この記事は、穂吉のブログの「2012-10-04 16:35:22」にUPした『日本の神話143. ~第四部 大和~ =第十二章 景行(けいこう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。
最初のお話し 『日本の神話01』 前回のお話し 『日本の神話142』
この回も、大君、大帯日子淤斯呂和気命様の御世のお話しです。
都より遠く離れた西の地の、熊襲(くまそ)の主長を打ち取り、更に出雲国(いずものくに)の不埒者を倒すなど、都より西側の地方を全て平定させて、都へお帰りになられた倭建命様は、事の成り行きと旅の無事を、父君であり、大君の大帯日子淤斯呂和気命様へとご報告をされるために謁見を願い出たのでした。
きっと父上に褒められると、意気揚々に大君の御前に向われる皇子様でした。
ところが大君は帰ったばかりの倭建命様に、重ねてご命令を出されたのでした。
『東の方の十二もの国に、不穏な土着の神々や、服従をしない者共がいると聞く。今すぐに平定させに行ってくるのだ。』
皇子様に対して掛けられたお言葉は、ただ、それだけだったのです。
労いや、褒めの言葉は皆無。賜った御言葉は、この指令のみだったのです。
都にて腰を落ち着け休む時間を与えられることなく、今すぐに出立するようにと、大君は、尚も
さらに次なる旅で、お供をする者も既に決まっておりました。
御鉏友耳建日子(みすきともみみたけひこ)様が、大君より、柊(ひいらぎ)で出来た長い矛を賜り、皇子様の副官として同行する様にと、勅命を受けておりました。
すでに出発の準備は整えられおり、帰京する皇子様を今か今かと待っておいでだったのです。
倭建命様は、大君のご命令を、ただただお受けするより他にすべはありませんでした。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
おしまい。