( 2年間充分やってもらったからな )
福ちゃんの声が頭から離れなかった。
俺は・・・
この先も福ちゃんを運ぶつもりでいた。
だから俺にとっては少しレベルの高い大学でも、同じ所に行こうと福ちゃんが言ってくれると信じて・・・
ひそかに勉強を始めていた。
「所詮俺の独りよがりって奴だな。」
新開は速い。
それに中学時代からのコンビだと泉田に聞いた。
福ちゃんも俺とより・・・。
インハイ3日目も・・・。
新開がいたから俺に真波を任せたんだろうな。
自分を運ぶ奴がちゃんといたから・・・。
「はは・・・バカだな・・・俺。」
傍にいるだけでよかったと思っていたのも・・・
福ちゃんが求める事には何でも答えようと必死だったのも・・・
「福ちゃんが好きだったからなのにな。」
そんな事言われたって気持ち悪いだけだよな。
俺だって初めてそれに気づいた時は自分が気持ち悪かった。
ばかじゃねーのって何度も否定して・・・。
でもいつでも俺の中にいるのは福ちゃんで・・・
認めざる得なかった。
「福ちゃんに・・・」
知られる前でよかったのかも知れねえ・・・。
そう思った。