「勝手に決めんなよ。お前も金城も・・・。」
「金城君?」
「ああ。俺は福ちゃんと同じ大学に行くもんだと思ってたとか言いやがって・・・。
ずっと一緒な訳ねーだろっつーの。」
そう答えて足を進めた。
福ちゃんは・・・
自分を運んでくれる奴なら俺じゃなくてもいいんだよ。
俺は今年だけの運び屋。
仕事は終わりだ。
「自転車はやらないのか?」
「やらねーって言っただろ?俺はもう自転車には乗らねーって。」
「洋南に自転車部があるから行くんじゃ」
「今日知ったんだよ。」
振り返って
「もうほっとけよ。俺は俺で前に進んでんだ。引き戻すような事すんな。」
新開を見ながらそう叫んだ。
驚く新開の顔にバツが悪くて俺はその場を走り去った。
「もう戻る気はねんだよ。」
福ちゃんが俺を必要としないあの場所へは・・・。