「ねえ、赤池君。今日暇?」
そんなのんきな電話が来たのは、昼を過ぎた頃だった。
「どうした?急に。」
「ちょっと時間できたから、買い物付き合って欲しいなと思って。」
駅前で待ち合わせしたのは葉山。
つい数日前に引越しの手伝いをしたばかりだった。
春からは1人暮らしをする葉山を心配したのは俺と三洲。
どこか抜けてるからな・・・葉山は。
「まだ足りないものあったのか?」
「ん・・・少しだけ?」
「何で疑問系なんだ。」
「あはは・・・。」
笑ってごまかすと、葉山はそのままホームセンターに入った。
「楽譜入れる棚とか買うの忘れてて・・・。」
「この前買ったカラーBOXは?」
「あれはバイオリンの付属品とか手入れするものとか入れるんだよ。」
あー・・・そうですか。
結局・・・荷物持ちか?