大晦日です。

 

おそらく、世界中の人が忌み嫌う西暦

 

それが2020になるでしょう。

 

僕は、「コロナ」という言葉を使わないと年初に宣言しました。

 

それは、興味がないのではなく、今に至るまで専門家でもない僕には、語ることができないからです。

 

何が良くて、何が悪いのか

 

この分野において全くの無知な僕は、何か「デマ」を発信してはいけないと思いました。

 

これは、東日本大震災の教訓でもあります。

 

だから、とにかく、「許されている範囲」で、「どうやったらエンターテイナーでいられるだろう?」と考えた1年でした。

 

「どうやったら、スタッフの生活を守れるだろう」と考えた1年でした。

 

しかし、感染症の面から言えば、元々「消防法」で火と人を2m以上離していた藤沢朗読劇

 

キャストは動かないですし、コメディーではないので、お客様が大笑いすることもない

 

何も変えずにコロナと立ち向かえました。

 

結果的に・・・・

 

 

帝国劇場と日本武道館の二冠王達成というね(笑)!

 

でも、今だから言いますが、本当に糸の上を綱渡りするような・・・

 

薄氷を踏むような心持ちで、上演しました。

 

全員が、このコロナ禍で多くの人に安らぎを与えている声優・俳優の皆さん

 

一人だって、感染者を出してはいけない。

 

性格的に静かにしていましたけど

 

大晦日の今日

 

「よっしゃあああ!」って叫びたい気分ですよ。

 

 

あと、僕はギルという最愛のパートナーを失いました。

 

 

僕の舞台では、人が死ぬことが多いです。

 

でも、それは、命を大切に思っているから

 

memento mori(死を思え)というラテン語があり

 

死を考えることで、今を最大限生きるという意味です。

 

僕は一度だって、命を軽んじたことはありません。

 

初めてギルに出会ったあの日から

 

 

ずっと僕を助けてくれた。

 

多くの作品を書く時、僕の膝の上で寝息を立てていてくれた

 

助手席はいつも、ギルの特等席

 

人間とか動物とか関係なく

 

命と命で寄り添ってきました。

 

そのギルが、この世界からいなくなって、いかに自分が幸せな14年間を過ごせたかを知りました。

 

そんなギルが、甘やかしまくって育てたオスカーは

 

ギルが立ち上がって歩くたびに、ずっと後をついて回る子に育ち

 

 

 

ギルがいなくなってから、寂しがりやになり

 

僕が席を立つたびに、足の隣にぴったりくっついて離れなくなりました。

 

でも、僕もオスカーに寄り添っていないと乗り越えられない時間でした

 

そんなオスカーも成長して

 

村中くんの子供の子守りもできるし、僕が疲れているとベッドへ誘うくらい大人になりましてね

 

 

またこの命と一緒に生きてゆくのだなと思います。

 

年が明けたら、早速舞台が2本

 

そして朗読劇から初のアニメ化も4月から放送開始です。

 

でも、結局僕がつむぐのは命の物語

 

国も時代も、ジャンルも違いますが、僕の中にはそれしかありません。

 

来年も、上演中止になったり、配信だけになったりするかもしれません

 

でも、僕は怖くありません

 

 

 

今年、皆様からたくさんの勇気を頂きました。

 
無人の客席にお客様の姿が見えるようになりました。
 
愚痴をこぼせば、愚痴は愚痴を産みます。
 
だから僕は一つでも、今年得られたものを数えたい。
 
ギルから貰った愛情
 
オスカーからもらった穏やかな日常
 
スタッフと歯を食いしばって勝ち取った上演
 
そして、配信、観劇で応援してくださったお客様との絆
 
僕にとっては、これ以上、望みようもないくらい
 
暖かくて幸せな一年でした。
 
来年も、こうして、出来ることを一つづつやって行きます。
 
そして、得られたものを、一つづつ数えてゆきたいです。
 
どんな1年になるか、僕にも分からない。
 
ただ、来年の今、胸をはって立っていられる1年にしたいと思います。
 
2020年、これにて幕でございますが
 
来年も1年!
 
何がおきるか分からない藤沢朗読劇
 
どうぞ、よろしくお願い申し上げます!!
 
藤沢文翁