コンプラに挑む | 第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

第一経営グループ代表 吉村浩平のブログです

先週末に一人の所員がYahoo!ニュースにこんな記事が掲載されているといって、下記の一文を紹介してくれました。

 

『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終了して1年余り、1980年のとんねるず結成以来、ヒット番組やヒット曲を生み出してきた石橋貴明氏(57)に編集部がインタビューしたもので、相方の木梨憲武氏、「東京の笑い」や後輩、コンプライアンス等々。バラエティーと自身について語ったなか最後の一文です。

 

「プライオリティーとして『それを守ることが一番大事なんだ』じゃ、何も始まらないと思うんですよ。ルールは守らなきゃいけないんだけど、守るなかで何かを考えていかない限り、進歩はしないよね。守ることだけを考えてたら、発想なんてものは絶対生まれない。やり方はいくらでもあると思う。確かに『うーん』って感じる時はあるけど、そこでめげてたら終わっちゃう。『コンプライアンスが厳しくなったから、つまらなくなったのかい?』って。それは言い訳ですよね」

 

「スマホで10秒、15秒の動画を見て楽しんでいる人たちに、1時間の番組にテレビのチャンネルを合わせさせるのって、相当考えないといけない。とりあえず打席に立ってヒット打ってたって、誰も見てくれない。でっかいホームラン打たなきゃ。もっと違うところに頭使って、汗かけば、まだあると思うんだよね、面白いことは。それを諦めた時は終わってしまう。だって、キャッチボールがしたいんだもん。それが公園でできないのなら、他の遊び場を探すしかないかなって」

 

石橋貴明氏本人は「不器用でも負けずに頑張れば何とかなった」と言っていますが、やっぱり、こうした気持ちを持ち続けることが出来るのが、本当のプロなんだろうという気がします。そもそも世の中に「不器用でない人」って存在するのでしょうか。誰にでも強みがあれば弱みもある訳で、それだから一人の個性を持った人間なんだろうと思います。ただ、その自分の姿を自身の心の鏡に写し出して見ることは、もしかしたら日常的な訓練の積み重ねが必要なことなのかもしれません。

 

それはさておき、決められたルールを守ることは、ビジネス、商取引の上ではコンプライアンスということになります。では前提としてルールが「行動に制限を加えるもの」と考えるなら、それは「自由な取引」の反語になるのでしょうか。

 

ルールは自分一人の世の中では必要ないものですが、少なくとも複数の人間が関わるようになることで、その必要性が出てくるものです。多くの人は理解していることですが、ルールがあるからこそ、また環境が変わる中でルールも変わって行くからこそ安心して自由な取引が出来るし、その組織やシステムが発展していくことが出来るのだろうと思います。

 

同時に言えることは、ルールを守ることが目的ではなく、誰のために何を実現するかという目的は、仮にルールが変わったとしても変わらないということです。目的とは相手のニーズに応えることであり、そのためのモノやサービスを提供することです。ルールを守ることが目的になってしまうと、そもそも肝心の「何のために」が後景に追いやられ、発想や行動が委縮してしまうことを石橋貴明氏は言っているように思います。

 

プロがその世界でニーズに応える仕事をし続けるためには、変化していくルールの中で自らが提供していくモノを見直し続けなければなりません。そしてまた「何のために」というニーズの本質を見極める目を鍛えるとともに、新しい発想でニーズに応える土俵を探し出したり、新たなモノを創っていくことが求められるのだろうと思います。そこに大きなホームランを打つ夢を抱きながら、もちろんプロセスを楽しみながら・・・