1軒目が終わる頃、私は彼女のことが心配になっていた。

焼酎をかなりのペースで飲んでいた上に、途中で店に置いてあった高級な日本酒が出され、それも一緒に飲んでいたからだ。

彼女の顔つきは、タクシーで一緒に来た時とは明らかに違っていて、赤みを帯びたその表情に酔いの色が見て取れた。


支払いを彼女のお父さんが済ませている間、私たちは少しだけ話す時間を持つことができた。

「大丈夫?飲みすぎてない?」と声をかけようか迷ったが、彼女の様子を見る限り、意識はしっかりしているようだった。

ただ、少しテンションが高いように感じられ、いつも以上に笑顔が多かった。

その姿を見て、心配と同時に少し可愛らしいとも思ってしまう自分がいた。


次の2軒目は、1軒目から歩いて15分ほどの場所にあるスナックだった。

5人で話しながら夜道を歩いていったが、私はどうしても彼女のことが気になり、どんな話題を振られても集中できなかった。

お父さんや社長との会話に適当に相槌を打ちながら、心の中では「無理していないだろうか」「酔いすぎていないだろうか」と彼女のことばかりを考えていた。


2軒目のスナックに到着すると、幸いにも店には他のお客さんがいなかった。

私たちはそのままカウンター席に案内され、奥からお父さんの奥さん、お父さん、社長、私、そして彼女の順番で座ることになった。

お父さんはさっそくカラオケを入れ、マイクを手に楽しそうに歌い始めた。

一方で、社長と奥さんは仲良く会話をしており、その間に私と彼女は自然と二人で話せる時間を手に入れた。


隣に座る彼女は、少し酔っているのかテンションが高めで、いつも以上に距離感が近かった。

肩と肩が触れ合うどころか、時折軽く押し付けられるような感覚さえあった。

少し戸惑いながらも、「くっつきすぎじゃない?」と冗談めかして言ってみると、彼女は笑いながら「そうかな?」と返してきた。

そのやり取りだけで胸が高鳴るのを感じつつも、周囲の目を意識せざるを得なかった。


彼女の笑顔と少し高めの声は、スナックの明るい照明の下でより鮮やかに見えた。

けれど、その様子を見ていると、「この後どうなるのだろう」という漠然とした期待と不安が交錯し、私の胸に妙な緊張感を生み出していた。


この夜は、きっと何かが起こる――そんな予感が、私の中でどんどん膨らんでいた。