旅行に行くと、旅館に泊まるとき、宿帳を書きますね。
あの宿帳、実は書くことが義務づけられているんです。
それは、「旅館業法」に規定されています。
まず、旅館を営業する人は、宿泊者名簿を備え、
宿泊する人の氏名・住所・職業を記載することが義務づけられています。
第6条第1項
そして、宿泊する人は、旅館側から求められたときは、
氏名・住所・職業を伝えなければなりません。
第6条第2項
では、何のために宿帳を書かなければならないのでしょうか。
私はずっと、「忘れ物をしたときに届けてもらうため」と思っていたのですが、
実は本当の目的は、感染症が発生した場合や、感染症にかかった人が泊まった場合に、
感染経路を調査するためなのだそうです。
これは、厚生労働省が出している通知に書かれています。
このように、宿帳には大事な役割があるのですが、
さて、もしこの宿帳に嘘の名前や嘘の住所などを書いたらどうなるのでしょうか。
旅館業法には、旅館側に嘘の名前や住所などを伝えた人は、
刑罰が科されると規定されています。
第12条
拘留になると、30日未満の間、身柄を拘束されますし、
また、科料になると、1万円未満の金銭を納めなければなりません。
世の中、いろいろ事情がある方もおられるでしょうが、
宿帳には本当のことを書きましょうね・・・。
(この記事は、2020年2月21日時点の法令情報に基づいています)
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by 第一法規 法律トリビア編集担当