「で、何でここにいるわけ?」
「今日と明日、練習がオフになったんだ。」
「だからって・・・普通連絡してから来るだろうが。」
大学に入って2ヶ月。
俺は洋南で自転車部に入った。
福ちゃんから貰ったビアンキを手に・・・。
来ると思っていた、そう言って笑う金城によろしくなと挨拶をして俺の大学生活が始まった。
福ちゃんは・・・新開とともに明大ですでに主力選手扱いをされているようだった。
「荒北、俺はかまわないぞ。材料を買い足せばいいだけだ。」
「甘やかすな、金城。ってか何でお前までいんだよ。」
「靖友に会いたいからに決まってるんだろ?」
練習が終って金城と飯でもと買い物して帰ってきた俺の部屋の前。
俺を見て少し微笑んだ福ちゃんと笑顔で手を振る新開がいた。
「久しぶりだな、福富。」
「ああ、元気そうだな、金城。」
なぜか火花を飛ばしてる2人に思わず溜息をつく。
「靖友ー。俺少し痩せたぜ。」
「何処がだよ。相変わらずデブじゃねーか。」
「それそれ。靖友のそれ聞くと嬉しくなるねー。」
そう言ってバキュンポーズをむける新開に
「新開。離れろ。」
そう言って俺を自分の方に引き寄せる福ちゃん。
「ったく・・・めんどくせーなー。とにかく入れよ。」
そう言って・・・
俺は部屋のドアを開けた。