「地下駐車場の奥、人目に着かない場所に隠すように置いてあった。」
そう言いながらテーブルに写真を並べた。
「赤池君、この中に見覚えのある人物いないかい?託生君が部屋を後にして俺達が気づくまでの間に出庫した車だ。」
託生が・・・連れ出されたというのか?
そう思いながら見た写真の中に・・・
見覚えのある顔があった。
「なんで・・・なんでこいつ・・・。」
「知り合いか?」
まっすぐ前を見て車を運転していたのは・・・
「託生の主治医、竹森先生です。」
竹森だった。
何であいつがここに?
「真行寺、三洲は?三洲は何処にいる。」
携帯の手に立ち上がると窓辺に移動し真行寺に電話をした。
( 新さんはまだ仕事です。今日は夕方までなのでもうすぐ )
「今日は竹森は出勤してるか?」
( 竹森先生ですか? )
「ああ。いるのかいないのか。どうなんだ。」
思わずそう叫んだ僕に
( 昨日から1週間の休暇です。 )
真行寺はそう答えた。
「真行寺、三洲に連絡が取れる状態になったらすぐに連絡するように言ってくれ。」
( 何かあったんですか? )
「託生が・・・
託生が消えた。
多分・・・竹森だ。」
僕の言葉に真行寺はわかりましたと答え電話を切った。