【時事の話】防衛力整備に関して「対米依存」が選択の全てでない | TAKAの徒然なるブログ

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私のサイト「TAKAの交通論の部屋」の日記も兼ねて、mixiの日記と一緒に書いて居ます。同じ日記が複数の場所にリンクされています。予めご承知置き下さい。


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皆様こんばんはTAKAです。 今日は珍しく「戦闘機」のお話です。
まあ飛行機も好きですし、この手の話にも昔から興味が有りましたからね。
mixiを見て出ていたニュースとリンクさせて、mixiの日記とブログをリンクさせて記事を書いて見ました。

と言うことで、今日の話は航空自衛隊の「F-X選定」に関する話です。
現在の航空自衛隊の戦闘機はF15-J・F-2・F4EJの3機種を運用していますが、F4-EJは製造最終年が1986年で近代化改修をしているものの、既に機齢が25~30年と老朽化が進んで、更新の必要に迫られ「F-X選定」が話題に上っていて、次期中期防では「新戦闘機12機導入」が決定されています。
と言う事は、5年以内に「F-Xを選定し12機導入する」事になります。

そこで、次期F-X選定が早急に必要になっています。
本当は航空自衛隊の「大本命」は米国ロッキード・マーチンのF22ラプターでしたが、圧倒的な能力を持つ戦闘機と言うことで米国が輸出を渋る間に、機材価格が高額である(1機約1.5億ドル)事がネックに、米国では「生産中止」と言う話があると同時に、現実問題として『F-22の輸出を2015年まで禁止する条項を国防歳出法に明示されている』為、次期F-XにF22を導入するのはほぼ不可能になっています。

そこで、航空自衛隊の次期F-X選定はF22が脱落した結果迷走をする事になり、結局今の所「F/A-18E/F、F-35、ユーロファイター・タイフーン」が有力候補となっています。
その中で、能力的にはF-35ライトニングが一番高いですが、元々濃く国際開発機であるF-35は、優先配備の順番が決まっていて今からF-Xに選定しても、F-4退役に間に合わない問題が有りますし、F-35自体の開発が遅れています。
そこで、アメリカはF/A-18E/Fを売り込み、ユーロファイターの日本販売担当のイギリスがタイフーンを売り込む構図が出来ています。

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欧米軍需メーカーが日本への新戦闘機を熱心に売り込み
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1516990&media_id=97
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さてさて、今や「八方塞」の感がある「次期F-X選定」ですが、果たしてどの機種が良いのでしょう。
選定の元となる「基準」は色々と有るでしょうが、今回のF-X選定が現在F4戦闘機で運用の2個飛行隊分の更新であり、「現在の主力戦闘機F-15J更新であるF-XXの前座」である問題が有ります。
噂ではF-XXでは「国産戦闘機の開発を目指す」構想があります。
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「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」について
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/08/25a.html
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F-Xに関しては、この将来の(第六世代の)F-XXを踏まえて検討する必要が有ります。
その考え方でF-Xの三候補「F/A-18E/F(第四~四.五世代)、F-35(第五世代)、ユーロファイター・タイフーン(第四.五世代)」を見比べると、性能的には第五世代F-35と言う事になりますが、F-35は現実的では有りません。
しかもF-XXを国産開発するには、今の段階で「国産戦闘機の生産基盤」を失う訳には行かず、F-2戦闘機が生産終了する今となっては、「F-2後の生産基盤を維持できる戦闘機」でしかも「新しい生産技術を習得できるライセンス生産」と言う条件も加わります。

その条件でF-Xの三候補で次期F-Xに好ましい戦闘機を考えると、F-Xの候補は、「ライセンス生産OK・ノーブラックボックス」と言っているユーロファイター・タイフーンと言う事になります。
もしくは既存生産基盤で対応可能な「F-2の追加生産・購入」もしくはF-2のグレードアップ「F-2 Super Kai」の開発・生産という選択肢がベターな選択肢になります。

しかしながらユーロファイター・タイフーンに比べて、「F-2orF-2 Super Kai」は元々0.5世代前のF16を基にしており、それはF/A-18E/Fにも言える話です。
又タイフーンの持っているスーパークルーズ機能は「専守防衛で戦力集中が後手に廻る」事が宿命の自衛隊にとって、戦力集中の劣勢の克服をしやすくする意味が有りますし、RCS(レーダー反射断面積)がF-22程でもないが比較的小さいのも「敵を迎え撃つ専守防衛」には有利ですし、空対艦ミサイルを最大6発搭載の兵装積載能力と改良型Su-27とタイフーンの撃墜/被撃墜(キルレシオ)で比較すると1:3~4.5と優れた戦闘機能力を持つマルチロールファイターです。
しかも欧州製の戦闘機でありながら、NATO諸国が開発・採用しているだけあり米軍との間でインターオペラビリティも確立しています。

この様に考えれば、今積極的に行われている「次期F-Xの選定」に関して、「どのような選択をする」事が大切かは分かると思います。
しかもタイフーンは、英国の財政難に起因して「英国採用責任分の他国輸出への付け替え」を企んでいるとも言われ、それは「低価格での採用」への有力な交渉材料になる可能性も有ります。
又ライセンス生産をする場合は、上記のような交渉が出来なくても「日本仕様のトランシェ4の共同開発」を行った上でタイフーンを採用する様な「共同開発の交渉」を行う事が可能です。
この様な交渉を行い「四.五世代戦闘機の改良版の共同バージョン開発」は「F-XXの国産戦闘機化」への道筋を付ける事も可能になります。

今回「迷走している」次期F-X選定ですが、その迷走の元は「F-22に拘った航空自衛隊」と「F-22輸出を頑なに断った米国」に有ると言えます。
少なくとも「日米安保は国防の基軸」である事は間違いありませんが、「何でもかんでも米国製兵器を採用する必要性」は有りません。
実際欧州のNATO諸国は「兵器の自主開発」をしながらも、米国との間で親密な安全保障関係を築いています。
そう考えれば、最優先すべきは「日本の国益になる防衛力整備」であり、それは「米国との親密な安全保障関係」を損なうものでは有りません。

しかも、隣国のロシア・中国で開発が進んでいる「T-50」や「殲20」は「第五世代戦闘機」と言えども、米国のF-22に追いつくまでは行っておらず、本当に「F-22に追い越す戦闘機」が出てくるのは、この次で約10年の時間が有り、日本の場合それに対抗するのはF-XXになります。
その時F-22の時の様に「最新技術戦闘機を輸出してくれない」状況は容易に想像でき、その時にロシア・中国とギャップを生じさせない為には、「F-XXを第六世代戦闘機として国産開発する」事は絶対必要と言えます。
その様な「将来を見据えたF-X導入」が、今の日本の国防を考えるに当たって絶対に必要であると言えます。
その為には逆に「今回のF-Xの選択が鍵を握る」と言っても過言ではないと思います。