あっという間に2日の時間が過ぎた。
ギイ王子は時間があれば託生に会いに来ていたが心は託生にはなかった。
ギイ王子の心は・・・
あの日、自分を助けてくれたこの街いちばんの商人の息子、相楽にあったから。
「なあたくみ・・・。」
今日は託生に新しい服を作るとギイ王子が街の商人を集めていた。
準備が出来るまで庭でお茶を楽しんでいた託生とギイ王子。
そこにはもちろん相楽の姿もあって・・・。
「俺・・・
相楽に告白してみようかな?」
ギイ王子の言葉に託生は持っていたお茶のカップを落とした。
「大丈夫か?」
慌てて頷く託生。
「いや・・・俺を助けてくれたあいつの事・・・ずっと気になってってさ・・・。
でも俺もあいつも男だから・・・
国のこと考えたらだめだってわかってるんだけどさ。」
相楽をちらちら見ながら話すギイ王子に・・・
( がんばって )
託生はギイ王子の手を握り締めて必死で口を動かした。
「応援・・・してくれるのか?」
その言葉に大きく頷く。
「そっか・・・。よし、頑張ってみようかな。たくみも応援してくれるなら、頑張れそうな気がする。」
そう言って託生の手を握り返すと
「ありがとう、たくみ。ちょっと行ってくる。島岡、たくみに似合う服、たくさん選んでやれよ。」
そのまま立ち上がり相楽にむかって走っていった。