金曜日がついにやってきた。



飲み会の当日、私はどうしても彼女と一緒に行きたくて、思い切って彼女に連絡をした。


少し遠回りになるけれど、彼女を迎えに行って一緒に向かうことにしたのだ。


ただの移動ではなく、少しでも彼女と話す時間を増やしたかったからだ。



タクシーで彼女の家まで向かい、彼女が乗り込んでくる瞬間、胸が高鳴るのを感じた。


家から飲み会の場所までは約20分。


その短い時間が、まるで特別なもののように感じられた。



前回のタクシーでの出来事が頭をよぎり、どこか意識してしまう。


彼女との距離が少し近く感じられるのは、そのせいだろうか。


けれど、今回は何も触れず、あくまで自然な会話を心がけた。



話した内容は、飲み会でどんな話をすればいいのか、たわいもない話が中心だった。


手を握ったあの夜の話題には触れることができなかったけれど、こうして隣にいるだけで十分だった。


タクシーの中はどこか穏やかで、けれど言葉にできない感情が胸に渦巻いていた。



そして、飲み会の場所が近づくにつれ、また新しい緊張が生まれていた。


これから始まる時間が、どんな展開を迎えるのか――それは、まだ誰にもわからない。