この記事は、穂吉のブログの「2012-10-02 16:33:58」にUPした『日本の神話141. ~第四部 大和~  =第十二章 景行(けいこう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話140』



 この回も、大君、大帯日子淤斯呂和気命様の御世のお話しです。

 西方の熊襲建の兄弟討伐を無事に終え都へ帰路の途中で、倭建命様は山の地域や川の地域、また海峡付近の地域を治めているその土地、その土地の神々を帰順させ、穏やかにさせながら都に上(のぼ)り帰って行かれました。

 その途中で皇子様は、出雲国へと立寄られたのです。

 そこで皇子様は、この国の支配者の出雲建(いずもたける)という人物のことを下々の者より聞き及んだのです。

 この出雲建は、西の地の熊襲建の兄弟と同様に、朝廷に従う意志を持たず、傍若無人極まりないとのことでした。

 そこで皇子様は、しばらくこの地に留まることを決めたのでした。

 そしてこの出雲建を打ち取ったれば、必ずや父君であり大君の、大帯日子淤斯呂和気命様は、お喜びになりお褒め下さるだろうと、若き倭建命様はお考えになられました。

 さて、この不埒者をどう仕留めるか・・・

 策を講じた皇子様は、この出雲建と交友関係を結び近づこうと考えられたのでした。

 そこで皇子様は、西方からやってきた旅の者ということで、出雲建の屋敷の門をたたいたのです。

 武勇に長けた者同士、すぐに打ち解けあい、出雲建は皇子様の事を疑う素振りも見せませんでした。

 数日後には、互いを『友』と呼び合うまでに至っておりました。

 しかしその間にも皇子様は、着々と謀(はかりごと)を進めておりました。

 皇子様は、赤檮(いつき)の木を削り、詐刀(こだち)(偽物の剣)(木刀のこと)を作られると、それを如何にも本物の剣であるかのように、自ら携えていました。

 そんなある日のことです。

 皇子様は、出雲建を水浴へと誘われたのです。お二人は連れ立って、斐伊川(ひいがわ)へと向かわれたのです。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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