【交通系】今其処にある「ガソリン価格高騰時代」を公共交通事業者は生き残れるのか!? | TAKAの徒然なるブログ

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私のサイト「TAKAの交通論の部屋」の日記も兼ねて、mixiの日記と一緒に書いて居ます。同じ日記が複数の場所にリンクされています。予めご承知置き下さい。

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皆さんこんばんはTAKAです。

世界経済が「リーマンショック」の後遺症から立ち直りつつ有り、新興国の経済成長が牽引車となり「ギリシャショック」も克服して、ハッキリと回復の基調を示して居ます。
その中で、「リーマンショック」前の「資源の供給不足の懸念による高騰」が激しくなりつつあります。

実際米国FRBによる金融緩和による金余りで、先物取引市場には大量の資金が流れ込んでおり、それが一次産品の高騰の引き金になって居ます。

その上今年に入り、チュニジアの「ジャスミン革命」から始まった「チュニジア→エジプト」と続き、今度は大産油国リビアを内戦状態に陥れ、リビアの石油生産はストップし、その様な影響の結果今や原油は「1バーレル100ドルの大台突破」と言う状況になって居ます。
その結果として、日本国内のガソリン価格が上がりだして居ます。
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ガソリン元売り、大幅値上げ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1518369&media_id=4
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当然の事ながら、ガソリン価格の高騰は、日本経済に取っては、「原材料価格高騰」「物価上昇圧力」となりマイナス要因です。
特に困るのは、産業界ですね。原材料の石油価格が高騰しコストが上がるのに、日本国内では競争等の要因でコスト上昇分の価格転嫁が困難で、コスト上昇を被らざる得ない状況になって居ます。

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その様な立場に有る産業の一つがバス業界を含む公共交通です。

バス業界にとって原油価格高騰は実を言えば、二面性を持って居ると言えます。
それは「動力費の上昇」によるコスト上昇のマイナス要因と、「ガソリン価格高騰による、よりコスト高の自家用車からの転移」と言う利用客増加のプラス要因の二面性が有ると言えます。

しかし、リーマンショック前のガソリン価格高騰時には、ガソリン価格が「リッター200円」に迫ろうとした情勢の中、「ガソリン価格高騰による自家用車からの転移による収入増加<軽油価格高騰によるコスト上昇」となった事業者が多かった様で、私の知って居る事業者もかなり苦労して居ました。

確かに「原油価格高騰によるコスト上昇」を運賃に転嫁出来なかった状況で、コスト上昇分を利用客増加にて吸収しようとしても、自家用車利用客はバス等の公共交通に転移せず、「ガソリン価格高騰に耐えるor移動その物を減らす」事をした為、結局バス事業者を含めた公共交通事業者が「原油価格高騰の影響をモロに受けた」状況になってしまいました。

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しかし、これは交通事業者の「自殺点」と言う側面が有ります。

実際、ガソリン価格が高騰し車のコストが上昇した時に、公共交通が受け皿と認識される事が少なかったので、「ガソリン価格高騰→公共交通利用客増加」と言う流れに持ち込めなかったから、燃料費高騰の余波をモロに受けてしまったと言えます。

要は「公共交通の存在」が認知されて居ないと言う事が有ります。
その傾向は、自動車交通が盛んな地方と駅・線路と言うランドマークを持たないバスに強いと言えます。

確かにガソリン価格が高騰して「代わる移動手段が欲しい」と思っても、実際に「公共交通の存在」に気がつかなければ、高いガソリン価格に耐えるor移動を控えるしか選択肢は無くなってしまいます。

その事に、公共交通事業者は気がついて居るのでしょうか?。
私はNOと思います。
公共交通事業者は、リーマンショックでガソリン価格が低下して、収益性が回復して企業体力が回復した時に、「自らの存在をアピールする努力」や「潜在利用客に対するアピール・マーケティング」を行って居ません。
結果として、「危機でありチャンス」のガソリン価格高騰が訪れても、何も備えが無い状況の事業者が多数になってしまって居ます。

今回のガソリン価格高騰は「中東情勢の不安定化」と言う一時的要因と、「新興国の経済発展による需給関係の変化」と言う恒常的要因が重なって居ます。
と言う事は、今後もこの様な状況は続くと言えます。

その中で、多分「運賃値上げ」と言う価格転嫁は、航空業界の様に「サーチャージ制度」が有る訳で無いので、経済状況から考えて非常に難しいと言えます。
その状況で「コスト上昇に如何に備えるか?」は、運行コスト削減が困難な以上、増収に頼らざる得ませんが、その備えは多くの事業者で出来て居ません。

果たして、目前に迫った「冬の時代」に如何に対応するか?。
温暖で快適な「夏の時代」にキリギリスの様に遊んでしまった公共交通事業者は、身を持って「ツケ」を払う様になってしまうでしょう。
先行きが本当に心配です。