( 葉山。おい、葉山こっちだ。 )
海辺の公園で弁当を広げていた時、聞こえた声に海を除く。
( 三洲? )
海の中から顔を出したのは長女の新だった。
「あいつがお前の人生を狂わせた相手か。」
そう言って三洲は楽しそうに話す2人を見た。
「あのにやけた顔・・・。」
( 何でわかるの?あの人だって。 )
「何でって・・・あいつが崎だから。」
三洲の言葉になるほどと思った託生。
ってそういう理解じゃだめだと思いますよ?三洲さん。
「作者、今は黙ってろ。時間がないんだ。」
すみません・・・。
「お前あいつの心臓をそのナイフで刺す決意はついたのか?」
三洲の言葉に首を横に振る。
「じゃあお前は消えてもいいのか?」
その言葉にも首を横に振る。
「どちらか選ばないとだめなんだぞ?」
( 知ってるよ。でも・・・僕にはあの人を殺す事なんてできないよ。 )
「お前を愛してない相手だぞ?」
( しょうがないよ。僕人間じゃないもん。 )
本物の人間に勝てるわけがない、託生はそう思っていた。
「っていうかあいつは本当にあの男が好きなのか?」
そう言って新が上半身を海面から出し、相楽を見た時・・・。
「あ・・・。」
相楽はそう言うと立ち上がった。
「やばい、見つかった。とにかく葉山。お前は崎の血を浴びて戻って来い。」
そう言って三洲は海の中に消えていった。