天玉うどん愛好会 | まほろばのdaimal

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特にテーマがあるわけでもなく、自己満足の日記であります。

 
 30代の頃、電車であちこち移動する事が多かった年代。
あの頃の食事といえば、駅前/駅ナカの立ち食いうどんばかりだった。
営業職諸氏は結構ちゃんと昼ご飯を摂っていたようだったが、技術スタッフだと移動時間も勿体ないような気持ちで燃えていた(外回りは、基本的に予定外な仕事が多かったので、早く済ませて自分の仕事がしたかった)。
 
 下の写真は亀有駅北口の「そば処」。 立ち食いうどん/蕎麦の店。
最近では駅ナカという名前の小洒落たお店が増えて、駅の立ち食いうどん蕎麦なんて衰退の一途なのかも知れない。
 
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 私のお気に入りは、天玉うどん。
正統な天玉うどんとは、以下のような食物を指す(daimal辞書の場合)
 
・麺は柔らかめ : 腰のある麺も美味しいのだが、急いで掻き込むときは
            軟らかい方が消化にいい。
 
・かき揚げ    : サクサクかき揚げも美味しいのだが、まったり衣で
            めんつゆに溶けてしまわないしっかりした存在感が
            空腹を満たしてくれる。 具材はタマネギ/人参と
            決め手は桜エビである。
 
・つゆ       : 関東風濃口鰹出汁。 でもあまり塩味が強いのはNG
             関西風の薄口で上品な出汁も大好きである。 しかし
             駅で急いで食す天玉うどんの場合には、しっかり衣の
             かき揚げに合うのは、むしろ関東風だと信じている。
 
・生卵       : 黄身に味わいが無ければ存在価値が無い。 しかも
             黄身はかき揚げの上に移動させて食すので、安物だ
             と移動のときに破壊されてしまう。 この黄身をかき
             揚げの上で崩し、うどんを浸けて食べる。 その後に
             黄身を含んだかき揚げを頂く。 だからかき揚げは、
             めんつゆに溶けてしまわない、しっかり衣でなくては
             ならない。 ここが鉄則である。
             ここをミスしてつゆに溶け込んでしまった黄身を回収
             する手段は無いし、総てのつゆを飲み干す時間も無い
 
 
 下は常磐線亀有駅北口の東側にある前出「そば処」の天玉うどんで
ある。 この天玉うどんは正統派であるが、幾つかの基準を満たしていないが、概ね原点とも呼べる天玉うどんである。
 
1,麺にコシが適度にあって、おいしい(美味しくて何が悪い!)
2,かき揚げがカリカリだが、すぐにつゆに翻弄されてばらばらになる。
3,つゆ正統関東風で出汁の香りは少ないが、塩辛くないところがいい。
  つゆは合格。
4,卵は残念がら黄身の味を堪能できなかった。
 
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 北千住駅東武線ホームの小諸そば。
ここの天玉は見ておわかりの通り、天玉うどんではなく、「かき揚げ天ぷらうどん生卵入り」である。 なぜなら、、、、
 
1,つゆが関西風の薄口(だが、出汁が効いていておいしい)
2,かき揚げは最初カリカリだが、す~っとつゆの中に溶けて消えてゆく
3,かき揚げが溶けちゃうので黄身の味は堪能出来ず。
  恐らく卵の黄身味はあまり期待できないようだ。
  (出汁をすすった感じでは)。
 
 これはこれで美味しい逸品だが、正統派ではない。
因みに刻みネギは左上の陽気から自分で取って入れる。 これから客先
というサラリーマンには嬉しい気遣いである(結構臭うんですよねネギ)。
ここの場合、つゆは残さず呑んでしまうほどお気に入りであるが、正統派ではない(しつこい)
 
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 そして亀有駅北口の西側にある越後屋。
でかいかき揚げと、ワカメ入りが特徴だが、ここのかき揚げもカリカリで、つゆでばらばらになってしまう非正統派(daimal基準)。 更に脂っこいので
飽きてしまう。 今回UPの中で値段も高い。
 
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 かつて、駅ナカの大改装が実施され、立ち食いうどん蕎麦屋は絶滅したと報告した上野駅。 申し訳ない! 誤報であった。
常磐線ホームの端っこに、一軒残っているのを発見!!
 
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 常磐線上野駅、大江戸そばの天玉うどん。
真の正統派である。 しっかり衣のかき揚げとそこに見え隠れする桜エビ&人参は、噛みしめたときに存在感を主張する程の香りが口内に広がる。
若干コシがある柔らか麺は、まさに丁度良い。 惜しむらくは、卵の黄身の美味しさが今ひとつであったことである。
 
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 いつもは通過駅でしかない松戸駅。
改札を出たところにある喜多そば、結構人通りは多いのだが店内は空いていた。 ここのメニューにある「春菊かき揚げ天ぷらうどん」に大きく心を奪われそうになったが、私の研究心が粉砕されることはなかった。
 
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 喜多そばの天玉うどん。 ここも正統派である。
たまたまなのか、かき揚げに桜エビの香りがなかった。 代わりに油の匂いが若干しており、揚げ油が気になった。(気のせいかも知れない)
卵はどこの店も「旨いこの黄身」と呼べる出会いが無い。
 
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 JR安孫子駅は、常磐線に成田線が接続している駅。
ここは古くからホームの売店含め、弥生軒が根強い駅。 キオスクやニューデイズではなく弥生軒なのである。 それほどここの立ち食いうどんは定評があるお店。 今は大分多くなった常磐線と成田線の相互乗り入れだが
やはりここで成田線との接続待ちをする利用客に人気の店内は、狭いということもあるが、外で食べる人がいるくらい、人気なのである。
 
 特に寒い季節は、ホームで温まる絶好の食べもの。 かつて山形新幹線が開通する前は、福島駅の山形方面在来線ホームで急行を待っている間に食すキツネうどんを思い出させる。 あちらは発泡スチロール製の丼だったので電車に乗ったまま食せるという優れものであった。
 
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 弥生軒の天玉うどん。
ホームに降り立つと、鰹出汁の香りが漂っている。
ここも正統派であるが、以下の特徴を持っている。
 
1,麺は独特の丸細麺。 軟らかく、するっと喉へ降りてゆく。
2,かき揚げは沿線随一。
  小エビ(桜エビではない)が二尾も配備されていて、期待を裏切らない
  海老の香りが幸せを呼ぶ。 衣は薄黄色で何か秘密がありそうである
  が不明。揚げ上がりは少々固め。もちろん溶け崩れる事は無い。
3,卵の黄身が旨い。 漸く巡り会えた真の天玉である。 小玉ながらもコク
  のある黄身は、さぞや選ばれし物達なのであろう。
4,つゆ。鰹出汁が強烈に効いている。 塩味も強い。
  個人的には、もう少し薄味側の方が私には合う(私の修行が足りな
  いのかも知れない)。 もしかしたら出汁は鰹では無くて、他の種類の
  削り節かもしれない。。。
 
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 しかも、ここ小エビの入ったかき揚げなのに、お値段370円である!
他店は440~480円なのに、370円である。
かけは、なんと250円。 唐揚げうどんは510円と割高に思えるかも知れないが、唐揚げの大きさに驚くべし(と、撮影していない。流石に他人様が食しているのを撮影は失礼だし。。。)。
 
ここ、すっごく安いのである!
 
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 我孫子駅は常磐線各駅停車の終着駅(朝晩は取手まで運行されますが)、たまに鉄ちゃんもカメラ片手でうどんをすすっていることでしょう。
 
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 かくして天玉道は、まだまだ続くのでした(おそらくこれで終わり。。。)
 
 
 
 
 
 
 
撮影色んな日@常磐線沿線版