「福ちゃん?」
突然の事に驚いた俺に
「ずっと・・・
ずっと傍にいて欲しかった。」
福ちゃんはそう言った。
ずっと・・・って・・・。
「な・・・何言って・・・ってか誰か来るかもしんねーから離れろよ、福ちゃん。」
必死に胸を押す俺の耳元で
「ずっと・・・好きだった。」
そう言った福ちゃんに・・・
「え?」
思わず俺は顔を上げた。
「俺はお前の事が好きだ、靖友。」
福ちゃんが俺を?
んなことある訳ねーだろ?
俺・・・夢見てんだ。
これは・・・きっと・・・
「お前と離れたくなかった。」
そう言ってさらに強く俺を抱きしめる福ちゃんの胸に、俺は顔をつけた。
福ちゃんの心臓がドキドキしてるのが伝わってくる。
俺・・・
「最後だから・・・伝えたかったんだ。ちゃんと自分の気持ちを。そして聞いておきたかったんだ。靖友、お前の気持ちを。」
ゆっくりと俺を離すとまっすぐに俺を見た福ちゃんは
「お前を・・・愛してる、靖友。」
普通の人が見たら何も変わらない表情。
でも・・・俺にはわかる。
福ちゃんは・・・
俺を見て笑った。
俺を愛してると言って・・・
笑った。
「福ちゃん・・・。」
「靖友・・・。」
ゆっくりと福ちゃんの頬に手を添えると・・・
「俺も・・・ずっと・・・
ずっと福ちゃんの事を・・・。」
ずっと隠していた気持ちを言葉にした。
福ちゃんをずっと好きだったと・・・。