資料を持って、彼女の会社に到着すると、最初に出迎えてくれたのは彼女のお姉さんだった。


「どうぞお入りください」と案内されると、奥で彼女が会社の電話で誰かと話しているのが見えた。


お姉さんに「彼女に用事があります」と伝え、玄関で待つことに。


この時、正直に言って心臓がバクバクしていた。


ただ資料を渡すだけの打ち合わせだったはずなのに、どこか違う緊張感があった。



数分後、彼女が電話を終え、私のもとにやってきた。


彼女も何かを感じていたのか、会社の中ではなく外で話をすることになった。


彼女に連れられて外に出ると、互いに微妙な距離を保ちながら、照れくさそうに資料の内容について話し始めた。


言葉を交わすたびに、何とも言えない緊張が漂っていて、目を合わせることさえ難しかった。



打ち合わせ自体は短く、あっという間に終わったが、帰ろうとしたその時、彼女の会社の社長、つまり彼女のお父さんに呼び止められた。


一瞬、時間が止まったように感じた。



彼女の父親は、この間の飲み会のことを知っていたらしく、「俺も先輩が社長になったお祝いをしたいんだ」と話し始めた。


「その段取りをお前がしてくれ」と頼まれ、予想外の展開に驚きつつも了承することに。


彼女は横で静かに話を聞いていたが、社長との会話が終わると、ふと目が合った。



「また会える」とお互いに思った瞬間だった。


その微妙な空気感が何とも言えず、何かが動き出す予感を感じていた。


次の再会が、ただの仕事だけで終わるのだろうか、そんな思いが頭をよぎった。