「あ、葉山君。今ここにいた人は?君も見ただろ?」
相楽の言葉に首を横に振る。
「おかしいな・・・
見間違えかな・・・。」
そう言って相楽は海をじーっと見つめると・・・。
「まあ海に人間がいるわけないからな。」
そのままギイ王子の所に戻っていった。
「相楽どうした?」
「いや、海に人がいたように見えたから。」
「海に人?いないだろ、こんな穏やかな日には。」
「そうだよな・・・。」
幸せそうに笑うギイ王子・・・。
( やっぱり・・・殺すなんて出来ないよ。 )
託生はナイフを海の中に投げた。
選んだのは自分が消える事。
残された時間は・・・
6時間だった。