「三洲君・・・」
真行寺が帰って少しすると葉山が入ってきた。
「・・・別れたいって話したよ。」
「真行寺君は・・・納得した?」
そう言いながら今まで真行寺が座っていた席に葉山は座った。
「ずるいって言われたよ。」
俺の言葉に葉山は
「自分だけ苦しめばいいって思ったんだね、三洲君は・・・。」
そう言ってさっき真行寺がしたように俺の手に自分の手を重ねた。
「言わなかったんだろ?本当の理由を・・・。
本当の事を知れば真行寺君が苦しむから。」
本当のこと・・・。
真実を言ったって誰も幸せになれないんだ。
だったら・・・
俺が真行寺の分も背負えばいい。
あいつが苦しまないように・・・。