「好きな奴がいるって言ったら・・・
諦めるのか?」
「え?」
「俺に好きな奴がいるって言ったら・・・
お前は諦めるのか?」
俺の言葉に驚きを隠せない、そういう表情をした。
「悪いな、真行寺。
俺は・・・俺はずっと好きな奴がいたんだよ。
お前と付き合っている時も・・・。」
「新さん・・・。」
「でも、お前と一緒にいる時間が増えて・・・お前だけを好きになった。
お前といる事で俺も幸せだったし、ずっと一緒に・・・そう思っていた。」
「だったら」
机の上に置いた俺の手を握り締めた真行寺。
「だったら一緒にいればいいじゃないっすか。
俺・・・
俺はずっと・・・。」
必死に俺をつなぎとめようとする真行寺の手を
「悪い。」
自分から離した。