別の治療法として先生から紹介されて、判る範囲でネットで調べてみました。
超選択的動注化学療法は最近注目されている治療法で、
動脈からカテーテルで多量の抗がん剤を注入するというもので、
放射線治療とセットでがんを退治する治療法です。
一番の違いは、手術をしないということです。
だから、当然顔に傷が出来ない。
この治療法を前面に推奨している病院や大学もあります。
一方で、この治療法に疑問を投げかける論文もネットで見つけました。
理由は、上顎洞にはいろんな動脈が張り巡らされているので、
がんをピンポイントでヒットさせ退治させることが難しいこと、
上顎洞がんは骨に浸食しているケースがほとんどで、
骨の中にまで浸潤したがんを化学療法で除去しづらい、という内容でした。

初回診断では僕のがんは骨を抜けていると言われているので、
この反対論文に従うと、超選択的動注化学療法で完治させる可能性は高くない、
と考えざるを得ません。
がん治療は辛いけれど、その一方でその後再発するようなことは避けたい、
というのが僕の本音です。
後の人生の為に、今はしっかりがんを完治させることを優先させたい。
そういう考えに従うと、手術が一番の方法ではないかと思うのです。
8月26日に頭頸外科の診察を受けました。
始めて先生にお会いしたが、先生はCTの画像を見ながら、実務的に問診を進めていく。
事情をあまり飲み込めていない僕としては、その方がありがたい。
扁平上皮癌で、上顎洞癌(歯肉癌)。初見では三段階ではないかと。
首をさわり、リンパ線は腫れていない様子。
先生は切開手術を薦められるが、自分で調べて意思を固めて欲しいと言われた。
又、左上奥歯と上顎一部は無くなるが、目、鼻、舌の機能は残るとも。
今後のスケジュールは、27日にMRI、9月2日に面談し治療方法を詰めましょうと。
更に4日にPETを行う。
一回目の所見としては、少量の動注化学療法と、放射線療法、その後に上顎部分切除を勧められた。この治療法の場合、二ヶ月ほどの入院になるとのことだった。
最近流行りの治療法として、超選択的動注化学療法と放射線療法で対応する方法もあるので、
ご自身で良く考えて欲しい、と言われた。

仕事もあるので二ヶ月入院という言葉に一番引っかかりましたが、
冷静になろうと心を落ち着かせるよう努めました。
「もう歳だし、顔に傷があったとしても、それで人生がどうなるもんでも ないですもんね」
と、悟ったような?言葉が口から出た。笑えないことを言ってちょっと寒かったかな。
先生の勧める治療方法は長い治療実績があるので、術後の経過がある程度読めるところにある。
僕は57歳だが、がん患者としては若い部類らしく、今後20以上生きるために先が見える治療法の方が良いのではないかとのお考えだ。
上顎癌手術は専門分野のようで、ご自身の考え方はしっかり持っている、でも無理強いはしないというスタンスのようで、信頼を置ける人だなと感じました。
そうか、癌は時分で治療法を決める病気なんだと、改めて納得しました。
そう言えば雑誌などに書いてあったと思い出すが、
他人事のように読んでいるものは役に立たないもんです。

夜に娘二人に癌を告知。
こういう改まった話は今までほとんど無かった我が家です。
ショックが家の中をさまよいました。
妻は極力冷静さを装っていたが、
翌日朝は目の周りが腫れていた。本当に、ゴメンよ。

8月25日に癌を告知されました。
それは、口腔外科の治療台に座っている時のことです。
6月に左上の親知らずを抜いて、
普通ならば歯肉が固まって行くはずなのに炎症が収まらないのです。
それで念のためにとCTを取り、そして歯肉の細胞を採取したところ、
がん細胞が見つかりました。
又、炎症の治りが悪いのは癌の影響だと説明を受けました。
頭頸外科の担当だから、そこで詳しい説明と検査を受けて下さいと言われました。

鼻の横の上葉の上部に癌ができるなんて、今まで聞いたこともありませんでした。
それに、不勉強なのかもしれませんが、頭頸外科という言葉も始めてです。
僕は、癌という言葉にショックを受け、
それに聞きなれない体の部位と知らない医局名に戸惑い、頭が白くなりましたが、
でも先生が薦めるように、説明や検査を逡巡している場合ではありません。
早速、明日の頭頸外科の診察予約を行い、口腔外科を立ち去りました。

とりあえず、LINEで悪い知らせがあります、と妻に送り、
夜に今日聞いたことを妻に報告しました。
自分の感情をかき乱すような情報を持っていないので、
不思議なことに悲しいという気持ちまで行きません。
でも、残念だけど癌という事実は消しようもないのだから、
立ち向かうしかないです。