ルビーはラテン語で赤を意味するルベウス(Rubeus)が由来となっています。和名は紅玉。モース硬度は9でダイヤモンドの次に硬い石です。コランダムという酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物に分類されていますが、不純物によって赤い色がついたものをルビーといいます。不純物が非常に少ないコランダムは無色透明で高い屈折率により強い輝きをしますが、宝石として使われることはほとんどありません。しかし、1%程度の微量のクロムを不純物として含むことによりルビーになるのです。クロムの量が少ないとピンク色になってピンクサファイアとして評価されます。逆に多くなるとエメリーという灰色の工業用の研磨用途になり、宝石としての価値はなくなってしまいます。ルビーが希少な理由は、このクロムのわずか1%という絶妙な割合が自然界では非常に稀にしか起こらないからです。また、ルビーは7月の誕生石で石言葉は情熱・純愛・勇気などがあります。
資産としてのルビー
販売価格はこうやって設定される
ルビーの大きさや等級(グレード)にもよりますが、決して安い宝石ではありません。なぜなら、お客様の手に渡るルビーの販売価格には、採掘から研磨、さらには店舗の家賃や人件費、宣伝費などが含まれているからです。いざ売却しようとすると、買取価格の1/10や1/20になってしまうことも少なくありません。資産としてルビーを持つ場合、大粒で高い等級付けがされているルビーを購入する必要があります。そうでなければ、ご自身の好みのデザインのものを選んで、身に着けて楽しむことが大切だと質屋は思います。好みは変化しますから、いつの間にか着けなくなってしまった場合に売却を考えても良いと思います。ルビーの場合はダイヤモンドと違って内包物が多く含まれる宝石ですので、内包物よりも重視するのがカラーになります。赤色が濃く鮮やかで、さらに透明感のあるものが最高品質のルビーとなり高価買取が可能になります。もちろん内包物の大きさや場所は評価に影響することが多いです。
主な産地
ルビーの産地はミャンマー、タイ、スリランカ、ベトナム、マダガスカルなど様々です。中でもミャンマー産のモゴック鉱山から産出されるルビーは評価が高く、加熱処理がされてないものは非常に高値で取引されています。また、深く透明で濃い赤色のルビーは、鳩の血の色のようなことから「ピジョン・ブラッド」と呼ばれ、最高級のルビーと言われています。タイ産ルビーは生産量で世界の大半を占めていて、鉄分を多く含んでいるため黒味がかって見えるのが特徴です。このような黒味のあるルビーは牛の血の色のようなことから「ビーフ・ブラッド」と呼ばれています。ビーフ・ブラッドも希少性は高いのですが、価値としてはピジョン・ブラッドの半分程度となります。スリランカやベトナム産のルビーは、透明度が高くピンクがかった淡い赤色をしていることから「チェリー・ピンク」と呼ばれています。チェリー・ピンクはピンクサファイヤやバイオレットサファイヤに分類されることが多く、評価としては低くなります。
(左:ピジョンブラッド 中:ビーフブラッド 右:チェリーピンク)
ルビーの4C
4Cとは主にラウンドブリリアントカットのダイヤモンドで使われる判定要素ですが、ルビーでも用いられています。Carat(カラット)、Color(カラー)、Clarity(クラリティ)、Cut(カット)の4つで、その頭文字を取って4Cと呼ばれています。
Carat(カラット)
カラット(略してct)はよく大きさと間違えられがちですが、正しくは重さの単位になります。リングやネックレスといった宝飾品に宝石がセッティングされている場合、本体に刻印されていることが多いです。また、1ct=0.2gと決まっているので、リングに1ctの刻印があればそれがルビーやエメラルド、ダイヤモンドでもどんな形でセッティングされていても宝石の重さは0.2gということになります。悪い人が刻印を実際の重さより大きく書き換えない限り、ですが。メレ(小さい石)でも買取価格を算出できるダイヤモンドと違い、ルビーはカラット数が0.7ctを下回る場合、たとえ色や状態の良いルビーだったとしても値段が付くことはほぼありません。ただしリングやネックレスなどで土台が金やプラチナを使っていれば、土台の部分に対して買取価格をしっかりお付けします。
Color(カラー)
Clarity(クラリティ)
Cut(カット)
ルビーの処理
エンハンスメント
トリートメント
合成ルビー
フランスの科学者・ベルヌーイが1891年に初めて合成ルビーをつくることに成功させました。酸化アルミニウムに少量の酸化クロムを混ぜた原料の粉を上部におき、ハンマーで叩いて粉を少しずつ下へ落下させます。その粉は落下する途中で酸素と水素を混合した2000度近くの炎で加熱され、霧状の液体になり、種子結晶の上に積もり円筒状のルビー結晶を成長させて大きな美しいルビーがつくりあげられます。この方法は科学者の名前からベルヌーイ法と呼ばれ、別名で火焔溶融法とも呼ばれております。ルビーだけでなくサファイ、スピネル、スタールビー、スターサファイヤもこの方法で合成されてるものがあります。その他に原料をフラックス(融剤)と混合したものを加熱して溶かし、ゆっくり冷やして結晶を成長させていくフラックス法や1気圧のもとでは温度を上げても水に溶けにくい物質を高圧にすることで溶かして熱水溶液にさせてから結晶化させる熱水合成法(水熱合成法)、ルツボの中で原料を溶融して上から種子結晶をつるして溶融液面のところで種子結晶と液を十分になじませてゆっくり種子結晶を回転させながら引き上げていく引き上げ法(チョクラルスキー法)があります。合成ルビーの見分け方としては、結晶インクルージョンやシルクインクルージョンなどの天然特有の内包物が無く、レコード盤の溝のような湾曲した線をしたカーブラインや気泡が見えた場合はほぼ合成ルビーとして判断します。
(左:ベルヌーイ法でつくられた合成ルビー 右:カーブライン)
スタールビー
スタールビーの評価
鑑別書はあった方が良いのか
「ない」より「ある」方が良い
結論から言うと、「ない」より「ある」方が良いです。価値のつかない類似石や合成石ではない証拠にもななり得ます。過去には鑑別書があるにも関わらず、査定したところ合成石だったこともあったので鑑別書があってもしっかりと査定する必要があります。ただ、鑑定書とは違って鑑別書は4Cなどの評価付けが記載されたものではなく、ルビーかどうかの分析結果が記載されているものになります。そのため評価付けは質屋が目利きの力で行うしかありません。鑑別書があった方が好ましいですが、なくても評価は可能です。
鑑定書を取り直した方が良いのか
ルビーを持ち続ける、もしくは売却するにあたってご自身のルビーがどのような分析結果だったのかを知っておきたいという方は取り直しても良いと考えます。ただし先にお話しした通り、ある程度の大きさやカラーでない場合は取り直す必要はないと思います。ある程度の大きさ、というと漠然としていますが、目安でいうと3ct以上でしょうか。
鑑定書を取り直す費用は
CGL(中央宝石研究所)での2022年4月時点での料金は3,960円となっています。さらに鑑別書のカバー料金が330円~550円かかってきます。非加熱のルビーだった場合は産地鑑別付きで16,500円産地鑑別無しで13,200円となります。
ルビーの買取相場
下記がルビーの買取相場です。人工的な処理の有無などによって買取価格が変わりますので、あくまでも目安程度でお考えください。ルビーのみの価格ですので金やプラチナにセッティングされている場合は貴金属の価格がプラスされます。(カットはオーバルブリリアントと仮定)
更新日:2024年5月1日
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上の価格表を見ていただくと分かるとおり、ルビーはAカラー扱いになると価値が大きく上昇します。裏を返せば、Aカラーの評価が付くことは極まれです。またABランクの中でもさらに細かく分けて査定をしているため、買取目安金額には大きな幅があります。
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最後までお読みいただきありがとうございました!!
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