「相変わらず仲がいいんですね。」
案内された個室に入ると、真行寺はそう言って席に着いた。
「適当につまめるものと飲み物を。」
僕はそう言うと真行寺と向かい合う形で席についた。
「俺とギイの事か?」
「皆さんですよ。」
真行寺は僕を見ることなくそう言った。
「ギイ先輩はいつ日本に?」
「戻ったのは今日だ。日本支社を任されることになったんだよ。」
「そうだったんですか。葉山さんはギイ先輩と?」
「ああ。あいつらはずっとあんな感じだ。」
そう答える僕に真行寺は
「新さんは支えるだけ支えて・・・
後はいらないって事ですか。」
そう呟いた。
「真行寺?」
「あれ?赤池先輩知らなかったんですか?ギイ先輩が消えた後、あの2人そういう関係だった事。」
小さく唇の端をあげて笑う真行寺。
「どういう意味だ?」
「俺は新さんから直接聞いてますよ。
1人でいる葉山さんをほっとけないって。
ずっと好きだったって。
部屋を訪ねた時も何度か見ました。
葉山さんの手を握り締めたままベッドに腰掛ける新さんを。
大切なものを守るように新さんは葉山さんのそばにいた。」
自分には関係ない、そういう表情をした真行寺。
「なのに葉山さんはギイ先輩が戻ったらそれでいいんですか?
それとも・・・
新さんともギイ先輩とも?」
まるで馬鹿にしたような話し方に
「真行寺、お前は葉山をそういう奴だと思ってるのか。」
思わず声を荒げた。