「回りくどい事はめんどくさいから・・・」
そう言って城井さんの隣にいた昴流さんという人がテーブルの上に1枚の写真を置いた。
その写真にゆっくりと手を伸ばす。
震える手で・・・
その写真をつかんだ。
「彼・・・見たことありますか?」
昴流さんの声に小さく頷いた。
笑っているその写真は・・・
俺が知っているあいつより少し大人になっていて・・・
「は・・・やま・・・。」
そう呟いた俺の声が震えていた。
「彼は・・・皆上翔と言います。」
昴流さんがそう言った。
皆上翔?
葉山じゃ・・・ないのか?
「そんなに似てるかい?葉山託生君と。」
城井さんの言葉に視線を写真からはずす。
まっすぐに俺を見る城井さんに
「はい。」
俺は一言そう答えた。
「そっか・・・。
昴流、後よろしく。」
城井さんはそう言うとソファーから立ち上がり、部屋を出て行った。
「三洲君、時間大丈夫かな?」
「え?」
「ちょっと付き合ってもらえるかな?」
昴流さんはそう言って笑った。