宿帳に嘘を書いたら、罪になる? | いくつ知ってる?法律トリビア【第一法規】

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旅行に行くと、旅館に泊まるとき、宿帳を書きますね。

あの宿帳、実は書くことが義務づけられているんです。

それは、「旅館業法」に規定されています。
まず、旅館を営業する人は、宿泊者名簿を備え、

宿泊する人の氏名・住所・職業を記載することが義務づけられています。
 

旅館業法(昭和23年法律第138号)
 第6条第1項
  営業者は、厚生労働省令で定めるところにより旅館業の施設その他の厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があつたときは、これを提出しなければならない。


そして、宿泊する人は、旅館側から求められたときは、

氏名・住所・職業を伝えなければなりません。
 

旅館業法
 第6条第2項
  宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない。


では、何のために宿帳を書かなければならないのでしょうか。
私はずっと、「忘れ物をしたときに届けてもらうため」と思っていたのですが、

 

実は本当の目的は、感染症が発生した場合や、感染症にかかった人が泊まった場合に、

感染経路を調査するためなのだそうです。

これは、厚生労働省が出している通知に書かれています。
 

旅館業法施行規則の一部を改正する省令の施行について(平成17年2月9日厚生労働省健康局長通知)【抜粋】
  旅館業法・・・第6条に規定する宿泊者名簿については、感染症が発生し又は感染症患者が旅館等に宿泊した場合において、その感染経路を調査すること等を目的として、営業者に対して、宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載させることとしているところであるが、・・・


このように、宿帳には大事な役割があるのですが、

さて、もしこの宿帳に嘘の名前や嘘の住所などを書いたらどうなるのでしょうか。

旅館業法には、旅館側に嘘の名前や住所などを伝えた人は、

刑罰が科されると規定されています。
 

旅館業法
 第12条
  第6条第2項の規定に違反して同条第1項の事項を偽つて告げた者は、これを拘留又は科料に処する。


拘留になると、30日未満の間、身柄を拘束されますし、

 

また、科料になると、1万円未満の金銭を納めなければなりません。

世の中、いろいろ事情がある方もおられるでしょうが、

宿帳には本当のことを書きましょうね・・・。


(この記事は、2020年2月21日時点の法令情報に基づいています)

 

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by 第一法規 法律トリビア編集担当