2024年7月16日更新！質屋が語る！エメラルドの査定と買取相場

エメラルドとは緑柱石（ベリル/Beryl）の中で帯青緑色から緑色をしたものを指し、元々は六角柱の形をしているベリリウムを含んだ鉱石です。日本では翠玉（すいぎょく）や緑玉（りょくぎょく）とも呼ばれます。物質的にはアクアマリンなども同じ鉱石の仲間です。天然エメラルドの特徴としては、石の中にヒビ割れのような傷が見受けられます。ダイヤモンドと同じようにキズが少ないものの方が評価は高くなりますが、一方でこのキズがあるという事は天然石の証でもあります。肉眼ではわかりにくいかもしれませんが、ぜひお手持ちのエメラルドを確認してみてください。エメラルドの歴史は古く、ダイヤ・ルビー・サファイアと並び世界4大宝石の1つに数えられているほか、クレオパトラが愛した宝石の1つとしても有名です。また、エメラルドは5月の誕生石で、石言葉は「恋愛成就」のほかに「幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望・喜び」などがあります。このことから浮気防止の効果があるとも言われているようですよ。

・資産としてのエメラルド
・エメラルドの4C
・エメラルドの処理
・エメラルドカット
・鑑別書はあった方が良いのか
・エメラルドの買取相場
・当店のエメラルドの買取実績
・エメラルドの質・買取は大黒屋質上野御徒町店へ！！

資産としてのエメラルド

販売価格はこうやって設定される

エメラルドの大きさや等級（グレード）にもよりますが、決して安い宝石ではありません。なぜなら、お客様の手に渡るエメラルドの販売価格には、採掘から研磨、さらには店舗の家賃や人件費、宣伝費などが含まれているからです。いざ売却しようとすると、買取価格の1/10や1/20になってしまうことも少なくありません。資産としてエメラルドを持つ場合、大粒で高い等級付けがされているエメラルドを購入する必要があります。エメラルドの場合はダイヤモンドと違い内包物が多く含まれる宝石ですので、内包物が含まれるかどうかよりもきれいに緑色が発色されているかが重要になります。

主な産地

エメラルドの産出量が最も多いのはコロンビアで、そのシェアはなんと全体の約50％を占めています。コロンビア産の場合、採掘された鉱山ごとに色合いが異なり、ムーソ鉱山からは濃い緑色、コスケス鉱山からは薄い緑色、チボール鉱山からは青みがかった緑色のエメラルドが採掘されやすいそうです。続いて2位はザンビアで、世界の約20％を占めています。ザンビア産のエメラルドは透明度が高く、内包物が少ないエメラルドが採れるといわれ、色は青っぽい緑をしています。その他の産地にはブラジルやジンバブエ、ロシアなどがあります。

エメラルドの4C

4Cとは主にラウンドブリリアントカットのダイヤモンドで使われる判定要素ですが、エメラルドでも用いられています。Carat（カラット）、Color（カラー）、Clarity（クラリティ）、Cut（カット）の4つで、その頭文字を取って4Cと呼ばれています。

Carat（カラット）

カラット（略してct）はよく大きさと間違えられがちですが、正しくは重さの単位になります。リングやネックレスといった宝飾品に宝石がセッティングされている場合、本体に刻印されていることが多いです。また、1ct＝0.2ｇと決まっているので、リングに1ctの刻印があればそれがエメラルドでもダイヤモンドでもどんな形でセッティングされていても宝石の重さは0.2gということになります。悪い人が刻印を実際の重さより大きく書き換えない限り、ですが。メレ（小さい石）でも買取価格を算出できるダイヤモンドと違い、エメラルドはカラット数が0.5ctを下回る場合、たとえ色や状態の良いエメラルドだったとしても値段が付くことはほぼありません。あ、もちろんリングやネックレスなどで土台が金やプラチナを使っていれば、土台の部分に対して値段を付けています。

Color（カラー）

色石であるエメラルドにとって、カラーは最も大切な評価要素のひとつです。ダイヤモンドと違い緑色が濃いほど評価が高くなり、薄くなると評価は下がります。ただ濃ければ良いというわけではなく、透明であることが大切です。そのためたとえ色が濃かったとしても、黒く濁っていた場合は評価が低くなります。エメラルドのカラーグレードは大きく分けると「A＞B＞C＞D」の4つですが、さらに細かく分類すると「A++＞A+＞A＞B++＞B+＞B＞C++＞C+＞C＞D」の10段階になります。一般的なエメラルドはB～Cカラーに分類されるものが多く、Bカラー以上だと良い評価とされており、B以下とA以上の間に大きな価格差が生まれます。

Clarity（クラリティ）

ダイヤモンドと同様にエメラルドにもクラリティが影響します。しかしダイヤモンドと違い、エメラルドにはインクルージョン（内包物）が含まれない個体は存在しないと言っても過言ではありません。つまりインクルージョンがある前提で評価をすることになります。評価基準はダイヤモンドと同じで、インクルージョンの大きさや場所、見え方になります。エメラルドの場合、インクルージョンによって天然石かどうかを判別をすることも可能です。エメラルドには結晶状やチューブ状など複数のインクルージョンが存在しますが、その中でも三相インクルージョンはエメラルド特有のインクルージョンになるので、これが確認できた場合は他の検査を行わずに天然エメラルドであると判断して査定を進めていきます。エメラルドのクラリティは大きく分けると「A＞B＞C＞NG」の4段階ですが、カラーグレードと同様に「A++＞A+＞A＞B++＞B+＞B＞C++＞C+＞C＞D」の10段階に細分化することができます。Aランクとはダイヤモンドで例えるとSI2に該当します。先にお話しした通り、エメラルドはインクルージョンが入っていることが前提となるため、ダイヤモンドのグレードと比較するとやや甘い印象があります。Aランクに該当する場合は買取価格が大きくアップする可能性がありますが、その分なかなかAランクと評価できるエメラルドは質屋の経験としては少ないですね。続いてBランクの場合、ダイヤモンドに例えるとSI～I1に該当し、Cランクの場合はI2～I3位に該当するイメージがあります。ここまでの評価であればおおむねお値段をお付けすることができます、もちろんカラーやサイズにもよりますが。NGランクだった場合はほとんどお値段はお付けできません。

※インクルージョンの多いエメラルド

Cut（カット）

エメラルドはダイヤモンドとは違い、カットのプロポーションに対する評価はあまり重要ではありません。どちらかというと、エメラルドがより良いカラーに見えるようにカットされているかが重要です。具体的には色の濃いエメラルドの場合は浅くカットしてテーブルを大きくすることで、通る光の量を多くして色を薄く見せます。逆に色の薄いエメラルドは深くカットしテーブルを小さくすることで通る光の量を減らして濃く見せます。つまりそのエメラルドをより美しく見えるようにカットされているかどうか重要視されるというわけです。

エメラルドの処理

世の中に出回っているほとんどのエメラルドは人工的な処理が行われており、全く処理をしていないエメラルドは全体の0.001％以下と言われています。そのため皆様がお持ちのエメラルドも何かしらの処理がされている可能性が極めて高いと言えます。またその処理方法によってはエメラルドの価値が大きく損なわれてしまうものがあります。

エンハンスメント

エンハンスメントには含浸処理と加熱処理の2つの方法があります。まず含浸処理とは、エメラルドにオイルを浸透させることでエメラルド特有の内包物や亀裂を見えにくくする処理です。水の中にガラスを入れると透明になったかのように見えなくなることがあると思います。これは水とガラスの光の屈折率が近い場合に起こる現象です。含浸処理はこの原理を利用していて、光の屈折率がエメラルドに近いオイルを浸透させて、水に入れたガラスと同じようにエメラルドの傷を見えにくくするというわけです。この処理は驚くことに数百年以上前から行われている処理で、業界内でもこの処理をしたエメラルドは天然石として扱っています。万が一、エメラルドに浸透させたオイルが抜けた場合は当然ながらエメラルドは処理前の状態に戻ってしまいます。たとえリングやネックレスの汚れが気になっても、超音波洗浄機や洗剤に漬けるといった行為はご法度です。オイルが抜ける、つまり色が抜けてスカスカのエメラルドになってしまいます。お手入れの際は十分お気を付けください。もうひとつは加熱処理といって、主にルビーやサファイアに対して行われることが多い処理です。名前の通りバーナーなどでエメラルドを約1000度以上に熱して色を変化させます。ただし変化後の色はエメラルドごとで異なるため、狙って良い色に変化させることは困難です。もちろん綺麗に変化させることができれば価値が上がります。エンハンスメントはエメラルドの価値を高める処理ですが、一方でエメラルドの価値を下げてしまう処理の仕方もあります。それは次の項目で。

トリートメント

エンハンスメントがエメラルドをより良く見せるために行う処理であれば、トリートメントとはより良いエメラルドに変えてしまう処理です。わずかな鉱物を加熱浸透させることで人工的に色を変えてしまったり、着色剤を浸透させる手法もあります。定義としては、自然界では起こりえない人工的な処理を行って色を変えてしまう手法をトリートメントと呼びます。エンハンスメントを「改善」と表すのに対し、トリートメントは「改良」と言えます。トリートメントによって処理されたエメラルドのほとんどは天然石としてではなく処理石として扱われ、質屋としては評価を低くします。ご自身で使用される場合は見栄えも大切ですが、資産としてエメラルドを持つ考えであればあまりお勧めはできません。

エメラルドカット

エメラルドは六角柱の形をしているため、その元々の形を最大限に活かすために考案されたのがこのエメラルドカットです。通常はステップカットと呼ばれるカットの1つです。このエメラルドカットは側面部分がテーブル（トップの部分）になる様にカットし、インクルージョンが入り割れやすいエメラルドをリングなどにセッティングしやすくするために四方をカットした8角形のカットです。カットする際の無駄が少なく、エメラルドの美しさを引き出しやすいことからこのカット方法が多く採用されています。そのほかに、バゲットカットやプリンセスカットも無駄にする部分が少ないカット方法として採用されることはありますが、セッティングする際やジュエリーとして身に着けている際に角が欠けやすいカットです。もちろんエメラルドカットであってもインクルージョンと衝撃が加わった位置によっては欠けや割れを起こしてしまう可能性があります。

鑑別書はあった方が良いのか

「ない」より「ある」方が良い

結論から言うと「ない」より「ある」方が良いです。価値のつかない類似石や合成石ではない証拠にもなります。ただし鑑定書とは違い、鑑別書は4Cなどの評価付けが記載されたものではなく、エメラルドかどうかの分析結果が記載されているものになります。そのため評価付けは質屋が目利きの力で行うしかありません。鑑別書があった方が好ましいですが、無くても評価は可能です。

鑑定書を取り直した方が良いのか

エメラルドを持ち続ける、もしくは売却するにあたってご自身のエメラルドがどのような分析結果だったのかを知っておきたいという方は取り直しても良いと考えます。ただし先にお話しした通り、ある程度の大きさやカラーでない場合は取り直す必要はないと思います。ある程度の大きさ、というと漠然としていますが、目安でいうと3ct以上でしょうか。

鑑定書を取り直す費用は

CGL（中央宝石研究所）での2021年7月時点での料金は3,960円となっています。さらに鑑別書のカバー料金が330円～550円かかってきます。もしもノンオイル、含浸処理がされていないエメラルドだった場合は、鑑別書やカバーなどの料金も含めて11,000円となります。

エメラルドの買取相場

下記がエメラルドの買取相場です。人工的な処理の有無などによって買取価格が変わりますので、あくまでも目安程度でお考えください。エメラルドのみの価格ですので金やプラチナにセッティングされている場合は貴金属の価格がプラスされます。また、カットはエメラルドカットを想定しています。

更新日：2024年7月16日

カラット	カラー	クラリティ	買取価格
1.00Ct	B	B	～1,900円～
1.00Ct	A	B	～21,000円～
1.50Ct	B	A	～11,250円～
1.50Ct	A	A	～67,500円～
2.00Ct	B	A	～30,000円～
2.00Ct	A	A	～225,000円～
3.00Ct	B	A	～120,000円～
3.00Ct	A	A	～500,000円～
5.00Ct	B	A	～225,000円～
5.00Ct	A	A	～1,100,000円～