この記事は、穂吉のブログの「2012-06-08 16:48:33」にUPした『日本の神話25. ~第二部 芦原中国の神々~ =第一章 大国主命様=』という記事を再編成してUPしています。
最初のお話し 『日本の神話01』 前回のお話し 『日本の神話24』
芦原中国 (あしはらなかつくに)の神々の章
出雲国に、『大穴牟遅神(おおなむじのかみ)(男神)(後の大国主命(おおくにぬしのみこと))』という名の神がいました。
この大穴牟遅神には、沢山の異母兄の神たちがいたのです。しかしこの異母兄の神々は、大穴牟遅神をまるで家来か使用人のように蔑み、いつもいつも酷い扱いをしていたのでした。
ある時、兄弟の神々は大穴牟遅神に、
『大穴牟遅神よ、お前にはこの出雲国をくれてやる。自由にお前がこの国を統治するが良い。』
と突然、兄弟全員が告げたのです。
しかしこれは兄弟たちが大穴牟遅神を、自分たちと『同等』の神と認めたからではありません。
この辺り一帯で一番美しいと噂されている、因幡国(いなばのくに)の『八上比売命(やがみひめのみこと)』と結婚したいと願ったからです。そして結婚した者が因幡国を統治し、因幡に移り住んだのならば、もう出雲国に帰ることはなくなるのです。
ですから出雲国はもういらないから、大穴牟遅神に「出雲をくれてやる」と言ったのです。
しかし大穴牟遅神は出雲国を任されたものの、その後も兄弟達に従者のように扱われたまま。幾日もかけ、兄弟たちの因幡への旅支度を手伝わされ、国主となった国の見回りなど全く出来ない状態です。それどころか兄弟達がいざ因幡国に出発となったなら、今度は大量の荷物の入った大きな袋を背に担ぎ、大穴牟遅神は荷物持ちとして、兄弟たちと一緒に因幡国へ行くことになってしまったのです。
重たい荷物など持たぬ身軽な兄弟の神たちは、どんどん先に行ってしまいます。
大穴牟遅神は、重い荷物を引きずりながら遅れて付いて行くのがやっとでした。
そんな遥か先を行く兄弟の神々は、気多(けた)の岬に、一羽の兎が全身に怪我を負い、泣きながら蹲っているのを見付けたのでした。
- 追 記 -
『大穴牟遅神』は、のちの『大国主命(おおくにぬしのみこと)』です。
系図は、八岐大蛇を退治した『須差之男命』と『櫛名田比売(くしなだひめ)』様の『六代目の子孫』です。
父神は『天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)』、母神は『刺国若比売(さしくにわかひめ)』です。
この『芦原中国の神々の章』のお話しは、ここに登場する『大穴牟遅神(のちの大国主命)』をはじめ、各地の国を造って行く地上の神様方のお話しが中心です。
そんな芦原中国(地上)の神々のことを総称して、『地祇(ちぎ)』とも呼びます。
それに対し、高天原(天上界)の神々のことは、『天神(てんじん)』と呼びます。
そしてこの両方、『天と地の全ての神々』という時には、『天神地祇(てんじんちぎ)』、もしくはそれを略して『神祇(じんぎ)』と言います。
『天神地祇(てんじんちぎ)』、また『神祇(じんぎ)』という言葉は、この後のお話しでも度々出てまいります。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
おしまい。

