この記事は、穂吉のブログの「2012-05-17 22:54:05」にUPした『日本の神話03. 第一部 創世  第一章 世界の始まり』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話02』



 いよいよ国創りを始めるにあたり、兄の伊邪那岐様は、妹の伊邪那美様に尋ねました。

『お前の体の出来はどうか?』

 すると伊邪那美様は、

『私の体はほぼ完全だとは思うのですが、ただ一か所だけ足りません。』

伊邪那岐様も、

『私もほぼ完全だと思うのだが、一か所余分なようだ。足りない部分を余分な部分で塞ぎ、国を生み出そうではないか。』

 そう尋ねられた伊邪那美様は、

『それがよろしいでしょう。』とお答えになりました。

 国生みは神聖な行為である為に、手順をきちんと踏んで行われなければなりません。その為に二柱の神は、まず天御柱のもとに立たれました。そして伊邪那岐様は、伊邪那美様に仰いました。

『お前は右から柱をまわりなさい。私は左からまわる。そして出会った場所で聖なる結婚をするとしよう。』

 そう約束を交わし、二柱の神は御柱を巡りました。

 そしていざ出会った時に、

『なんてすばらしい男性でしょう。』

 先にお声をかけられたのは、女神である伊邪那美様でした。

 その言葉の後に、

『なんてすばらしい女性だろう。』

 と伊邪那岐様も答えます。

 しかし何かが違ったような気がしてなりません。

『女が先に声をかけたのは良くなかった。』

 そう伊邪那岐様は言いながらも、この後、二柱の神は神殿に入り男女の契りをかわしました。

 すると残念なことに、伊邪那岐様の思いはあたりました。生まれたのは、完全な姿とは程遠い、骨を持たない『水蛭子(ひるこ)』でした。

 二柱は、この水蛭子を葦で編んだ船に乗せ海へ流しました。

 更に、次に生まれてきたのは『淡島(あわしま)』という、不完全な形の島でした。この島もまた、正式な子として認めることはできませんでした。



~ 本日は これにて。 ~



- 追 記 -

『水蛭子(ひるこ)』とは、どのようなお子様(神様)なのでしょう。日本書紀には、このお子様は3歳になっても足が立たなかったので、船に乗せて流したと記されています。
流れ着く地は海の彼方、『常世の国(とこよのくに)(理想郷であるあの世)』でしょう。
しかし常世の国で成長した水蛭子は、『恵比寿(えびす)』様となって再びこの世にお戻りになられます。
 魂は永遠であり、決して肉体が滅びても魂が消えて無くなってしまう訳ではないと、穂吉は考えています。
 この水蛭子の様に、肉体が滅びあの世に帰っても、恵比寿となって生まれかわる。これこそが魂の不変性であり、この世の真理だと穂吉は考えています。



ここまで読んでくださって、誠にありがとうございました。

おしまいっ
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