2軒目では、正直ずっとヒヤヒヤしながらその場を凌いでいた。


隣に座った彼女が酔っ払っているせいか、肩が触れ合うどころか、しっかりと密着している状態。


「近いって」と何度も注意したが、彼女は笑いながら「いいじゃん」と軽く流すだけで、全く言うことを聞いてくれない。


その無防備さに内心嬉しさを感じる反面、彼女のお父さんがすぐ近くにいるという現実にビクビクしていた。



カウンター席だったせいで、彼女の位置からはお父さんが見えなかったのかもしれない。


だが、私の隣の隣にはお父さんが座っており、時折こちらに話しかけてくる。


お父さんと会話をしている間も、彼女との距離感がどうしても気になり、落ち着くことができなかった。


肩が触れるたびに、「これ、バレたらどうなるんだろう」という不安が頭をよぎり、心臓が早鐘を打っていた。



このままではマズいと思い、カラオケを入れて席を立つことにした。


少しでも彼女と距離を取らなければ…そんな焦りがあった。


お父さんがノリノリで歌っている間、私もマイクを握り、少し場を盛り上げながら状況をやり過ごそうとした。


それでも、席に戻ると彼女はまた隣にぴったりとくっついてきて、注意しても全く動じない。



さらに気になったのは、彼女が1軒目からかなりの量を飲んでいたことだ。


ビール、焼酎、日本酒、そしてこの2軒目ではハイボールを次々に飲み、完全に酔っ払っている様子だった。


笑顔は崩れないものの、どこか普段の彼女とは違うテンションの高さが感じられた。



後から聞いた話だが、この時の彼女は「私が拒んだ」と思ってイライラしていたらしい。


その苛立ちを紛らわすように、お酒をさらに飲んでいたという。


そんな背景を知らなかった私は、ただ彼女を気遣いつつも、この場をどうにか切り抜けようと必死だった。



そして、2軒目が終わりに近づいた頃、お父さんが突然「もう一軒行こう!」と言い出した。


正直、彼女はもう十分に酔っている。


次に行けばどうなるのか、不安でたまらなかった。



この夜は、まだ終わらない――そう思った瞬間、胸の奥がざわつくのを感じた。