「この人で間違いないと思います。竹森は昨日から1週間、休暇をとっているそうです。」
「大木さん、すぐに警察に連絡を。」
聖矢さんはそう言うと大木さんと部屋を出て行った。
「なんで・・・
なんで託生君の主治医がそんな事・・・。」
わけのわからないという顔をした佐智さんに
「ギイが関係してると思います。」
僕はそう答えた。
「え?」
「多分・・・
ギイの為に託生を利用しようと思っているんだと・・・。」
「義一君の?」
「はい。」
いったい竹森は何を考えてる。
何も知らない託生を連れ去るという事は・・・切羽詰ってるのか?
託生に・・・
危害を加えることはないんだろうか・・・。
三洲からの連絡を待ちながら・・・
俺は最悪の事ばかり考えていた。
託生がまた心を閉ざしてしまうのではという事を・・・。