、ハンドの話もそこそこにいろんなお話をした。

遺伝子操作って優秀な子供が作れるレベルまできてるんでしょ、なんて聞かれたから、iPS細胞を使えばゲイカップルの子が出来ますよとか、レズビアンカップルからは女の子しか産まれませんとか。卵子は劣化するのとか、人工子宮がどこまで進んでるかとか。この人はもともとメディカル系だから、そっち系のサイエンスに興味があるみたい。

日常のブリッジの話とかこの日本リーグの話に戻ったりだとか、この時間やる予定だった宿題そっちのけ。

ちょっと関心したのが、今のチームについて彼女が言及したとき。
こんだけプロいて前期優勝してて…と思えば流石に嫌味の一つくらい言うか、と思って聞いていたら


「チームメイト、まだ日本リーグ2部でプレイしたことないって言ってたわよ。ふふふ、やぁねぇ」


なんと品のいいコメント、これはClass!って感じしません?


ーーーーー


"徳の積み方"


次のラウンド開始45分前くらい、そろそろ戻りますかとお会計。


「僕の分は600円くらいですかね」

「いいわよ、出してあげる」

「いや、いいです。次当たるんです。」

「あら勝負だからね、健気ね。」

「むしろ僕が払います…1260円ですね、丁度お財布にあるな笑」

「ちょっと待って、それはいやよ!笑」


熾烈な攻防の結果、数十円多く払ってもらったようだ。どんだけ徳積めたかな?


ーーーーー


チームメイトのKさん。
このラウンドが始まる前は、次優勝の目も降格の目も無くなったら休むと宣言していた。どうなったかと言うと…このラウンドは負け。

スコアシートは団子かつ、下位対戦がほぼ無いので勘定が難しく、とりあえずその場で分かったのは


・優勝の目はない
・ぱっと見12VPとれば自力で降格回避


いまよくよく目を凝らしてみたら、8VP強とれば理論上落ちる形はないらしいが、僕はよく分かってなかった。

曰く、「このラウンドはレギュラーペアで組んでとりあえずスコアを落ち着かせよう」とのこと。うん出場だ、頑張ろう。


ーーーーー


"少しのユーモア"


お茶をしたチームオーナー、スコアボードをじっと眺めている。

僕を見つけて言うには、


「今回も負けてまだ最下位…次あなたたちから18VP取れば降格圏脱出できるって言ってるんだけど、どう思う?」


うちに勝つかどうか以前に、実はこれ、非常に厳しい。
この時点でのスコアボードは

1位 75.55
2位 69.64
3位 64.64
4位 61.69
5位 58.61←我々
6位 57.68
7位 50.44
8位 41.75←彼女ら

で対戦は、

1位-4位
2位-6位
3位-7位
5位-8位

下二つ降格するから、8位のチームはまず6位のチームの現時点のスコアを上回らなければならないので、最低でも最終戦で16VPが必要となる。

その上で6位7位が両方とも大コケするか、17VP勝って我々より上回り、6位が0-3VP級の大コケするか、7位が負けるかするのを願う必要がある。

なにせウチはチームメイト日本代表だし、7位のチームも最終ラウンドはほぼプロだけでやたら強いのよね。残念ながら彼女のチームは97%以上降格してるだろうと見積もった、勝率にして3%を切っているということだ。


どう思う?って言われて勝ち目は薄い、じゃああまりにも冷たいだろう。できることなら気の毒な彼女をクスッとさせてあげたい、あなたならどんな言葉をかけるだろうか。


Plan your call.

















僕はその場でパッと


「5-1ブレイクの、Kグルトン降ってきてメイクする確率くらいですかね。」


と回答。もう、何よ、とすこし笑ってもらいその場は終了する。


他のゲームはさておき、ブリッジでは勝率3%なんて未知の世界である。勝率3%のプレイが選択肢に入る時はそれ以上のプレイが無い時。僕はもう、そんなカスみたいなコントラクトになかなかならないお年頃なのだ。だから3%の肌感って、あんまりよくわからない。この辺かなと思ってカードコンビネーションを答えてみた。


ただ回答した時も今も、5-1ブレイクのKグルトンって3%よりすこし少ないのではと思っている。調べてみると…なんと2.42%!結構いいゲスをしたようだ。

裏のKグルトンとなるとこの半分なのでなんとも言えないが、いいゲスでまたすこし徳を積んでしまった。


ーーーーー


"特別なプレイヤー"

2017年チャンピオンズリーグ。
1stレグ、バルセロナはPSGに0-4で敗北。2ndレグに際して両チームの選手間で言われてたのは、「不可能を可能にするチームがいれば、それはバルセロナだけだ」だそうだ。

我々に関してもおよそ似たような状況だ。
少なくとも対戦チームはそう思っているだろうし、前期は我々ペアが大崩れで0-20で負けたのもあって流石にちょっと緊張。

緊張とのコーピングの仕方は人それぞれ色々あるけど、僕はその緊張をなるべく客観的に確認するようにしている。

緊張すると交感神経系が活性化し、アドレナリンが血中を流れ全身を巡り、脈拍は上昇し、指先は冷たくなる。いま自分はどうかな?あ、足指冷たいね。アドレナリン出てるけど、ブリッジはガチガチにならないようにしないとね。…そんな感じで勝負に挑むことで、ちょっと良い結果になると信じてテーブルに着くのだ。

オポーネントは日本代表プレイヤー。
特別でないプレイヤーが特別なプレイヤーに挑む。そのことを認識するだけで何倍も上手くやれるならその方がいい。このラウンドで自分の力を発揮できて、結果8VP以上取れたらいいな。そんなメンタルセットで最終ラウンドに臨んだ。


今回の日本リーグは前期がコロナで開催されなかったため2日ポッキリの試合。ショートラウンドだけに大敗は取り返しがつかないから気をつけなくてはならない。

2日目の朝イチは前々期に同時昇格してきたチーム。前夜よく眠れて快調、今日は頑張るぞというスタートだったが、開始4ボードは少し心折れていた。


"薄氷"

Neither  Vul. 1st seat.


A532
AKQJ987
5
5


僕はNorth、オークションは自分から


1H 2NT* 3C** 5D;
?

*unusual
**spade, forcing


ここでパスするとフォーシングシチュエーションでPDi発動すっかなと思ってパス。パートナーのダブルには5Sと繋ぎ、6Sへのお誘いをする予定だ。


1H 2NT* 3C** 5D;
P P X P;
?


トレーを向こうに送りながら、(これフォーシングシチュエーションじゃなくね?)と疑念が湧いてくるが、ダブル付きでトレーが返ってきた。
よかった繋がった、当初の予定通り5S。すると、


1H 2NT* 3C** 5D;
P P X P;
5S P P 6D;
?


僕目線ではSKQJxxとマイナーのAで6が出来る。
もう一度パスしてさらに6Sへ誘おう。


1H 2NT* 3C** 5D;
P P X P;
5S P P 6D;
P P X P;
?


この流れでSKQとマイナーAはないだろう、ダブルとおっしゃるなら流しましょう。
コントラクトは6Dx、フルハンドは以下。



6DはSAとCKがとれてほんの1ダウン。
こちらにマイナーAが1つもないのはディフェンス中にわかったから+100以上のスコアにならないのは知っているのだが、流石に5Mは出来てるか…と思い、頑張ったけど取られてるなと萎える。

実際のところはそうでもなくて、Northの5SはマイナーA×2とハートラフをされるし、5HはH5-0の時だけ必要なHTフィネスが必要になるから基本はダウン。そんなに悪くはない。
他のテーブルではどうだったかというと…


裏はSouthの3SNFか3Cforcingに5Dと競ったところ、ぽこっと置かれた6Hが落ちていったようだ。良きかな。

テーブルのWestとTさんが話していた。


「僕も5Dで買えるわけないと思いつつ5D置きましたよ」


ということはNorthのジャッジ、というかPDiの取りというわけかな?気になって確認してみる。


「6Dxの時の僕の最初のパスってフォーシング掛かってた?」
「掛かってないと思ってました、もう少し弱かったらパスしてたかもしれません」


あっぶね。
まぁまぁ、ハイレベルのコントラクトでなんでもうまく行くコンベンションなど存在しないのだ。薄氷の上の5取り。



オークションはEastからオポーネントのフリーランで


1D 1H;2C 2S;3H …


でホンワカパッパと6D、H3リードはAで上がってあっという間にでき。なんか連続の6Dにやられてる気がする、とハンドをしまう。

この勘は当たっていたようで、このボードどうやら世の中では、Southが2Sと入ると赤いスーツの2スーターフィットと良さげなバリューが見つかりにくくなって、なかなかスラムにいけないらしい。SAなんかも邪魔なんだろう。

バルはこちらだけ赤くて、とりあえずのオポーネントスーツのダイヤは短くなくNorthはまだビッドの番が回ってない状況だから、プリエンプトで入るかどうかはなかなか悩ましい。

1つヒントとして、スペードのミドルが固いのはいい要素かも、適切なゲームを見つける前向きな理由で参加するのは全然あり。スモールスラムへの到達テーブルは4/8。



オークションはWestからEWのフリーランで


1H 1S;2S//


リードはC2、CK勝ってH5。HKシングルトンが嫌かなとこれを僕はAで上がり、クラブリターン。ダミーで切って、もう一度ハート。HQ勝ってクラブ。S7ラフはSTでオーバーラフ。

ディクレアラーが4=2=3=4だとするとこちらからダイヤ出さなきゃいけない形もあるけど…うーんそりゃないな、と少し悩んでハート。これをディクレアラーはSxで切って、SA,Sx。

SK取ってディクレアラー、「もうダイヤしか出すもんないでしょ?」
そうです、ディフェンダーにS1H2D1とクラブラフでジャストメイク。読み切られは雰囲気悪い。


2Sは、ダイヤを当てたら何にせよ落ちないのだけど、このディフェンスの流れでもハートの出し方に工夫があって、僕も起きててうまく協力すれば、落ちかける所まで持ち込むことができる。

ハートの2巡目にPdはHQで勝ったけれど、そこをHKで勝つ。すると僕から3巡目のハートを出した時にH4-2を恐れるディクレアラーは、SQで切って、やっぱりSA,Sx。そこで僕がSK,Sxと出すとPdのSJが勝ってダイヤ勝負。

今回はハート3巡目出す時に悩みまくってしまったから、余裕のSxラフ。あんまりよろしくない。



でこれよ、こいつもEWのフリーランでWestから


1S 2C;2H 2S;3H 3S;4C 4D;4NT…


とあっという間に6S、メイク。こちらは到達テーブル3/8。4NTはEastが聞いたかもしれない。

何より嫌なのはオポーネントたち、ビッドが早い。ペペッとビッドしてピピッとメイクするのは相手を調子付けちゃうからマジで嫌。


という感じで開始4ボードはあまりさえない出来ばえ。とはいえパートナーは集中してたっぽくて。


"マジックワード"


平凡なSouthの4H。クラブリードののちハートを触るとEastがショーアウト。HQにはHKが勝ってスペードシフト。手で勝って、H6と出すとHT。

パートナー、一度止まりテーブルに笑いが起きる。この利くとわかってるフィネスですっとフィネスカード出すの、効くことあるのよね。


Pd「じゃあHJで」


5メイク。よしよし。


West「ブリッジには魔法の言葉があってね、カバーって言い続ければいいのよ」


これ聞いてた時疑問に思ったことを、夜ごはんの席にディレクターが来たので聞いてみた。


「ダミーJ9xxxxとハンドAQxのコンビネーションで手前がショーアウトした場合、A,Q,xの時ずっとカバーと言い続けても(AにもQにも、それ自体をカバーできるアナーがダミーにないから)助かる気がしますが、Q9xxxxとAJxのコンビネーションで手前がショーアウトした場合って、J,K,?と進んだ時カバーと言ったらどうなりますか?」

「Qが出されるに決まっとるやろそんなもん」


マジックワードなんてないのだ。マークトフィネスはさっさとクレームが吉か。



Westの2NTオープン。これが流れ、リードはHAと少し悩むもS7。

7,9,TにはKが勝って、CA,K,クラブでダミーに入る。NSはお互いにHロー(カモン)を捨て。D4,2,Q,K。勝った。

僕はディクレアラーのハンドを


KQ(x)
xx(x)
AQ(x)
AKQxx


あたりかと想定していた。
なんもわからないけどハートのカモンきたし、H4つとダイヤ2つ取って落ちは十分あり得る…のかな?

そう思ってHAを取るとH5でカモン、ハートがあたりかとハートを続けるとHTにK。あ、HJないやん。

パートナー悩んで悩んでハート。ディクレアラー「うそっ?ジャストメイク。」スクリーンの向こうからすみませーんとの声。スペードが打ち抜けたか。

この時点でfigure out出来てなかったのだけど、パートナーは初手S7の意味を考えてSAを出さなかったから、こんな悲劇的な感じになったらしい。


「2nd ベストって87xxでも使うんですね」


どうもここは齟齬があったらしく、97xxのようなどうしても損しそうな時だけ使うつもりだったとのこと。彼目線では、ディクレアラーのスペードはどうしてもKQ8(+)に見えたらしく、ディフェンス的にギブアップしてしまったようだ。

慣れの問題で87xxでも使いたいと言って受け入れてもらったが、それ以上にシグナルが良くないと指摘。一度H4でカモンしたら、2回目のHAには5ではなくH8を出すべきと伝えた。そしたら僕はもうスペード打ち抜くか、一応パートナーにDKJ9xをマークするしかなかった。ダイヤ出されるのも変な感じだし、多分スペードを出すんじゃないだろうか。

他のヒントや改善点も無くはない。
僕のクラブの捨て方はローから出していたのでふうんとHK取ってSAもアリだし、Pdもローから出ていたからDK勝って僕からスペードもある。ただスミスエコーは、ディスカードと比べて少し弱いシグナルだからなんとも言えない。

クラブの3巡目に、なんでも捨てられる状況ででたハートロー(4)のシグナルについて思いを巡らしてみるのもアリだ。PdがKJxx4からハートを打ち抜くことを願って4を捨てるって変。という発想もあるかもしれない。

これは人それぞれだけど、IMPでは1ダウンすれば良いから、カーディングとしてアリにしておくべきかなとは思う。

あとは、6枚もあると2nd bestリードは読み方が厳しいかも。初手SA上がれば絶対簡単に落ちたから難易度低かったけど、今回S7リードはT1時点でディクレアラーにS5枚かもしれないわけで、ちょっと上がれない気がする。SouthがスペードのAから9のうち4枚見えるポジションにいたのが仇となった。


ここまで割と押されっぱなしだったけど、このボードで取り返す。


オークションはNorthの僕からフリーランで


1H 1NT;
2C 2S*
?

*C4+ inv.


クラブのインビテーションを受けてどうするか。
2NTは自然な選択肢だが、パートナーはH2C4の10点なら2Hで留めるジャッジをし得るので、10点こっきりの時はハート1枚クラブ5枚が相場か。

そう思うと僕の手のハートは、NTをやる上では割とストッパーにしかならず、また点のより方が激しいから、スペードかダイヤのどちらかのスートも抜かれてしまいそうだ。IMPではNTよりもクラブをやる方がいいような気がして3Cを選択する。そしたら


1H 1NT;
2C 2S*;
3C 3NT//


となって、悩んだWestからSTリード。Qを引いてクラブをフィネスし7メイク。パチパチ。


Westのリードは非常に悩ましい。
後講釈としては、自分が6点しか持ってなくてオポーネントは23-24点程度しかなさそうだから、パートナーは10点前後持っていそうだ。そこで1Hオープンに1Sオーバーコールもテイクアウトダブルもかかってないのをみると、もしかしたらスペードよりダイヤモンドの方がリードとして優れているかもしれない。


そんな感じでペアとしてもチームとしてもトントンくらいで終了。チームとしては8チーム中4位だが降格圏まで6VPしかなく危険な状況だったのでまずまずの結果。

さてこの時点で最強候補と目されたチームが2ラウンドを残して最下位、降格圏脱出まで10VPと沈んでいる。最後に当たるのはうちのチームだから嫌なんだよなぁ。。


お昼ご飯食べながら相談した結果、次のラウンドはお休み。この最強チームのオーナーも暇とのことなので、ルノワールでお茶する事に。