この記事は、穂吉のブログの「2012-08-03 16:21:42」にUPした『日本の神話81. ~第三部 天孫降臨~  =第四章 豊玉毘売命様=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話80』



 ご自分の子の出産に立ち会いたいと山幸日子様は、姫と共に産屋に入ろうとしました。

 しかし豊玉毘売命様は、それをきっぱりと断ったのです。

『異郷(いきょう)で生まれた者の出産の時には、地上の者の姿ではなく、本来の姿に戻ってしまうのです。私もこの地上の者ではございません。異郷の者です。ですから出産は、本来の姿に戻らねばならぬのです。ですからどうか決して、決して私の姿を見ないでください。』

 しかし山幸日子様には、妻が何故その様な事を言うのか、理解できませんでした。ひとまずその場では、

『わかった。』

と返事をしたものの、「こっそり見てみたい」という好奇心には勝てず、産屋の隙間に隠れて、こっそりと妻の出産を見てしまったのです。

 ところがどんなに目を凝らして探してみても、薄暗い産屋の中には、美しい妻の姿はありません。

 そこにはただ人の身体の何倍もある大きな鮫が、体を捩じらせ、のた打ち回り、藻掻き苦しんでいるだけだったのです。

 しかし産屋に入って行ったのはただ一人。美しい妻、豊玉毘売命様だけです。

 海神の娘、豊玉毘売命様は、実は鮫の化身だったのでした。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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