「岬ちゃんにとって託生とギイの立場はまるっきり違うんだからな。ギイは医者、葉山は友人。医者より友人の方が親しいだろ?」
「そうかな・・・。」
「じゃあ葉山。お前は俺より竹森先生の方が親しいと言うのか?」
僕の言葉に葉山は首を横に振って
「章三の方が親しいよ。っていうか全然違うじゃん立場。」
少し怒ったようにそう言った。
「だろ?だったら・・・お前もそうだよ、葉山。岬ちゃんにとってギイは崎先生でしかない。」
「うん・・・そうだね。ごめん、僕なんか悪い方に考えちゃって・・・。」
「それが葉山の悪い癖だっていつも言ってるだろ。」
少し拗ねたように僕を見る葉山に
「いいから飯、食べようぜ?」
そう言って皿を指差した。
ギイの出現が別の意味で葉山を苦しめたりするのだろうか?
それに・・・三洲と真行寺。
この2人もギイの出現で何か変わろうとしているのではないのか?
僕はそんな事を考えていた。