東京電力は自主避難等対象区域の住民への賠償金の支払いを開始した。
国民生活センターは7日、新聞の広告欄に掲載された情報として、「東京電力株式会社からのお詫びと賠償のご請求についてのおしらせ」を紹介した。
2011年12月10日に東京電力は、原子力損害に対する賠償金の支払いを開始したことを告知した。個人、法人、個人事業主、農林漁業者への賠償金について、原子力損害賠償制度に基づき、請求受付と支払いをしていると説明。同社作成の賠償金請求関連書類の郵送、請求書の記入や賠償に関する相談も受け付けを始めた。
今回さらに、昨年3月11日時点で「自主的避難等対象区域」に住民登録をしていた方への賠償金の支払いを開始するとして、本年3月5日から順次、請求書類を発送している。請求書類到着後、必要事項を記入のうえ請求をと呼びかけている。
また11日には、9日の時点での請求書の受付状況を明らかにした。個人約6万9,500件、法人・個人事業主が約3万5,200件で、そのうち本賠償の合意済み件数は個人が約4万4,800件、法人・個人事業主が約2万4,300件だった。
また福島第一原発事故の賠償金の支払い状況については、昨年5月までに仮払いとして約1,420億円を支払い、10月以降の本賠償で約3,035億円を加え、これまでに支払った総額が約4,455億円になった。
現時点で約10万件を超える請求に対して、約3万件以上が合意できていないことになる。さらに自主的避難等区域の対象者の請求も始まり、原発事故の賠償請求が収束するまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。