主人公の藤巻は、
元刑事で、今はマンションの管理人をしているが、
離婚して、別に暮らして来た大学生の娘から、
実習先の施設の門の前に置き去りにされた
老人の身元を突き止めて欲しい、と頼まれる。
認知症を患い、ほとんど話しもできず、
弱々しい老人の、ただ身元を突き止めるだけの
片手間の調査のつもりが、やがて、
だんだん警察、公安、政府まで巻き込んでいく、
深い闇の中に入って行く。
門の前に置き去られたので、門前さんと
呼ばれている老人は何者なのか?
読み進むほど、謎は深くなっていくし、
大きくなっていくので、
どんどん物語に引き込まれていって、
とても面白かった😎
さすが、江戸川乱歩賞👌
物語の最初に、この主人公が、
前期認知障害、MCIと医者から宣告される
ところから始まるので、
この「わたしが消える」という題名とで、
主人公のその病気が進む様子があるのか?
と思って読み始めたのですが、
最後まで主人公は、しっかりしていて、
むしろだんだんイキイキとしていくようで
ホッとしました。
50年来の友達が、この春に、MCIと診断された
と話してくれて、それから私も、MCI.というものを
図書館で本を借りたりして勉強しましたが、
早期に発見すれば、進行を遅れさせることができる、ということも知りましたが、
やはり本人の不安はとても大きいだろうと
思います?
私が脳梗塞の後、スマホの操作が混乱するようになった時には、ぜんぜん別のテレビの不具合とかですら、私の頭がおかしいのでは?と思ったりして
皆さんにもコメントで、
それはこうだよー、などと教えて貰ったり
しましたね💦
とにかく、主人公のMCIは、お話の中では
殆ど進行はせずに、自分の記憶が消える前に、
娘とたくさん話をしておこうと
思っています。
友達ともたくさん話しておこう、と
今思っています。
だけど、このお話のようなことが、
現実にもあるのだったら、
警察、公安、そして今もややこしい政府、
怖いんですけど😰
「94歳のゲイ」
Amazon prime
随分昔から、覗いているブログの主の方が
最近紹介されていて、私も観てみました。
その方は、1日一本くらいアマプラで映画を
観られていて感想を書かれているのですが、
いつも私もとても好みの映画で、
でもいつも洋画の方が多くて、私は、
実は、ずっと昔、この方のブログで、モースや、
シェトランド、も知ったのですが、
今回は、全く違って、
日本の西成の小さな古い狭い2畳ほどの部屋で
暮らす94歳だという、しかもゲイだという
長谷さんという
男性のノンフィクションというか、普通の
暮らしの映像です。
西成で、炊き出しに並び、年金で暮らす
しかも94歳にもなる長谷さんですが、
とても綺麗で上品で清潔なおじいさんです。
若い頃には、苦しい思いもさんざんしたでしょうけど、そんなことへの恨みは一切語らず、
そんな時代だったから、、と言うだけ。
そして、この長谷さんのケアマネをしている
50代の方も、偶然やはりゲイで、
長谷さんに、表に出ることを
勧めてくれます。
初めてそんな人達の中で、カミングアウトもでき
交流もでき始めたところで、その50代の
ケアマネさんの方が急死されます。
周りが悲しむ中で、長谷さんは、
泣くこともなく、ただ淡々と日常を送っていて、
かえってそんな長谷さんの様子に
深い悲しみ寂しさを感じるようで切なかった。
ところがその後、
長谷さんは若い頃には、谷川俊太郎にも評価される
ような詩を書くひとだったし
短歌もたくさん作っているのです。
朝日新聞の朝日歌壇にも一時、ホームレス歌人
という人が出て来たことがありますよね。
そんな長谷さんのところに、
東京から、ファンだというこれもゲイの
60代の男性が現れて、
長谷さんは、微笑ましくなるくらい
恋心をあらわにしているのですが、
その男性も、
ゲイ友達としてお付き合いしましょう
と言ってくれます。
94歳、本当に長い孤独な人生だったこと
と思います。
ラストステージで、
そんな幸せが待っているなんて!
長谷さん、良かった!
何となく、変だけど、
襟を正したくなるような気持ちで観ました!
