【12月6日】

今日は泌尿器科の受診が予定されている。

11月29日に行った血液検査やCT検査や尿細胞診の結果を聞くためのものだ。これらの結果については第一に『膀胱がんの再発を否定』できる結果さえ出てくれれば精神的には落ち着ける。


そして第2のテーマは『BCG療法18回目にして発生した長引く排尿痛』をどう対処していくのか?

ここのところ私のブログは「BCG副作用の排尿痛がなかなか治まらない」

「ロキソニンでもうまくコントロールできない」ことに何度も触れている。

そんな前回投稿から1週間が経過した。


自分なりに取り組んでいることは…

膀胱部に服の上からカイロを貼り保温すること。


その成果はといえばそもそも冷え性なのでこの季節を過ごすうえではとても役立つが本来の目的の

排尿痛改善という意味では安静時のみの効果にとどまっている。


他にもいくつかトライしたことはあるがあまり効果がなかったので省略します。


【仕事中のおしっこ時にどうしても痛くなる】

仕事場が介護施設なので身体介助があるが力を使うのと排尿痛はそこまで相関はなさそう。それよりは立ちっぱなし、常に歩いたり立ち止まったりの動きが膀胱の炎症箇所を刺激してしまうようだ。

ロキソニンも2回試したが不発。

排尿時の最後にピリッとした痛みがくる。そして排尿後も15秒くらい軽い痛みが続きその後は止まる。ただし、仕事時間が7時間、8時間と最後のほうになるとトイレ以外の立ち上がったり座った姿勢のときでも膀胱に10段階中2か3の痛みがきて一瞬動きを止めて痛みがひくまで数秒我慢する。

仕事ができない程じゃないが気になる痛みという感じ。


今日の受診でこの1週間の経過を紙にまとめて今日の通院で主治医A先生に伝えることにした。


【各検査結果】

採血結果は腎機能の指標になるクレアチニン値が1.18。基準値の1.10からは少しだけ飛び出ているが今年の初めからずっとこのあたりの数値を維持できておりeGFRも52ということで軽度慢性腎臓病にとどまる。



尿細胞診

クラス2


まずはひと安心。
膀胱鏡検査の時に肉眼で見える腫瘍がなかったことから炎症箇所にがん細胞が混ざったとしてもCIS(上皮内がん)しかありえないとふんでいた。でも上皮内がんはBCGでの治療が標準治療になっているのでもし今回の炎症が上皮内がん由来ならBCG耐性のある上皮内がんが突然発症となりかなりのレアケースになってしまう。
素人患者が1年半この腫瘍をあれこれ学んだことで今回の炎症は上皮内がんよりBCG副作用だろうとある程度の予想を持てたのは精神衛生上よかった。

【排尿痛について主治医とのやりとり】

A先生「この1週間はどうでした?」


私「排尿痛は続いてます。特に仕事中、ずっと立ちっぱなしや動いている時のおしっこに痛みがきます。でも寝ているときやおとなしく座っている時のおしっこは痛みが軽くなりました」


先生「そうですか。尿細胞診の結果から悪性細胞はなかったので今回はBCGの副作用としてむくみ、炎症が長引いているといえます」


私「このままBCGを私の希望で終了することはできますか?」


先生「もちろん。ダイスさんの副作用次第では無理にやる必要はないです」


私「助かります。再発するまではBCGをせず再発してからまたBCG再開というのはできますか?」


先生「基本的にはできません。BCGはあくまで予防のための治療なので再発したらまた他の治療を考えます。いちばんはまたTURBTで腫瘍を切除すること。その後再再発の予防としてBCGが効果がありそうな時のみ行います」


私「次回BCGをやらなければ再発リスクがあがりますか?」


先生「そこまでリスクは上がりませんが病院としては維持療法として2年を予定しているので計画の中には入っています」


私「痛みのコントロールの件ですが前回ステロイドの話もありましたが今の私の状態はステロイド使用の対象ですか?」


先生「ステロイドはあくまで痛みがまったく変わらない時の最後の手段です。なぜならステロイドは免疫細胞の力を弱めて痛みを取るやり方なので。免疫力を維持しながら痛みをコントロールするほうが再発リスクを減らすためにも絶対によいです。」


こんな会話があり以下の対応になった。


・安静時の排尿痛が少し軽減された私の報告を受けて痛み止めは再度ロキソニンを処方


・3月に膀胱鏡検査を行い予定としては4月に最後のBCGを実施する。

ただし私の排尿痛の経過を見ながら決める。

やらずに維持療法終了の選択肢も残される。


【がん治療の難しさを改めて感じる】

通院前夜になる昨日は妻や私の副作用を心配して電話してくれた両親に正直に話した。


「この副作用が続くようなら来春予定の最後のBCGは断念したいと先生に相談してみる」


妻も両親も私の排尿痛をよくわかってくれているので「それでもなんとか続けてほしい」とは言わなかった。

そんな家族とのやりとりや私がこれまで続けたBCG膀胱注入18回の思い出を振り返りもしかしたら明日の先生の診察でBCGにピリオドが打たれるかもしれないと思うと寝る前に少し目頭が熱くなった。

何なのでしょうか?この感情は…

がん告知の時から手術、合併症、BCGと1年半色々あったが私は涙したことなんか一度もなかった。昭和生まれの男の子はすぐ泣いちゃいけない!と育てられたし自分が泣けば周りも泣かせてしまうし。それが明日でBCGが終わると思った瞬間涙腺がゆるんでしまい…


マラソンでいえばゴールを意識できる40キロ手前での棄権。駅伝ならタスキがつなげず。

そんな悔しい感情とここまでは前向きに副作用と向き合ってうまくコントロールしながら続けてこれた。ここまでよくやったという安堵の涙か。


そして診察室でのやりとりで「ラスト3回のBCGはダイスさんにやるかやらないか決定してもらう」という医師判断になり前日の涙はいったんお預けになった。


他臓器のがん治療をされている皆さんが抗がん剤がつらくて休薬されたり治療終了の選択をされる気持ちも痛いほどわかる。本当にキツイんだもの。痛みやらトイレ頻回やら。どれだけ強いメンタルを持とうが気持ちと関係なく痛みや頻尿はきてしまうのだから。

だからこそがんは「見えない未来」だけが怖いのではなく「目の前の副作用」にもしっかり対処しないと治療継続できないのがわかった。


【治療後はかつを食べて元気だす】

久しぶりのロースカツ定食はうまかった。

次回膀胱鏡検査まで3ヶ月、予定には入っているBCGまで4ヶ月。経過を見たり考える時間はたっぷりあるからまずは明るく元気に毎日過ごします!




11月29日

【膀胱がん再発予防のBCG維持療法5クール終了から21日経過】

前回ブログに書いたとおり、今回はまだ排尿時の痛みが続く中で不安要素しかない膀胱鏡検査に向かった。


S総合病院の外来病棟
初診から1年8ヶ月が経過しました

【各検査をすませてから泌尿器科待合室に】
予約が午後のため午前中は自宅で音楽聴いたり昼寝したりリラックス。
病院に着いたらまずは採血。ここでは私のTURBTによる合併症で低下した腎機能の現在値を把握する目的やBCG炎症反応の指標となるCRPなどが分かる。
今日は採血の針が刺さった時痛みが強かった。
「よし!ここで痛みを味わえばこの後の膀胱鏡の時思ったほど痛みは強く出ないかもしれない」なんていうポジティブさがこの時にはあった。
次はCT検査。造影剤は使わず単純CTなので基本的には楽。音声ガイドの指示で8秒息を止めること2回ですんだ。
でもCT検査室は去年何度も入り不安で押しつぶされそうな精神状態で受けた思い出もあるので決して手抜きはせずしっかり指示通りに受けた。

【膀胱鏡検査は過去一の痛さ】
採血の針で痛み耐性を作る作戦を試みて泌尿器科の検査室へ。膀胱鏡検査のルーティンである特殊パンツに履き替え股開きタイプのイスに座る。
麻酔のキシロカインゼリーが塗られ5分後に主治医A先生が来られいよいよ膀胱にスコープ付きの管が入る。
イテテッ、尿道から前立腺を通る時点で明らかに痛い。
声は出さなかったが肘当てを握る両手にグッと力が入る。そして膀胱鏡は膀胱内に到達。膀胱内にカメラが入ると痛みは小さくなる。

先生「ダイスさん痛くないですか?」

私「はい、痛いです」

先生「今回は膀胱内が全体的に赤いんですよね」

モニター画像を見ても確かに赤みの多い膀胱内で8月の時とは全然違う。

検査後は着替えをすませて中待合に戻る。

【冷静にロキソニン作戦を決行】
中待合では1〜2分待つ間に素早く持参したロキソニンとレバミピドを服用した。
これは過去の膀胱鏡検査の経験から学んでいたことで膀胱鏡を入れた後の排尿は初回から3回目まではわりと強めの灼熱感がでるのでその対策として膀胱鏡検査直後に痛み止めを飲みすぐに出てくるであろう排尿痛を抑えるのが狙いだ。
これから予定されている膀胱鏡検査を受ける方は第1排尿が検査後30分以内に出ることも想定して検査直後の痛み止め服用をおすすめします。

【診察室でのやりとり】
先生「前回8月の膀胱鏡検査と今回11月の検査を比較すると明らかに今回のほうが赤みが強いです」

私「BCGの副作用なのでしょうか?排尿痛もこれまでは10日以内には落ち着いたのに今回はなかなか治まらないんです」

先生「膀胱内にBCGのアレルギー反応が起きている可能性があります」
「関節痛や目の充血もでたらライター症候群という疾患になりBCGを続けることはできなくなります」

私「私も正直今回の排尿痛はなかなかおさまらないのが不安で先生に次回BCGをどうしようか相談したかったんです」

先生「まずは膀胱内の赤い炎症箇所を見ていきましょう。現段階ではこの赤みはBCGの副作用の範囲内か?アレルギー反応か?再発か?どれも否定はできません。膀胱鏡検査で採った尿の細胞診や1週間後の排尿痛の状況をふまえて評価しましょう」
不安要素が増すばかりの説明ではあったが後半で
「ダイスさんの場合、BCGをずっと注入してきて再発していないこと、赤みの強い炎症箇所が前回も赤みのあった膀胱右側の同じ所にあるのでこれはBCGがよく効いているという見方もできます」
ポジティブになれる説明もしてくださった。

私「排尿痛はロキソニンでもあまり効果がないんです」

先生「そうですか。そうなると一段階強めのステロイド系の痛み止めも考えます。今回は炎症に対しての抗生剤を処方しますのでまた1週間後の診察で判断します」

私「分かりました。ありがとうございます」

ということで今日の検査と診察は終わった。

膀胱鏡検査もなかなか痛みを感じるイベントなので次回までの3ヶ月間一息つけると感じてホッとした気持ちと排尿痛は膀胱内の炎症と連動していたのが分かり私の予想が当たってちょっとうれしい気持ちと抗生剤が効いて炎症も排尿痛も治まってほしい気持ちが入り乱れた受診日でした。


帰りは紅茶で水分補給して肉まんで自分を労う

【帰宅後のロキソニン効果は?】
帰りは処方されている抗生剤を調剤薬局で購入した。
名称はセフカペンピボキシル
薬剤師さんにBCG注入後に毎度処方されていたレボフロキサシンとの違いを聞くと
「いちばんの違いはレボフロキサシンで耐性菌ができた可能性もあるので種類を変えることで効き目をよくする目的になるのだと思います」
とのこと。


帰宅後に第1排尿をした。
痛みのほうは灼熱感を抑えられている!
これまで同様に後半の痛みはあったが痛みレベルは1のまま。
この検査直後ロキソニン服用作戦は今後も続く膀胱鏡検査後の排尿痛対策にとって大きな成果だ。

【BCG5クール目最後の注入日から21日経過】

うーん、なんでだろ?今回は副作用の中で排尿痛が治まりきっていないです。

頻尿は水分をたくさん摂る日中帯は60分〜90分に一度のトイレペース。

夜間は22時〜5時までにだいたい2〜3回のトイレペース。

健康な方々からすると頻尿になるのだろうが私の場合BCG当日昼間の排尿は20回、夜間は10回前後になるので昼間排尿が12回前後、深夜が2回程度ですむのはもはや『頻尿ではない』といえる。


頻尿はよいとしてもうひとつの懸念材料だった排尿痛が今回に限ってなかなか無痛にはならない。

3クール4クールともに副作用は強くでたがそれでもクールのラスト注入日から半月もすれば無痛の排尿ができた。

5クール終了後の今回は明らかに違う。


【排尿痛の度合いは?】

痛み方はここのところずっと同じ。

これまでのTURBT手術やステント留置含めた中で最大に痛かったステント留置直後の排尿痛を10としたら今回の痛みは1といってよい。でもその1が3週間も続くと少しモヤモヤしたり不安にもなる。

今回長引いている排尿痛の状況は…

おしっこを出すと水分を多く摂っている成果かだいたい1回に100〜200ccは出る。出る過程で最初は痛みがまったくない。

ところがおしっこの終盤になり炎症反応というのか膀胱下部から尿道あたりにピリッとした痛みがきてその瞬間、ペニス・尿道・膀胱全体に力が入り少しだけ排尿を止める感じになる。力を抜くと残りの尿はできってBCG直後に味わう残尿感はない。

そして排尿後も5秒〜10秒はピリッとした痛みが尿道膀胱でおきその後は無痛に戻る。

排尿終盤の痛みを我慢しておしっこを続けようとするとできるにはできるがピリッとした痛みが続くだけなので無理しないようにと尿道やペニスに力が入ることになる。


【仕事中や運動後の排尿時は痛みが強くなる】

おそらく膀胱内でBCGの注入後に免疫細胞が結核菌を叩いてくれたためにできた炎症箇所が排尿時に尿とこすれ合うために発生する痛みなのだろう。

幸い血尿はでていない。

肉眼で分かる血尿がないということは少なくとも膀胱内に血管を新しく作りながら成長してきた新たな発がんはできずにきているんじゃないか?転んで腕を擦りむいた後、傷口がかさぶた化してかさぶたが剥がれた後に患部がヒリヒリする現象と今回は同じことじゃないか?と都合のよい希望的観測をしている。


排尿痛がいちばん強くなるのは仕事中と歩行後など運動後だ。

症状は冒頭で説明したのと変わらないが痛みが1から2か3までレベルアップする。

炎症なり傷が膀胱内にあり動くほどに刺激されてしまうのか。

一度処方されているロキソニンを飲んだこともあるが痛みは改善しなかった。ロキソニン耐性がある排尿痛とは厄介だ。

これに関してはペインコントロールが治療の肝だし主治医に相談しよう。


いずれにしてもまもなく膀胱鏡検査が控えているのでそこでの結果を新たに報告します。


地元駅前は早くもイルミネーション仕様🎄