この記事は、穂吉のブログの「2012-06-06 16:52:12」にUPした『日本の神話23
. ~第一部 創世~  =第三章 出雲国にて=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話22』



 須差之男命は、大蛇退治の作戦を考えました。この世の蛇は大きさには関係なく、だいたい酒が好きなものです。酒を飲ませ酔った隙に、退治してしまうのが良いだろうと考えたのです。

 須差之男命がまず初めにしたことは、櫛名田比売命の安全を守るために、姫の御身を『湯津妻櫛(ゆつつまぐし)』に変えると自らの髪に挿しました。

 その後に足名椎と手名椎に、大蛇を迎え撃つ準備をさせました。

『まずは八度、醸(かも)した強い酒をたっぷりと造るのだ。その後に、丈夫で長い垣根を作る。垣根には、大蛇の首が通る大きさの門を八つ、門にはそれぞれに桟敷(さじき)を付け、その門の桟敷ごとに酒を入れる樽を置き、なみなみと酒を満たしておくのだ。そこまで用意しておけば、あとは大蛇の来るのを待つだけだ。』

 足名椎と手名椎は指示通りの準備をし、いつしか八俣大蛇を待つばかりとなったのでした。

 さて、それからどのくらい待ったでしょうか。とうとう北の方角より、山のような大蛇が現れたのです。



- 追 記 -

本ブログ上で記されている、『とうとう北の方角より、山のような大蛇が現われたのでした。』の部分は、古事記においては『高志之八俣遠呂知(こしのやまたのおろち)』と書かれています。

『高志(こし)』が、指し示す地域については諸説あります。
島根県東部の『斐伊川とその支流』を大蛇に見立て、『河川の氾濫』について語っているのではないか?と云う説があります。
また『こし』が『越』に変わったのではないか?つまり新潟方面から、何か禍になるようなことがやって来たのではないか?と云う説など、様々な解釈があるようです。

このブログでは、この地域が判明しない場所の為に、本当は東や西、もしくは南の方角から来たのかもしれませんが、あえて『北の方角より、山のような・・・』と曖昧な表現で書かせていただきました。




ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。