「案外惨めな気持ちになるもんだな、葉山。」
「え?」
三洲はビールのプルタブを開けながらそう言った。
「自分から別れたくせに・・・
あいつの隣に他の人がいるのを見ると・・・
いつまでもあいつを忘れられない自分が惨めだったよ。」
三洲・・・。
「あいつは普通の幸せを手に入れたのに・・・
俺だけが未練がましいのかって。」
そう言うと三洲は一気にビールを飲み干した。
「俺が突き放したのに・・・
あいつは今でも俺を好きでいてくれる、そんな風にどこかでうぬぼれてた。」
三洲がこんな事言うなんて珍しい。
「あいつの幸せ・・・
喜んでやらなきゃいけないのにな。」
そう言って寂しそうに笑う三洲。