第一経営グループ代表 吉村浩平のブログ

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第一経営グループ代表 吉村浩平のブログです

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先週21日に行われた社員総会において、私、吉村は48年務めた株式会社第一経営相談所および第一経営グループの代表を無事に下りることになりました。このブログも今回は“おまけ”として書いていますが、次回からは後任の薊喜美雄に繋いで行くことになります。

 

私が前任の沼田から代表を引き継いだのは、東日本大震災があった年、201111月のことでした。この8年間を思い返すと時には厳しい状況もありましたが、おかげさまでお客様を初め関係する諸団体の皆様など様々な支援のもと2014年には創立50周年を迎え、更に2016年には本社ビルをさいたま新都心に新築移転することも出来ました。

 

また本社の移転の議論と並行して理念の見直しについても全社討議を行い、2013年には創業以来というか、ほとんど50年ぶりくらいとも言える経営理念の改訂も行われました。そしてその前文には新しい理念らしく、象徴的な文言として「私たちは、お客様とそこに働く人々の夢と幸せを実現するために行動します」という一文が入りました。

 

理念検討プロジェクトでの議論とそれを受けた役員会での議論、全社に提案した「経営理念」をもとにした事務所別の意見集約など約一年をかけての改訂でした。そうした議論を通して、改めて従来の理念に込められた創業者の思いを学び、その志を受け継ぐと共に、より馴染みやすい表現にすること、そして働く自分たちの幸せを追求することを確認する理念が出来ました。

 

こうした取り組みは、経営幹部のうち6名が会員になっている中小企業家同友会での学びを生かし、社内において「共に育つ」という意識を管理者から新入社員まで徹底することへのこだわりがベースにあります。同時にお客様に対するスタンスとして2000年の長期ビジョンで確認された「会計事務所から経営相談所へ」というスローガンが生かされています。

 

第一経営は一人ひとりの所員が株主となるとともに、一人一票制の協同組合的な全員参加型経営を始めて30年余りが経ちます。今後もこの経営理念からブレないで、全員の知恵と行動力を集め、より豊かに、そして創造的な経営を続けることで、お客様を初めとした多くの人に支えられ、持続可能な事務所としてあり続けることが出来るのだろうと思っています。

 

私自身は、これからまたお客様との関わりを増やしていきたい。そして未だ微風状態にある「会計事務所から経営相談所へ」「過去会計から未来会計(経営)へ」という風を、楽しみながら、もう少し事務所の中で吹かせて行ければと思います。そんな立ち位置を意識しながら求められるところで、これからの薊所長の時代を盛り上げていくことが出来れば、という思いです。

 

ところで・・・実は今はちょっとした解放感も味わっています。このブログを毎週書き続けることは沼田から引き継ぎ、折角だからこだわりを持ってやろうと自分で決めたことではありますが、私は別に作家ではありませんから、当然のごとくめげそうになる週末も多々ありました。

 

ただ思い返すとこのブログ一つとっても、一人の経営者として時々の学びを意識的に言葉に表現していくことは色々な意味で鍛えられるものでした。またこうして積み重ねたものを改めて眺めてみると、稚拙ながらも自分なりに一つの納得できる財産として残すことが出来たのかなとも思っています。そんなところで・・・この間、私のブログに付き合っていただいた皆さま、改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

紅葉の季節なのに安倍首相の周りでは「桜を見る会」がずいぶんと盛り上がっています。一部ワイドショーのコメンテーターは「たかだか5,000万円ほどの話で、国会を空転させれば幾らかかるか」といった見当違いなコメントをされている方もいますが、次元が違うというか、これは総理大臣による公私混同、税金の私物化という話です。

 

だいたい自民党の二階幹事長も記者会見の場で「問題になるようなことがありますかって聞いてるんだ」と記者を睨み付けるようにして豪語していましたが、今の自民党や安倍政権にしてみると、この程度の「使い込み」は別に大したことではない、よくあることなのかもしれません。

 

ところが、そうこうする内に来年の「桜を見る会」は、安倍首相の判断で急遽中止になったようです。政府主催の公的な行事なのに参加者名簿も早々に廃棄したそうですし、何かやましいことがあったのでしょうか。相変わらず簡単に公文書を捨てたり改竄してしまう内閣です。急遽中止と言えば、つい先日も大学入試で英語の試験を民間委託するという件で、安倍首相のお友達である萩生田文科大臣が発した「身の丈」発言が炎上し、急遽延期を発表して議論の幕引きを図ったばかりです。

 

その前には菅原経済産業大臣と河井法務大臣という主要ポストの二人の大臣が公職選挙法違反の疑いで辞任しました。それぞれ国会の場で説明すると言いながら未だ表舞台に出てくる気配はなく沈黙したままです。一方で安倍首相は自らの任命責任を口にするも、その責任の意味することは空っぽなのか、ただ「任命責任は私にある」という当然の事実を言っただけで、なんともバカバカしいほどの無責任さです。

 

森友学園の問題で安倍昭恵夫人の関与を曖昧にし、加計学園の問題ではお友達の加計孝太郎氏を優遇した事実を、政権が一体となって誤魔化し続け、ついにウヤムヤにすることに成功したと思っているのかも知れません。

 

今回も早々の「中止決断」で予算3倍化なども無かったことにし、早期の火消し、話題の忘却を狙っているのかも知れませんが、そろそろ日本でも権力者の横暴、税金の私物化等やりたい放題が許されないことを示さないと、政治における最低限のモラルが無いばかりか、民主主義も何もあったものではないという気がします。

 

消費税が10%に増税されて1か月余りが経ちますが、来年2020年の景気動向が本当に気になります。東京オリンピックという一時的な強壮剤があるものの、どこまで地方経済へ波及するかは見えませんし、その後の反動減も心配されます。また建設業など既に「オリンピック後」と言われる業界もあります。そんな先行きが不透明な中で、ここまで自由勝手、野放図な税金の使い道「桜を見る会」が来年も行えるはずがありません。

 

しかも今回ばかりは、周りが忖度して行ったことで本人は知らなかったとは言えません。山口から大挙して上京してきた安倍首相の地元後援会850名あまりが集う前夜祭(それも格安会費が公選法違反の疑いがあると言われているものですが)で挨拶し、更に当日は正規の開門前に後援会の皆さんを特別扱いして会場の新宿御苑に入場させ、一緒に写真撮影していた訳ですから、明らかな確信犯ということになります。

 

憲法や国会を軽視するアベ政治による、モラルハザード極まれりというところです。たかだか5,000万円程度の話ですが、金額の多寡の話ではありません。色々やましいことがありそうだし、普通に考えれば総理大臣という前に国会議員としてコンプライアンス違反な訳で、例によって「なかったことにしたい」と思っても、さすがにここまで来るとマズイですよね。

 

中小企業家の立場からすれば、今回の消費税10%増税こそなかったことにしてもらいたい。野党が主張しているように、せめて5%に減税すること、そして民主的な税制の基本である応能負担の原則にそった形に戻していくことで弱っている購買力を高め、経済の好循環に繋げていくべきだろうと思います。

先日、埼玉映画文化協会の上映会で「いのちの山河~日本の青空Ⅱ~」という2009年に制作された映画を初めて観ました。なんとなく聞いたことはあるという話でしたが、これは国からの国民健康保険法を盾にした圧力や様々な嫌がらせに屈することなく、憲法25条(生存権)を前面に掲げ、日本で初めて医療費の無料化を実現した岩手県の旧沢内村の深沢晟雄村長の物語です。

 

ここ沢内村は大変な豪雪地帯です。そして貧困、更には近くに病院がないことから、病気になっても医者に診せることもなく、老人はもとより多くの乳幼児が育つ前に亡くなるという悲しい地域でした。深沢晟雄はそんな「豪雪・貧困・多病」の村を何とか変えたいとの思いを強くするなか、請われて村長選に立候補し当選します。

 

深沢村長がまず行ったことは、貧しい村の財政から除雪車を購入して冬でもバスが峠を通れるようにすることでした。そして更に東北大学へ何度も何度も何度も足を運び、ようやく若いお医者さんを紹介され、招聘して診療所を開設し、村民の健康診断が始まります。

 

どんな田舎であろうと「いのちに格差があってはならない」という熱い思いを語り続けることで、それに若い医師たちの良識が応えてくれるようになります。そして沢内村は1960年ついに乳児と60歳以上の医療費無料化を実現します。結果として深沢村長がリードする沢内村は、乳児の死亡率ゼロという、かつては考えられなかった村づくりに成功することになります。

 

村民一人ひとりの健康管理を行う台帳を整備し、医師と保健婦と住民が一体となった村民の命を守る取り組みを続けてきた歴史が、今に続いています。地方自治の原点を、日本国憲法においた取り組みと考え、そして生命に格差はないという、ごく当たり前の思いに本気になった取り組みだったからこそ、それは大きな力を持ち、広く全国へと影響力を及ぼすことが出来たのだろうと思います。

 

「いのちに格差があってはならない」ことは自明のことと言っても、あれから60年が経過する今、なんだか世の中の歯車は逆回転して来ているようにも感じられます。格差社会という言葉が普通にいわれる時代です。文科省の萩生田大臣が大学入試の共通テストに関わって「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」という、国の教育行政のトップとしてはちょっと信じられない、異常な発言がありました。

 

複数税率という厄介な仕組みのままに消費税が10月から増税され、これを機会に廃業を選択した飲食店や小売業などの小規模業者が多いという話を聞きます。これまでの消費税増税にあたっては、一方で法人税率を下げその穴埋めに消費税増税の大部分が使われています。先日のニュースによると、トヨタ自動車が中間決算を発表しましたが、増収増益で過去最高の利益を計上しているということです。

 

力を持つ者が更に強くなれる仕組みをつくりリードする社会、そのオコボレで下々を潤すという「トリクルダウン」という発想のアベノミクスが進めているのが「経済格差」と「教育の格差」です。それは結局のところ社会全体を潤すことはなく、ついには「生命の格差」に繋がるものではないかという気がします。

 

制作から10年を経て観た映画ですが、なぜ映文協が企画したのか、まさに今こそ観る価値がある映画だということが分かりました。歴史の歯車が逆回転していることに気付くことが必要であり、更には何があっても決して現状を諦めないこと、憲法を前面に、当たり前の民主主義を守る運動を進めていくことの大切さを思いました。