この記事は、穂吉のブログの「2012-05-22 17:01:50」にUPした『日本の神話08. 第一部 創世 第一章 世界の始まり』という記事を再編成してUPしています。
最初のお話し 『日本の神話01』 前回のお話し 『日本の神話07』
愛した妻を失った悲しみは、如何ばかりでしょう・・・
伊邪那岐様は、高天原の神々からの使命もあります。愛する妻が亡くなったとはいえ、今後も地上の神々を生み続けねばなりません。しかしこればかりは、妻なしでは成し得ぬ大事業です。
神生みに困難がある上、悲しみが深い伊邪那岐様は、亡くなった妻、伊邪那美様を取り戻したいと、日を追うごとに強く願うようになっていきました。
伊邪那岐様は亡くなった妻を求め、地下深くの黄泉の国にやって来たのです。
死者の国の黄泉の神殿の扉の前で伊邪那岐様は、愛しい妻の伊邪那美様に語りかけます。
『愛しきわが妻よ。お前と共に創ってきた国はまだ途中だ。私と共に帰って、一緒に完成させてほしい。』
すると伊邪那美様は、
『何故、もっと早くに来て下さらなかったのですか?私は、黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、この国から出ることはもう不可能なのです。』
黄泉の国で作った食べ物を一口でも食べてしまったら最後、この国からはもう決して出られなくなってしまうのです。この国の住人となってしまうのです。それが黄泉の国の掟なのです。
妻の言葉に驚き、希望を失いかけた伊邪那岐様に妻の伊邪那美様は言いました。
『ですが折角ここまで来てくださったのです。可能ならば現世(うつせ)へ帰りたいと思います。今から、黄泉の国の神と相談してきますね。貴方は、ここで待っていてください。ただし待っている間、決して私の姿を見ないでくださいね。』
そう言い残すと、伊邪那美様は、神殿の奥へと消えて行ったのでした。
- 追 記 -
古来より、死者の姿を直接見ることは『穢れる』とされ、タブー(禁忌)とされてきました。しかし次回、そのタブーを伊邪那岐様は犯してしまいます。
ここまで読んでくださって、誠にありがとうございました。
おしまいっ。

